「フラワームーンに招かれざる者」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 機動戦士・チャングムさんの映画レビュー(感想・評価)
フラワームーンに招かれざる者
フロンティアスピリッツが原動力のアメリカ。そこに石油がある限り、何でもやります。国外の出来事は「アルゴ」を観るとして、国内は本作ですね。
慈悲深い笑みを浮かべて、邪魔者は始末させる大悪党のいる町。王には逆らえない、でもそれ以上に、自分の欲に逆らえない小悪党。している事は、どちらも一緒ですが、小悪党に気持ちがなびくのは、きっと私も小悪党だからでしょうね。
私は家族を愛している…。あれは、言い逃れでしょうか?。それとも、本心でしょうか?。その両方だった気もしますが、私としては、キングの家臣であり続けるよりも、勇気を出して、家族を愛する小悪党になってほしいと思いたいわけです。お金を愛する悪党と、ボスには逆らえないけど、家族を愛する悪党。どちらと暮らしますか?…って、どちらも嫌ですけどね!。
もちろん、悪党には悪党の酬いがありますが、目先の欲に溺れるくせに、家族を愛する、その浅ましくもあり、健気でもある姿こそ、スコセッシ御大が描きたかったものか、と…。そういう意味では「タクシードライバー」より、ストレートな映画ですかね。デ・ニーロ兄貴は、相変わらず屈折してますけど。
「ゼア ウィル ビィ ブラッド」
欲望の赴くままに、地球の裏側まで掘り抜きそうなヤバい石油王の一代記。「ギャング オブ ニューヨーク」でも、かなり危なかった、ダニエル・ルイスが、さらに危険!。本作と併せご覧下さい。
「J.エドガー」
「キラーズ オブ…」の連続不審死事件。実際には分かっているだけで、60人近い不審死が起きたとか。オイルマネーに吸い寄せられたヒトの欲望が、歪んだフロンティアを作り出したみたい。
この捜査に、FBIが関与していたようですが、そのFBIの創始者であり、初代長官だったエドガー・フーバー。さも正義感溢れる好漢と思いきや…。変態ディカプリオに、優しく包まれて下さい。これまた、要チェックです。