オオカミの家のレビュー・感想・評価
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アートパフォーマンス
映画にストーリー(整合性やテーマやキャラ性)を求めちゃう私には、アートすぎるって感じで、ちととっつきにくかった。
油絵や立体芸術品を作成していく過程ごと見せるようなフィルムで、アートのライブパフォーマンス記録ってとこ。
”もしもカルト教団が子供向けプロパガンダアニメを作ったら…”
というアイデアなので、ストーリーそのものはシンプルですけども。
「豚を食わずに保護すれば人が飢える。人が飢えれば人同士で殺し合い食い合う。甘い言葉の裏に隠しごとがあるように聞こえたオオカミは、実は優しくて真理を言っているのでは……?」
とまぁ、ざっとこんな趣旨なんですがとにかく、不条理で意味のわかりにくいシーンばかりでして。
この「不快さの連続」の印象はむしろ、『MAD GOD』あたりが近いような気もしました。
デヴィッド・リンチな世界観
怪物だ~れだ?
暗く薄気味悪い
生きている人間が一番怖い
尊厳のコロニー
1960年代ドイツからチリに渡ったナチスの残党に
よって創られた、カルト教団をモチーフに。
色々な角度から芸術性と化した、ストップモーションアニメ。
独裁者に支配され、知らない世界に入り閉じ込められ洗脳されたマリア、ペドロ、アナはいづれも
加害者となってしまう。誰もがオオカミに変貌
してしまう狂気と絶望の話し。
静かな無言の劇場に、凄まじい労力のある表現力。かなり、斬新な映画の芸術。
見終わった後、外に出ても色々シーンが脳内を
駆け巡る。
恐ろしい、いや畏るべしストップモーションの世界。
恐いもの観たさで劇場にどうぞ。
悪い夢でも見てるような
至ってシンプルなお話を、唯一無二の異様なセンスで見せ切る珍品。
想像を大きく上回る異常な映像表現に耽溺し、翻弄される。
おそらくこのような映像体験は後にも先にもないだろう。
たいへん珍しいものを観せてもらった。
この監督(コンビ?)が実写映画を撮ったらどんなものが出来上がるのだろう?
是非、観てみたい。
惜しむらくは、終始一本調子なので中盤あたりで退屈を誘ってしまうところ。
もうちょっと緩急というか呼吸というか強弱というかメリハリをつけて欲しかった。
同時上映の短編「骨」も異様な魅力。
悪趣味で不謹慎でけしからんことこの上ない(誉めてます)
ところでこの「オオカミの家」
平日の昼間にもかかわらず、やけに客入りが良いですね。
映画ファンの嗅覚?
マリアも大概(笑)
このサイトで知り、前情報無しでの鑑賞。
アーミッシュのようなコミニティの息苦しさから逃げ出したマリアが、ブタ(ヒト?)と暮らすが反逆され、元のコミニティに戻ってめでたしめでたし?
他のレビューから知りましたが、昔チリにナチスの残党のコミニティが実際あってそれが元ネタらしいですね。(日本でも昔の田舎の排他的な村落みたいなもんか。)
しかし、独特の表現で不気味さマックス!好みな作風ではあるのですが、アート系作品にある分かりづらさとその独特の表現を延々やり続ける為、途中冗長で中弛み(アート系あるある(笑))1時間弱でも長く感じました。
同時上映の「骨」くらいの短編に+10分程度で、丁度いい感じだと思います。
結局、表現を見せたいのか、内容を語りたいのかどっちなんだ?っていう部分を抽象的にするアート系あるあるな作品です。
悪夢
マ リ〜ヤァ〜
「チリ映画お試し」みたいな位置付けなので、上映館がかなり少ない。
回数も少ないにも関わらず満席に近い状態だったのは、あの予告編のものすごいインパクトのせいだろうか。
カルト教団が制作するキャンペーンビデオのようなものなので、ストーリーは決してホラー映画ではないが、映像のグロさが不気味感を出している。
(個人的にはこの雰囲気は好き)
高熱が出たときに見る夢みたいな(笑)
「JUNKHEAD」「マッドゴッド」に通ずるものあり。
またひとつ南米チリに新星が誕生した。
こういう感性を持つ人材を大切にしたい。
堀監督やティペット監督はどう見るだろうか?
感想が聞きたい。
惜しむらくは中盤中だるみで眠くなるところか(;^ω^)
秘密の家
仕事をせず動物と遊んでばかりでコロニア・ディグニダから追いやられた女性の話。
2匹の子ブタと共にコロニア・ディグニダの外に出たマリアが、オオカミの声に怯え助けを求める中で、空き家を見つけブタと共に暮らしていくストーリー。
絵と立体物の混合で人物や情景を描いているが、シーンによって造形がえらく変わり、それはその都度の機微によるものなのかあまり意味がないのか良く判らないし、述べていることも抽象的な上に焦点がどこにあるのかわからなかったり…特定の宗教を否定しつつ、信仰だったり優良人種がどうのとか言っているのかと思ったらまさかのオチで、これは皮肉と取るべきか、偏向思想と取るべきか…色々解釈できてしまい、それによってエラい意味合いが変わってしまう印象。
コロニア・ディグニダだからってところを自分が考え過ぎなのか…?
表現手法がテーマを喰ってしまっている
本編は取ってつけたかのようなコミュニティへの賛辞から始まる。ストーリーは、コミュニティに息苦しさを感じた主人公がここから脱退し、自分の理想のコミュニティを作ろうとするが、うまく運営できず反逆に逢い、元のコミュニティに戻るといった内容。
本作は実在したコミュニティ「コロニア・ディグニダ」から着想を得て作成されたと説明されている。コロニア・ディグニダについて調べてみると、管理や風習に大きな問題があったことが分かり、ここから本作のテーマはコミュニティ運営の難しさであると思われる。
しかし、表現方法が展開や登場人物の心理描写を難解なものにしているため、テーマが伝わりづらく、不気味さを売りにしたホラーアニメ映画としてしか見做されかねない作品になっている。
表現手法は非常に斬新で面白みがあるものの、個人的には本作のテーマを描くにはあまり向いていないと感じた。同時上映の「骨」はこの表現手法にマッチしており、短いながらも見応えがある作品だった。
目が離せなくて乾く。
こんなアートなアニメ初めて観た!!
実写とアニメを一緒に使うのはディズニーで観たことあるけど、これは実寸大のセットで等身大の人形を使い、アニメと立体人形が同じ空間でどちらにもなり、背景も登場人物も目まぐるしく自在に入れ替わっていく。
お話も独創的で寓話的。
世界観も表現方法もこれまでになく新しいのだけど、アフタートークを聞いて、色々まんまと騙されていたことに気づいた箇所も。笑
とにかく画面から目が離せないので、めっちゃ目が乾いたよ。
そしてマリーアァ、の声がやっぱり怖い。。
大音量であの迫り来る音を是非聴いてほしい。
以下、アフタートークからの学びです。
皆さんはナチスの残党がチリに逃げてコミューンを作って生活していたことをご存知でしょうか。
私は恥ずかしながら知らなかったのです。そして、この物語にはそのコミューンから逃げてきた子どもだということを念頭に置いてみると怖さが増すので、是非「コロニア・ディグニダ」を先に軽くおさえてから観ていただくことをお勧めします。
立体ストップモーションアニメ
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