「善人の皮を被った悪党デニーロとゴミクズプリオ」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン お主ナトゥはご存じか2世さんの映画レビュー(感想・評価)
善人の皮を被った悪党デニーロとゴミクズプリオ
206分!
長尺で激しい場面がある訳でも無いのに飽きもしないで画面に釘付けのまま最後まで鑑賞できました。
プリオは最初FBIの役でこの物語もFBIの捜査するのがメインで考えられていたらしいんですが
プリオがそれはダメだ!バカな使いっ走りの役がいいって言って自分でそれを選んでクズのダメプリオをメインにしたっていうのがマジで凄いです。
プリオのクズだけど性格も極悪では無くデニーロオジサンの言うことはちゃんと服従するという自分の意見や主張すら無い絶妙な立ち位置の役でキャラが全面に出るわけでも無く存在感を極力消すような感じで中途半端な役を完璧に演じているのが本当に凄すぎてアカデミー賞ノミネートレベルの演技でした!
デニーロも私はインディアンの為には一生懸命頑張りますって雰囲気を出しつつ威圧感出したりせず普通に会話してるだけなのに笑顔の裏側の恐ろしさと分かりやすい悪党では無い悪党を見事に演じていてめちゃくちゃ凄かったですね!
あとモーリー役の人も感情的にならない抑えた演技も良かったし警察も静かに質問していく感じが良かったですよ、こういう作品なのに銃撃戦やら怒りながらの対峙とか全く無くて超長い映画なのに飽きないのが驚異的だなあと思いますね!
映画を見終わった時に痛快感も無ければ無茶苦茶イヤーな気分にもならなくて感情がなんとも言えない感じですが自分は嫌いじゃないですよ、こういう訳わからん気分で帰るのは!
しかしインディアン大量殺人もよそから来た警察が居なければ絶対に解決してなかっただろうし恐ろしい事ですよねー
あと地味に最後の法廷でブレンダンブレイザーとジョンリスゴー出ていてビックリしました!
あとプリオって直接手を下している訳ではないんだけどデニーロの使いっ走りで色々動いてるし結局加担してるんだよなあ、インシュリンの中に毒とかちゃんと入れてるしそれを理解した上でモーリーを愛していて変な板挟みで苦しんでるのがめちゃくちゃ伝わってきました!
この作品プリオ目的でスコセッシが監督とかよく知らないで見に行ったとしたらプリオが大活躍すると思い込んで見たとしたらただのクズだし映画自体が穏やかな波で淡々と200分続くからめちゃくちゃつまらないって感想の人もいるでしょうね!
あとプリオもトムクルーズみたいないつもスーパーヒーローばかりやる訳でも無くブラピみたいに絶妙な役の設定を見事に演じるのが凄いわ、前回の作品とか太って気の弱い不安障害持ってる科学者とかやってますからね〜
しかし映画館で観るエンタメ娯楽大作も良いけどこういう作品を劇場でじっくり堪能するのも最高だなあってつくづくおもいましたね。
最後のプリオと嫁の会話で嫁が確信に触れた時の呆れ顔とプリオの絶妙な表情が最高だったなあ〜
この作品は場の設定と雰囲気と演技力を味わい尽くす作品なので
たまーにしか劇場に行かない人には合わない可能性高いので要注意です!
逆に初めてスコセッシ作品見たけど面白かったって人はタクシードライバーから順番に全部観るとか最高ですよ、スコセッシもまあまあのおじいちゃんだからまだまだ沢山作品撮って欲しいとつくづくおもうしアカデミーのノミネートも期待できますねこれは!
モーリー役の人、よかったですね。
私は同じテーマの「ウインドリバー」の方が(作品の長さもあり)よかったですが、このレビューを読んだら、もう一回見てみようかな、という気になりました。(「首」も同様です)
FBIが出てくるまでは不安しかなかったです。事件がろくに捜査もされないし、オセージ族の命がいかに軽んじられてたか。アメリカの黒歴史をスコセッシ監督は見事に描きましたね。
共感ありがとうございます。
デ・ニーロお手の物、ドンコルレオーネ本性演技。歯並びと育ち悪いぞディカプリオ。それに比べて半ば諦めたような静かなグラッドストーンの眼差し、観る側も正気に戻される感じでしたね。