キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンのレビュー・感想・評価
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サイコパスすぎる
2023年劇場鑑賞247本目。
こんな長いのにパンフレットないとは・・・。マイナス0.5。
観る前はもうちょっと削れるだろと思っていたのですが、そこまで無駄なシーンはなく(ダイジェストっぽくする方法もあったでしょうが)仕方ないかなという印象。脳はそこまで長いと感じませんでしたが身体はそうもいかず、大福食べてみましたが結局トイレに行くことになりました。
この大量殺人の恐ろしいところは、仲良くしている人を金のためにあっさり殺すところだと思います。完全にサイコパスで、徐々に狂気にかられていくのではなく、それが当たり前のことのように行っているのが嫌でしたね。
スコセッシの映画
西宮IMAXで観ました。これは大傑作だと思います。ビートルズのホワイトアルバムみたいな。ホエールの俳優の弁護士に大声で説教されしゅんとなるデカプリオが最高でした。モリーの母親が亡くなるときのシーンや最後のネイティブアメリカンの躍りのシーンは黒澤明や伊丹十三や北野武など日本映画っぽいと思いました。
お話に山もなければ谷もない・・・
監督、マーティン・スコセッシ、出演レオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロで、アメリカの実話を描いた作品とくれば面白いはずと思い見に行ったのですが・・・・
正直、日本人には少々民族的な部分で分かり難いかな・・・また、お話に山も無ければ谷もなく、淡々とお話が進み200分もある映画なので、ちょっとがっかり・・・・
お話に山もないし谷ももないので、演技派であるレオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロを起用しても、「はい、演技しています」的にしか見えないので、さすが、レオナルド・ディカプリオ、さすが、ロバート・デ・ニーロとも言えない・・・
どんなにいい俳優さん使ってもお話が淡々としては、やはりどうにもならない見本みたいな内容だったかな・・・
かえって脇のインデアンの系の俳優さんの方がいい感じな演技だったかな・・・・
実話なんだろうけど、もう少し脚色しても良かったかな・・・・
結局、無駄なシーンをもっと無くして、ぎゅと話を作った方が分かりやすかったかな・・・・
日本も、昔は、こうだったんだろうな・・・・あまりにも簡単に欲の為に人を殺しちゃうんだから・・・・
しかし、ちょっと期待し過ぎました・・・・・
余韻が凄まじい
最後のアーネストの「・・・、インシュリン」
という言葉が切なすぎて。
本当に大事にすべきものは何だったのか、
気づいた時には遅すぎて。
人としての欲望も慈愛も悲しみも喜びも、
この映画には全部ある。
観終えたあとの余韻がまた凄まじい。
月下美人
今年観た作品の中でもダントツの長さ、予告込みで3時間半超えのオーバーキル。普段は飲食物を持ち込まないんですが、持久戦に備えようと思ってキャラメルポップコーンを片手にいざ突入。
体感ほど長くは感じませんでしたが、冷静に考えれば映画2本分くらいの長さ、途中途中で長いなーと思う場面があったのが残念でした。
一つ一つの事件を丁寧に描くというよりかはかなり長々と見せつけてくるので、どうしても長さを感じる場面が多かったです。
大金を得たオセージ族に目をつけた白人たちが狙いを定めて、恫喝から果ては殺人まで起こしてしまった実話をベースにしているので大きな盛り上がりというよりかは、おどろおどろしい感じで観る側に恐怖を植え付けていくという構成は見事だと思ったんですが、それにしてもテンポがあまり良くなかったです。自分が100分前後の映画を好んで観まくってるというのもあると思うんですが、謎に詰まるシーンがあるとどうしてももどかしくなってしまいました。
エンドロールはサラッと字幕を出して終わるという演出は、実話ベースの作品だと使われる事が多いですが、このくらいの後味にするのが良いのかなと最近は思い始めました。
役者陣の惹きつける力は抜群で、レオナルド・ディカプリオのダメ男っぷりがもう最高にイライラさせられました。実際にいそうなラインを絶妙に突いてくれていましたし、表での笑顔と裏での真顔という使い分けがエグすぎて震えました。それにしても鈍感なのかバカなのか、とにかく行動が遅いので、監督の計算の内でしょうがイラーっとさせられっぱなしでした笑
ロバート・デ・ニーロの極悪非道なキングも最初から最後まで最高で、こんなに極悪で欲望まみれのオーラを醸し出す人はいないよなと楽しませてもらいました。
リリー・ブラッドストーンのまっすぐな眼差しに心締め付けられっぱなしでした。
殺されるもの、殺す側のもの、それぞれの思考が読めないくらいの演技合戦は本当に最高でした。
映像も100年前の時代という事が分かるのに、実際の場所での撮影も相まってリアルな感じが伝わってきましたし、装飾や衣装もとてもオシャレなものが多く小物好きな自分には違う面での見応えがありました。
直近で「福田村事件」「キリング・オブ・ケネス・チェンバレン」と差別の歴史の実話を描いた作品が出ていましたが、今作はそれらの差別とはまた違う原住民vs外から来たものの構図だったのはまた興味深い作品だったなと思いました。長さだけどうしても気になってしまいましたが、スコセッシ監督の映画への愛はこれでもかと伝わってきました。というかこの長さを撮れるのが凄すぎると改めて思いました。
鑑賞日 10/21
鑑賞時間 9:00〜12:40
座席 R-30
自我の膀胱限界を知る! 3時間半は中々の挑戦を色んな意味で感じるわ。
上映時間:3時間26分(206分)ですよ。
中休憩も一切ありません。よって コンディションフルアップして
ご鑑賞ください。
途中トイレに行くかもと・・・想定してたけど
最後まで集中して鑑賞を終えられました。自分で自分を褒めたいw。
上映が長いんで劇場側も枠を設定するのが結構大変。
興行的にはかなりのギャンブル性をはらんでいると感じます。
内容は、アメリカ原住民のインディアン(その後)。
政府や周囲にのけ者にされて 転々と移住した先がオクラホマ。
移住先から原油が出てきて やがて資産ある金持ちに。
既得権益でお金が入ってくるのだが、当然 白人達(ゴロツキ野郎)に狙われる。
一番悪は 原住民側に立つ優しい白人副保安官と見せかけて
裏では ゴロツキどもに指示して 殺しが行われていた。
まともに 捜査されない原住民達。
誰の目にも 原油の権利を巡って
資産狙いの結婚と 殺人であることは承知の事実。
ア-ネスト(リオ役)の モ-リ-への愛と
ヘイル(デニ-ロ役)との間で揺れる心情展開が
本作の要だろうか。
愛か、血筋か、ってところが 垣間見れます。
妻に最後に問われて、
インシュリンだと思って オレは打っていたんだよって所が
ア-ネスト自身の 妻への残された愛かもしれません。
※僕なら違うやろって気づけと思うけどね。
膀胱が達者な人には チョット長いけどお薦め!
スコセッシらしい作品が堪能できます。
だれない
ジョン・ウィック(3時間)と迷ったが、こっち(3時間半)を見た。
オールした次の日だったから耐えられるか心配だったけど、眠くもならず見ることができた。
社会派ではあるが、定期的に衝撃的なシーンがあり退屈な場面はあまりない。映画館で集中してみるのが正解かも。
1920年代、オクラホマ オセージ郡にいる先住民オセージ族が60人余り殺害された事件が題材である。
レオは家族思いであるが、叔父のデニーロに言われるがまま殺害命令出すし、普通に人殺すし矛盾してる。裏表があるっていうより欲望に抵抗できなかった感が強い。奥さんに投与してるインスリンに混ぜた鎮静剤が毒だってことに気付いていたのかな、、。
罪悪感からか自分に入れたシーンもあったし、最後の奥さんの質問に答えられなかったし、きっと知っていた。
それでも奥さんへの愛は本物だっただろうから複雑。
自分では手を下さないデニーロがいやらしい。
この時代の命は軽いなぁ。家族や友人が徐々に殺される虚しさや、次は自分かもという怖さに耐えられなくなりそう。
オセージ族という存在も、こんな事件があったのも知らなかった。忘れてはならない歴史をこうやって知ることができる映画大好き。
本来ならディカプリオはFBI役のオファーがあったらしい。
だがFBIが主人公だと、当時の白人とオセージ族の関わりが深く描けないという理由で、オセージの旦那役であるアーネストになったらしい。
FBI役にブレイキング・バッドのトッドが出てて嬉しかった。
★5つはないかな
ディカプリオの顔芸が見どころ、という売り文句だけど、顔芸というほどのものでもなく、ただ役に没頭している表情の演技力の賜物。
といっても、見どころというとディカプリオの演技、に尽きる。
デニーロは出てくる時間は多いけど、普通かな。
史実を元にしているということでストーリーはしっかりして見応えはあるが、なにぶん長いのでちょっとダレてしまう人はダレてしまうと思う。
ディカプリオは自分とほぼ同い年でタイタニック以降リアルタイムで見ているので、年を重ね演技力がアップしていくのが単純にうれしい。
20231021 大阪ステーションシネマ
命の軽重を問う
際に起きた事件の映画化も
最近ありがちなその旨の提示はなし。
底本もあるようで
『デヴィッド・グラン』によるノンフィクションのタイトルの邦訳は
〔花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生〕。
随分とヒドイと思いつつ、ある意味
本作の内容を端的に現わしているかも。
物語りの舞台は1920年代のオクラホマ州オーセージ。
主人公が第一次世界大戦帰りであることや、
スペイン風邪に罹患しなかったことなども歴史的背景として語られ。
押し込められた居留地で、たまさか石油が噴き出したことから
突然裕福になった「オセージ族」。
その資産を悪辣な手段で奪おうとする白人たち。
更にはそのことに起因する殺人事件を捜査するFBI。
FBI自体は1908年の創設も、
事件当時の捜査局長は敏腕で鳴らした『ジョン・エドガー・フーヴァー』。
原作のタイトルとは異なるも、
この時期に一気に名を馳せるようになったのは間違いのないところ。
戦場帰りの『アーネスト(レオナルド・ディカプリオ)』は
土地の権力者の叔父『ウィリアム(ロバート・デ・ニーロ)』を頼りその地に赴く。
最初は使い走りのようなことをしていたのだが
次第に裏の仕事にも手を染めるように。
一方で(叔父の唆しもあり)「オセージ族」の娘『モーリー(リリー・グラッドストーン)』と結婚、
莫大な資産の相続者となる権利も得る。
しかし町では「オセージ族」が謎の死をとげたり、殺害される不可思議な事件が頻発。
本編でも最初の方は、誰が犯人かは判然とせず。
しかし薄皮を剥くように、善人の面の皮がめくれて行き、
ついには真実が白日の下に曝され。
莫大な金の為には、人間はここまで非情になれるのかとの切ない思い。
或いは先住民の命はそこまで軽んじられるのかとの戦慄にも似た感情。
そうしたものがないまぜになり背筋が寒くなる。
更には、自身の親族さえ犠牲にできる非道さの源泉は
どこから来るのだろうか、と。
『アーネスト』の本質は気のいい男。
そこがつけ入るスキがありまくりで
良いように利用された結果の不幸とも言えるのだが。
三時間を超える長尺も冗長なシーンは皆無。
繰り返される平穏な日時が、次第に異質なものへと変化し、
気付いた時には恐ろしいことになっている経緯の描写が秀逸。
また、善意の隣人の本質が次第に明らかになる過程を描くには
これだけの尺はどうしても必要に思える。
僅か百年前の出来事も、
最後に語られる関係者のその後については驚きを隠せない。
これだけの犯罪に課せられる量刑が軽く感じられ、
また恩赦まで施されるのは何故なのだろう。
命が(それも先住民の)が軽んじられた時代のせいか、
それとも彼の地ならではの考え方なのだろうか。
文句ない大作。
たった400年くらいの歴史しかないUSAだけど、その大地には太古の昔からの石油が眠っていて、(よく言えば)フロンティアスピリッツ溢れる白人たちの開拓のずっと前からネイティブアメリカンたちは歴史を紡いでいた。なんてことは既知のことだったはずだけど、現場で何が起きていたのか教わった。異文化が融合する際の利権目当ての婚姻・財産剥奪・隠蔽。ダーク過ぎる真実。
最後には悪のベールを剥がすFBI連邦捜査局のプロパガンダ演劇みたいな舞台設定。「え、この壮大な映像劇は劇中劇だったの?」という拍子抜けの展開も小気味よかった。最後にモーリーの訃報報道記事を読み上げる役で出てきたスコセッシ監督、感極まって涙ぐんでいたようにも見えたし。
贅沢なキャスティング、空撮よし、接写よし、長回しよし、美術・音楽に(多分)妥協なしで練り上げられた大作。長尺だけど劇場で見ればダレることなく楽しめた。
デカプリオの顔七変化は見ものです。久々にリタイアおじいちゃんじゃなくて終身悪役デニーロも健在でよかった。(ずいぶんシュリンクしてたけど仕方ない。)モーリーの役者さん、モナリザみたいに美しかった。最後の最後、やっぱりクズだった夫を見限って立ち上がったところ、かっこよかった!
彼らがまみれたのは油ではなかった。欲にまみれ、手を血で汚し…
スコセッシの前作『アイリッシュマン』は興奮モノだった。
久々のマフィア物、デ・ニーロと24年ぶりのタッグ、共演にアル・パチーノ、ジョー・ペシ、ハーヴェイ・カイテル…。
製作費2億ドル、上映時間3時間超え…。
キャリアに於いても一本出るか出ないかくらいの超大作。
しかしこのレジェンドは、またしてもKO級の力作を放ったのだから恐れ入る。
1920年代の米オクラホマ州。
先住民・オセージ族が暮らす居留地で油田が発見。彼らは一夜にして裕福な富を得る。
それに目が眩んだのは、欲深い白人たち。やがてオセージ族を…。
これが実際にあった事件だというから衝撃…。
石油利権、人種差別、凄惨な事件…。
人の暗部、知られざるアメリカの歴史の闇に、スコセッシが斬り込む。
まず、この話題。
共演はこれが3度目。レオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロのスコセッシ新旧常連が、スコセッシ作品で初共演!
この2人がスコセッシ作品で共演する日を待っていた。
スコセッシ×デ・ニーロ×レオ…『アイリッシュマン』の時のように、もうこれだけで見たい!
その感想はレビューと共に追々触れるとして、
売れっ子ジェシー・プレモンズを始め、復活ブレンダン・フレイザーやジョン・リスゴーなどちょい役ながら豪華。何より新星リリー・グラッドストーン! オセージ族役の役者たちも含め名アンサンブル。
スコセッシ組のスタッフたちの仕事ぶりもいつもながら。
本作も200分超え。尺の長さについてはすでに色々言われ、確かに長さも感じるが、これだけは言える。
ただ無駄な200分じゃない。その長尺を存分に使った、見応えたっぷりの200分!
またまたまたまたスコセッシが新たなる代表作を発表。
80歳を過ぎても尚、代表作を更新し続けるなんて、もはや別次元か仙人か生き神様の領域。
例のMCU批判発言についてはとりあえず今は置いとこう。レジェンドはレジェンドであり続ける。
『アイリッシュマン』に続き、配信会社提携。
確かに題材からヒットは難しそう。
それでも本作を作りたかったスコセッシの熱意は尊敬もの。
『アイリッシュマン』はあのムードやカッコ良さに痺れたが、本作は題材や話に面白味あり。
原作のベストセラー・ノンフィクションではプレモンズ演じる捜査官の視点で語られるらしいが、映画は大胆脚色。レオ演じる主人公の視点から。
捜査官視点でも事件を追う捜査サスペンスの面白味あったろうが、映画の事件に大きく関わる一人の男の視点にした事によって、そこで何が起きたのか、何故起きてしまったのかを、痛烈に見せる事に成功している。
本当に、何故こんな凄惨で愚かな事件が起きてしまったのか…?
発端…と言うか、オセージ族は何も悪くない。油も神から授かりたもうたもの。
これも偏見かもしれないが、先住民と言うと、荒野でテントに住み、簡単に衣服を纏い、狩猟など昔からの風習や暮らし。
しかし本作では、荒野ではなく一つの町の、立派な屋敷に住み、高級車に乗り、上品な服を着ている。白人の紳士やご婦人と変わりない。
こういう先住民の描かれ方もハリウッド映画で初めてではなかろうか…?
そんな彼らに、白人たちが媚を売る。運転手すらする。
ハリウッド映画に於ける先住民と白人の立場逆転は新鮮だった。
しかし、白人たちがいつまでも先住民たちにおべっか使い続ける訳がない。
石油も富も何もかも、我々のものに…。
白人の誰か一人がそう思い妬んだ時、事件の発端が始まったのかもしれない…。
この町にやって来た主人公の男アーネスト。叔父を頼って。
叔父ウィリアムは町の有力者。“キング”と呼ばれ、町の発展に貢献し、オセージ族とも良好な関係を築いている。
石油採掘の仕事で多くの者が町を訪れ、富を手にし、先住民と白人の理想郷…一見は。
アーネストも叔父の下で働き始める。運転手の仕事。
オセージ族の娘モーリーと出会い、惹かれ合い、やがて結婚。娘も産まれる。
幸せと順風満帆に思えたが、叔父のある仕事に関与した事から…。
オセージ族と良好関係築き、穏やかで懐広いウィリアム。
が、彼の真の顔は…。
オセージ族の富を根こそぎ奪おうとする。
そのやり口は狡猾。
オセージ族に保険を掛け、不審死に見せ掛ける。
白人の男とオセージ族の女性を結婚させら、やはり相手を不審死に見せ掛ける。
それも直接指示ではなく、それとなくそうさせるように。
アーネストもまた。モーリーを少しずつ少しずつ追い詰めていく。
彼女の親姉妹を。謎の連続不審死に疑問を感じ、彼女が雇った探偵を。
手を下す。表向きは妻を愛し、妻を心配する良き夫面して。
いや、アーネストがモーリーを愛しているのは本当だ。
アーネストを愛しているが、叔父には逆らえない。
心身共に弱っていくモーリー。そんな彼女にアーネストは薬や注射を処方。が、それはただの薬や注射ではなかった…。
戦慄したのは、連続殺人の数々が、劇的に起こるべくして起きたのではなく、日常茶飯事のように描かれる事。
ウィリアム配下のこの町の白人にとって、オセージ族を殺すのはいつもの事なのだ。
だからオセージ族がどんなに不審死しても、誰も取り合わない。
州警察も動かない。FBIも動かない。
テイラー・シェリダン監督『ウインド・リバー』でも米辺境地でのネイティブ・アメリカン殺人事件を題材にしていたが、彼らを守る法はないのか…?
同じアメリカという国に住んでいながら、先住民というだけで差別偏見・疎外され、法も適用されない。
なら、アメリカの自由と正義と法は何処に…?
それは言わずもがな。“アメリカ白人”のみに。
オセージ族の数名がワシントンに招かれ、大統領に直接訴えた事から、やっと捜査が入る。
捜査官が調べ始めると、あっという間に事件の全貌や関与者が明らかに。
事件自体は拍子抜けするほど愚かで単純なものなのだ。
しかし、関与した者たちの欲、傲慢、悪事、愚行の数々が情けなく哀しく恐ろしい…。
先述の通り、アーネストがその凡例だ。
妻を愛している。子供たちを愛している。
でも、金や恵まれた今を手離したくない。
叔父を敬愛している。
叔父が怖い。
叔父の言いなりに…。
本人自身にも卑屈な面や闇の部分もあるが、客観的に見れば小悪党。いや、どうしようもないダメなクズ人間。
あの豪華客船の王子様が…。ショックを受けるファンもいるだろうが、寧ろ私は、レオの熱演にはいつもいつも絶対的信頼。風貌も凄みも、ジャック・ニコルソンのような怪優になってきた。
温情深い名士の腹の底は、底無し沼のような大悪党。金や利権、権力への貪欲さは人一倍。
この存在感を前に、レオも萎縮。『ケープ・フィアー』とは別口の、デ・ニーロ最恐も過言ではない。
だって誰しも、善人と思った人物の本性を知ったら…。
当初レオとプレモンズの役は逆だったらしいが、レオの希望で変更。結果的に良かったと思う。レオはクズ男をさすがの巧さで体現し、プレモンズは鋭さと柔らかさを併せ持った捜査官を好演。
特筆すべきは、モーリー役のリリー・グラッドストーン。彼女が真の主役と言ってもいい。
オセージ族として、良き妻として。
身近な者たちが殺され、精神に異常をきたしていく。
体調も悪化。その衰弱ぶりは見てて痛々しいほど。
夫を信じ、愛している。が、その夫は…。
終盤捜査官に保護され、病院にて療養。その時、事件の全貌や関与者の事を聞いた筈だ。
どう思っただろう。夫が関与している。自分の愛する者や親しい者に、夫は手を下したかもしれない…。
それでも彼女は夫を責めたりはしなかった。まだこの時点では夫を信頼していたのかもしれない。
が、夫は性懲りもなく嘘を付く。“インスリン”と。
モーリーが夫に落胆し、見限った瞬間。
私も何か胸の奥に、重いものがドーンと落ちた気がした。
ノンフィクション本となり映画になり、事件の顛末は知られている。
事件の真相は隠し通せるものじゃない。アーネストやウィリアムら関与者は逮捕。
そこでもウィリアムは悪あがきを続ける。弁護士も策略。私は今も尚この町の絶対的権力者だ。
アーネストは自分を裏切ったりしない。
アーネストが本当の事を言えば、無論叔父は罪に問われ、自分も含め手にした全てを失う事になる。
土壇場で証言撤回。やはりこの男は最後の最後まで…。
しかし彼がまた心変わりしたのは、悲しい報せ。どうしようもないクズ人間でも、家族を愛する男だったのだ。
それは嘘偽りない、彼の本心と全てだった。
それに気付くのが遅すぎた。
気付いた時、娘を亡くし、妻からの愛も失われていた…。
20世紀初頭、アメリカで起きた衝撃の事件。
それをある夫婦を軸にした事によって、哀れさ、悲しさ、愚かさを浮き彫りに。
本当に、何故こうなってしまったのか…?
欲に目が眩んだ罪深き者たち…。
ラストシーンがユニーク。
大抵事件のその後を黒画面にテロップで追記するが、“朗読劇”という形で。
モーリーの最期について触れる。それを朗読するのは、スコセッシ!
モーリーや犠牲になったオセージ族への追悼、白人たちが犯した愚罪の謝罪を、映画を通し、代弁も。
二度と、こんな悲劇と愚罪が起こらぬよう…。
スコセッシが問い、訴える。
ディカプリオが素晴らしかった。デ・ニーロも。一面的でない複層的な様...
ディカプリオが素晴らしかった。デ・ニーロも。一面的でない複層的な様相。冒頭とラストの俯瞰からのシーンも素晴らしい。しかしこの暴力の連鎖こそがスコセッシか。先住民に対する大虐殺。
正直、ちょっと長い…
話が動き始めるのに1時間くらいかかるので、最近のアクション映画を見慣れた感覚では、話が動くまで長いと感じられました。 その後も家族を大切に思いながらも、流されて悪事に手を染める主人公の様子が淡々と描かれます。(本当に全編同じ圧力で、誤解を招くかもしれませんが、最後の最後まで山場が無い。) ラストで愛する妻にまで嘘をついて、捨てられる主人公を下卑た笑いでデュカプリオが演じています。 鑑賞時には、前日から水分を控え体調を整えて臨んで下さい!
黒金
スコセッシ節とも言える映像カットインでの状況説明があまりに秀逸で、本当に3時間半も経ったのか不思議に思えるほど。
「真実」と「現実」はかくもこんなに違うものなのかと、結末まで含めてただただヒリヒリするばかり。
実話を基にすると、全員が普通の善人ではなくなるし、悪人にも人間味が出てきてしまうのはしょうがないが、誰にとってもスッキリしない終わり方だなと。
事実はやはり創作物よりも何倍も残酷だ。
公開前からのかなりの話題からの鑑賞を試みてみた処…。
久々にレオナルド・ディカプリオを観た様な気がした。
&私事の話で大変恐縮だが,何かしらで気が付いた事が有れば(何もここに記録する必要は無いだろう‼︎と突っ込まれそうだが、一方通行何で失礼致しま〜す🙏)記憶障害?を患(ワズラ)ってしまっちゃった私で有りまして、映画鑑賞を大変好む為,記憶の傍(カタワラ)の1つとして此処(ココ)に記録させて頂こうと思います。
話が滅茶苦茶ズレました。
(全くの知人でも何でも無い中なのは当たり前&勝手に呼び捨てにしちゃうが)ディカプリオは11/11で私と同い年になる事で親近感も沸(ワ)く訳でも無いが、昔から見てるだけにもっと若いと思ってはいたが…。
勝手に友達にしちゃうが、私にとってはインディアンという人種?って云(イ)う言い方はもしかしたら差別になるならば、此処(ココ)で撤回(テッカイ)して置きます。は,やっぱりインディアンは生活習慣とかで併(ア)わせるのは難しいモノなんですか?と…。 ロバート・デ・ニーロは口煩(ウルサ)く言いますか?と…。
話が一寸飛びました。 趣旨自体は非常に面白い!とは思えたが,いかんせん身近じゃない?インディアンとの生活習慣,価値観?には、一寸距離を感じてしまった為に1つの映画作品に入り込めなかったのが正直な処(トコロ)🤦。
全390件中、281~300件目を表示