「本当にどうかしている映像しか出てこない!」オオカミの家 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
本当にどうかしている映像しか出てこない!
噂に違わぬ異様なビジュアルが全編を彩る悪夢絵巻。一瞬映る鉤十字の意味とか、多少なりとも背景を知っているとより理解が深まると思うが、あくまでも背景であって元ネタになった宗教コミューンの話より普遍的なテーマを描いてはいるので、走り続ける映像を浴びるように摂取して、そこはかとなくテーマ性を感じ取ることができればいいような気もする。そもそも濃密すぎる映像からなにかを読み取ろうと必死になっても、見つかるのがポケモンとベジータのシールだったりするんで、あまり深刻に理屈を追い求めることはないのではないか。まあ、理屈で考えようにも映像の強さに引きずり回されて、ろくに論理的思考なんて働かないんですけども。大勢の観客と一緒に巨大スクリーンで唖然とさせられる体験を提供してくれた川崎チネチッタにも感謝。
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