「犠牲になったオーセージ族への鎮魂歌」キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン bionさんの映画レビュー(感想・評価)
犠牲になったオーセージ族への鎮魂歌
果たしてアーネストは、どちらの道に向かうのか?
事前情報なしで鑑賞した自分にとっては、最後まで何かに祈りたくなる気分だった。
酷い話だよね。オーセージ族を保留地という名目で強制移住させておいて、石油が採れるとわかると、狡猾で獰猛な白人が、ハイエナのように群がってきてオーセージ族の富を簒奪しようとする。
驚くのは、オーセージ族が自分の財産を自由に使えないこと。無知で野蛮なインディアンは、白人様が管理してやらないと浪費して破産してしまう。そんな理由で、お金を使うにも財産管理人の白人の許可が必要となっている。
ロバート・デ・ニーロは、キングと呼ばれるオーセージ族が住む街の白人顔役を演じる。オーセージ族の最大の友人のフリをして、裏では甥っ子2人を使いながら根こそぎ財産を奪う計画を練っている。
キングことウィリアム・ヘイルは、根っからの極悪人だが、その周辺にも小悪党がたむろしていて、オーセージ族は常に危険にさらされている。当時の白人の感覚では、インディアンには白人の3割くらいの人権で十分。そんな雰囲気を感じる。
悪名高いフーヴァーに率いられる連邦捜査局が出てきたのには驚いたが、この時代は正義のために力を尽くしていたであろうか。
実際のアーネストがどういう人物であったかは定かでないが、レオナルド・ディカプリオが演じるアーネストは、善人の心を失っていなかったと信じたい。
犠牲になったオーセージ族を鎮魂するには、3時間26分の時間が必要だったのだろう。時間は全く気にならなかった。
鎮魂の映画、地獄の黙示録のような映画でしたね〜(T . T)
本当辛いけど最高でした!
これもアカデミー賞あげてほしいですね!賛否両論あるでしょうが
作らなければいけない映画でしたね〜
共感ありがとうございます。
私は、アーネストはそれまでの常識と、家族の間で何が正しいか解らなくなっていたのだと思いました。だから薬の事にあやふやな答えを返してしまったんだと、毒かも?と思いながらも言われるまま注射し続けたんだと。
こんばんは。コメントありがとうございます。レオさんの小物感が効いていました。お尻ペンペンは笑ってはいけないを思い出してしまいましたw デ・ニーロ、本気だったと思います。レオさんの痛がり方が本物っぽかったですw
本作はオーセージ族への鎮魂と贖罪だったと私も思います。
コメントありがとうございます。私もこの上映時間は必要な長さだったと思います。ホワイト捜査官登場までの長さでオセージ族の受難とヘイルの秘めた冷酷さを見せられて、私はオセージ族の絶望感(映画で感じ取れるのはほんの少しなのでしょうが)にじかに触れた気がしました。