劇場公開日 2023年10月20日

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「1920年代インディアンが豊かに暮らす社会で起きた実話をもとにした映画」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)

4.51920年代インディアンが豊かに暮らす社会で起きた実話をもとにした映画

2023年11月7日
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鑑賞方法:映画館

怖い

1920年代に起きた実話を元にした映画。
スーツを着こなしクルマを乗り回す裕福なインディアン達(オセージ族)の街が登場する。彼らの中には白人の運転手や白人の女の子をメイドとして雇っている者もいる。初めて見る不思議な社会が描かれる。この裕福なインディアンを食い物にしてやろうと白人の悪党どもが暗躍する。結局、この悪党どもはインディアンなど人とも思っていないので、彼らの財産を奪うため、平気で騙し、ぼったくり、悪法を成立させ、そして次々とインディアンを殺していく。主役のディカプリオのダメ男(小悪党)っぷりは憎たらしいのだが、インディアンの妻を愛していたり、何せ主役だから感情移入して憎みきることはできない(ディカプリオの上手さなんだろうな)。ディカプリオを利用し、慈善事業などでインディアンの心を掴んでいるロバート・デ・ニーロの悪党っぷりはひどい(悪事を働くことになんの躊躇いもない)。
なぜこんな社会が成立したのか、そしてどのようにして彼らの財産を白人達は掠め取っていったのか、またアメリカ社会はどう動いたのか、興味深いのでこの映像で是非確認してください。
スコセッシらしい視点からのストーリー展開である。3時間半にわたる長い映画だが、ひとつも飽きさせることのない素晴らしい作品である。

ゆみあり