「スコセッシの話芸を堪能できます」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
スコセッシの話芸を堪能できます
200分越えか!と怯んではいたものの、そこはやはりスコセッシなのでまったく長くは感じない。クロニクルはお家芸みたいなところもあるし、語り口もフラッシュバック、フラッシュフォワード混ぜ込んだりするので飽きが来ず、特にロビーロバートソンの音楽が、このオクラホマ舞台の映画には本当にあっていてセットアップの1時間が過ぎると完全に身を委ねられる。年間に数本程度でいいのでこのクラスの映画がかかってて欲しい、と思うけれど、それらは配信ドラマの会社が作っているのが複雑ではある。
まあデニーロ&デカプリオということもあり、そこに新鮮なところはないけれど、インディアン系の俳優が新鮮味ある中で、この地域と部族の栄枯盛衰、謀略と裏切りの中でリリーグラッドストーンの佇まいが素晴らしい。歴史の暗部というと、「ソルジャーブルー」みたいなトラウマ感のあるものに比べるものよりは得意な感じがしないのが物足りない感じはあるが、ラストの「その後」を伝えるラジオドラマショーのところがとても気が利いてる、かと思ったら監督が自ら登場して現代に繋ぐところで気分があがった。
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