「中身は何だったのか」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 二度寝さんの映画レビュー(感想・評価)
中身は何だったのか
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モリーの問いへの正解は何だったのだろう。
違う。正解とかじゃない。
アーネストは知っていて苦渋の嘘を絞り出したのか。
それとも少し足りないアーネストは徹頭徹尾そこについては疑わなかったのか。
妻への愛情と叔父への畏怖の狭間で流され続けたアーネストは、その可能性が頭を掠めながらも、都合のいいように自分を騙して信じ込ませていたのか。
その魔法が解ける逡巡が返答までの間に繋がっているのか。
追加の薬を半分自分で平らげたのは、薄々気づいての半自殺行為だったのか。
もしくは何もかも知っていたから確信的に呷ったのか。
あるいは掠めていた疑いがあそこで確信に変わったのか。
丁寧に物語を積み上げながらも複層的な解釈の余地を残すことで、206分を反芻しながら帰途につくことになる。繰り返して観たい気もするが、覚悟の要る長さではある。
そりゃこんなのと比べれば、ありゃテーマパークだよなあと。
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