「予習必須の映画」オオカミの家 かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
予習必須の映画
クリックして本文を読む
予備知識なしにみたらワケがわからないが、「コロニア・ディグニダ」事件をアタマに入れてみると、そのものズバリ。
ナチスの残党がチリに逃げて作られたコミュニティー、独裁者パウル・シェーファーの支配のもと、洗脳、強制労働、密輸、拷問、殺人、性的虐待、児童虐待などが行われていたカルト教団、「コロニア・ディグニダ」。
ここから逃亡した子どもたちの証言で、この集団の内情が明るみに出たらしい。
「世間から誤解されやすいドイツ人コミュニティー」の美しい教えに反発して逃亡した怠け者でわがままな少女マリア。
3匹の子豚(子供)に逃げられた(手を貸した?)ことで「お仕置き」されて自らも逃亡を図り、潜伏する隠れ家を探してそこに隠れていた子供二人と合流、ちょっとの間幸せ気分で暮らしていたが、浅はかな彼らは食糧不足で内輪もめして、食われそうになったマリアは結局、偉大で心が広い「オオカミ」パウルに助けを求めてコミュニティーに戻り、戻った彼女はその後、反省して従順で積極的なコミュニティー協力者になるという、コミュニティーの寓話風「プロバガンダ映画」の体。
不穏でおどろおどろしい画は、プロバガンダ側が作ったマリアの心象風景、(当然彼らの精神的異常性ダダ漏れ)と解釈していたら寝落ちしないで済んだかもしれません。
コメントする