哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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異形ともとれるアートな世界観
ヨルゴス・ランティモス、というギリシャ人の映画監督を聞いたことあるでしょうか?名前だけは知っている。作品を観たことはないが、断片的な情報から奇抜でシュールで毒のある世界観を生み出す監督だそうで、以前から興味はあった。そして今回、本作を拝む機会ができた。
ストーリーから奇抜。お腹に子を宿したまま身投げした女性の体を天才外科医が見つけ、女性の脳を取り出し、胎児の脳を移植。生まれ変わったその子(本作の主人公:ベラ)を実験体にし、観察して成長過程を記録する中で、ベラは世界を見て回りたくなる・・・というお話。
もう奇想天外である。
それをのっけから白黒のシュール感を付け足して見せつける。序盤は白黒なのはまだ外界に出てないからか、街を飛び出してからカラーに。しかしいきなり濡れ場からカラーになるからビックリ。またベラの体は大人でも脳はまだ子供なだけに無垢で無知。だから次何をやらかすか少しヒヤヒヤしながら見てしまう。それがシュールにも見える世界観と相まってドキドキしながら見てしまう。
この変わった世界観、いままで観たことがない・・・!
変わった世界観と言えば大昔の映画「カリガリ博士(1920)」を思い出す。全てを歪な形にしたシュールな世界観。またシュールと言うか、奇想天外な映像を作る監督とすればティム・バートンかデヴィッド・リンチか、はたまたウェス・アンダーソンか?しかしいずれにも属さない。背景から船から人の顔からどれ一つとっても“普通”ではない。“異形”ともとれるその姿形、
自分は美術館にある「アート(Art)」と感じてしまった。
いうなれば“まだ少しわかるピカソの絵画をみるような”感覚か。それが、自分が思うこの映画の世界観。しかし、居心地は良い。汁が溢れまくる、ジューシーな果物を食べるような感覚。だから胃もたれなく観ていける。ヒヤヒヤ感はずっと続くが。
だがストーリー自体も確かに面白い。女性が自立していく姿を映画いているが、成長ではなく、“女性が男性と同じ立場に立つためには”と言う視点で描かれているように思う。だから大人の女性を最初は無知で描き、女性の自立の方法を、自分を使った実験として模索していくような哲学的視点で描いたように思うのです。しかし、こんな描き方、ヨルゴス・ランティモス監督でなければできなかったのではないか?けっこう濡れ場多いぞ?それをアートに昇華できる監督でなければこれは無理やろー?そこはギリシャ人ならではの感性なのか?今後気にしていきたい監督としてメモしておこう・・・。
奇抜なストーリー、シュールで異形とも思える世界観、ヒヤヒヤしながらも、果汁溢れるジューシーな映画。R-18指定だが、観れるなら観ておいて損はない。逆に面白い発見ができる映画ではないかと思います
グロはピュアのエスプリ
終わって映画館を出たら世界が変わって見えました
しばらくベラが私に残ったまま過ごすことになりそう
私だけじゃなく、みんなもベラかもと思うと
ふるえるわ
純然たる者のパワーと怖さ。グッと惹きつけられるファーストショットか...
純然たる者のパワーと怖さ。グッと惹きつけられるファーストショットから、不安定なまま流れていくストーリー。この作品にのめり込んで行く自分と拒否反応を示す自分。少し長いかなと感じる部分もあったが、十二分に楽しめた。
シュールで美しく、喜怒哀楽の詰まった作品
ベラが様々な経験をしていくにつれて生きる上で大切なことに気づいていきます。作品の世界観や映像は斬新でシュールなのに、重みのあるセリフや普遍的なメッセージが物語の節々に織り込まれていてとても意味ある140分でした。
ベラは美しくチャーミングで溢れ出す好奇心を持った女性で、エマ・ストーンの演技は本当に圧巻でした。物語が進むにつれて変わっていくベラの表情や行動はとても見応えがありました。
ミッドサマーのような映画体験
良い意味でも悪い意味でも映画を体験したなといった感じ。この感じなんだろうと思ったらミッドサマーの見た後に似ているなと。
音楽も気持ち悪いし色々気持ち悪いし。
本当に18禁でした。
作品賞候補は要注意だね。いろんな意味で😭
映画館のモニターで予告編は何度も見て興味をもった。しかもあまり無い先行上映、レビュー評価も高い。芸術性が高いかもしれないが、多くの人を惹きつける何かがあるに違いない。
映画の冒頭から不協和音。モノクロ。過去か夢の中を表現しているのか?でもさっぱり分からない。そして、グロ、グロ、ゲロ、グロ。すごく不愉快。
後半は、エロ、エロ、グロ、エロ。どうしてここまでやる必要があるのか。強い嫌悪感を抱く。
映画の時代の装飾や衣装も好みではない。映像も全く色彩美 映像美と感じない。
好まない✖️好まない。見た後、不快な思い以外何も残らなかった。
レビュー評価は高評価も低評価も同様にあるのならわかるが、高評価が圧倒的に多い。点数だけでなく、内容を読んでいれば良かった。この作品はネタバレでしっかり把握して見た方が良かった。でももう2回目を(無料でも)見る気にはならないけどね。
絵画の如き美しい映像の下、繰り広げられる衝撃のストーリー
最近時間に追われ、映画を観る機会に恵まれず、やっと行けるよ!なんて喜び勇んだワタシにはなかなかの問題作でした。
主人公ベラを演じるエマ・ストーンのビー玉みたいな眼、それが成長を重ねるごとに無機質なものからドンドン意思が漲って行く様は圧巻でした!
そして過去か未来かわからないけど見事な美しさを描き出す空の色!
そうやってレビューを書くと素晴らしいファンタジーみたいだけれど、結構グロいシーンや裸体もてんこ盛りで混乱させられ放題だったりもする。
だけど人間って最初は身体の感覚から目覚めて行くのでしょうね。
一人の人間が成長していくさまをシニカルな実験映像を通じて見せられているような感覚に陥りました。
近年観た作品の中でもインパクトは大きい方でした。
エマ・ストーンさん
なんか本人じゃないような感じでした。
自分の子供の脳みそを移植して組成したから、その演技で表情変えてたんですかね。
エマ・ストーンファンとしては、少し残念なストーリー。
将軍の羊は、うけました。
いいドクターチームでしたね。
いろいろと考えさせられました
まず、過去なのか、未来なのかわからないような世界観の映像がきれい。衣装も素晴らしい。観せる映画としての完成度は高いと思います。内容については、いろいろと考えさせられました。人が産まれてすぐ、大人の身体になると、こうなるのか・・・、そうなる前に、しっかりと教育して、生きていく為に必要な最低限の知識を得たり、知性を磨くことって、やっぱり大事なのね。だから、教育が大事なわけだ・・・と思ったり、でも、そういう教育をしないと、成り立たない人間社会って面倒かも・・・と思ったり、それでも、現実は完璧じゃないよね・・・と思ったり、主人公が女性だから、騙されたり、そそのかされたり、ヒドイことも経験しながら、そこから学んで行けたんだと思うけど、男性だったら、学ぶ前に終わってるかも・・・と思ったり、延々と続く全然エロさを感じないエッチなシーンを見ながら、いろいろと考えてしまいました。その手のシーンは、必要だったのかもしれませんが、もうちょっと、サクッと終わらせてくれても良かったと思います。話自体が、やってはいけないことだらけなんだけど、最後は、そうなるのね・・・という納得感のある終わり方でした。ただし、いくら最低の奴への復讐とはいえ、将軍への罰ゲームだけは、それまでの経験から学んだことも活かされている気がしないし、言っていること以上に残酷で、絶対にしてはいけないダメなことと思います。
実に興味深い作品でした!
タイトルの「哀れなるものたち」の意味についての解釈は、観る人によって全く違うものが出てくると思われます。なぜなら私たち一人一人が小宇宙を持っているからです。その一人一人の小宇宙の中で、かなり抽象的なこの映画の展開が、それぞれの心のヒダを打つと思います。ですからこの映画を観たということで、「哀れなるものたち」は誰?の正解となる論評は存在しない気がします。私はただただ興味深くヒロインの成長と、不思議な幸せを最後に獲得するシーンに魅せられました。また、この作品の途中で、コントあるいはギャグの様な映画に見えてくるから不思議です。劇場内ではほとんどの人は笑っていませんでしたが、私は結構笑えたので面白い体験をしました。抽象度を高めて俯瞰してこの作品を観ると、「人間は人生を学ぶために体験する生き物」であるということを表しているような気がしました。物語の中では自殺したヒロインが亡くなり、お腹の中にいた子供の脳を移植した女性として、さまざまなことを体験します。それは主に性に関する出来事を通して成長していきますからものすごくエロく見えますが、ある意味突出していますがあまり違和感がありません。何度も性的シーンは繰り返されますが、私はむしろありふれた日常の様に見えました。そして男性たちに支配される環境を打破していく姿は神々しいのです。いずれにしてもこの作品は、性の問題、男性社会の支配、人生の学びとはを教えてくれる稀有な作品と言えるかもしれません。
追記 背景映像の美しさは見事でした。センスの良さが滲み出ていました。
評価が難しい作品
観る前に作品を想像・予想しない方がよいのは確かだと思う。
深いようで浅いストーリーと時代設定がよくわからない映像と衣装、そしてエマが目的で観た訳ではない私でも、色気を感じないベットシーンは観るに耐えがたいにも関わらず、そればっかりと思っていたら、いきなり心理的な成長をする・・・
ストーリーも雑だが、何といってもBGMと効果音・エンディング音楽までもが不快な音で構成されている。映像が美しくても音楽で台無しになるお手本だ。
私には評価できない作品だが、皆さんはいかがでしょうか?
この数年で最高の作品でした
冒頭からエンディングがガープの世界のように思えました。赤ちゃんから大人への成長がエマストーンの演技力で完全に完成されてました。
こんなクオリティで演技ができる女優は残念ながら今の日本では居ませんね。
今は亡き女優〜北林谷栄なら対抗できる演技力がありましたが〜
映画というジャンルでこのような挑戦ができるのは素晴らしいです。
ベラin ワンダーランド
女性への束縛や貞淑に対するアンチテーゼをランティモス監督が奇抜でファンタジー風に描いた世界観が印象的。
脳が胎児で大人に成長する過程をエマ・ストーンがまさに体を張って熱演!
R18ではあったけど、まさか無修正とは…
熱烈ジャンプって表現は好き笑
美術や衣装デザインもアカデミー賞ノミネートだけあって独創的かつ魅力的で素晴らしかった✨
鑑賞直後はいったい何を見せられたんだという気持ちになったけど、じわじわ各シーンの意味や良さに気付いてくるような不思議な気持ちに
シュールで残酷で美しい映画
「フランケンシュタイン」や「マイ・フェア・レディ」のようなドラマかと思いきや、かなり毒を持った風刺劇で一筋縄ではいかない作品となっている。
グロテスクな表現やR18のレーティングが設定されているので、観る人によっては好き嫌いがはっきり分かれる作品かもしれない。
ただ、過激とも思える表現はともかく、テーマは女性の自律という、いたって真面目なものである。奇しくも昨年公開された「バービー」もそうだったが、昨今のフェミニズムの潮流を意識させられる部分もあった。
既存の価値観や因習に捕らわれて生きる女性が自己実現を獲得していくドラマは、誰が見ても共感を得られるのではないだろうか。
あるいは、もっと大げさに捉えるならば、これは神に対する人類の反逆のドラマとも取れる。これは「フランケンシュタイン」の物語にも繋がる部分なのだが、例えばゴドゥインの呼び名が”ゴッド”であること。彼がベラという人造人間を創り上げたということ。これらは旧約聖書における創世記の物語、神がアダムとイブを造った話に重ねて見ることも出来る。
ただ、そう考えるとベラの最後の行動には驚かされてしまうが…。つまるところ、彼女が二代目”ゴッド”襲名と捉えるならば、それはそれで大変恐ろしいことなのかもしれない。
製作、監督はヨルゴス・ランティモス。彼の作品は「ロブスター」を観ただけなのだが、その時には随分と風変わりな映画を撮る監督だな…という印象だった。今回もその印象は変わらない。
一見すると19世紀のヨーロッパのような時代背景なのだが、色鮮やかで先鋭的なファッションや実験で生み出されたキメラ風の動物がこの世のものとは思えぬ不思議なテイストをもたらしている。一種のファンタジーのような世界観が広がっていて、終始飽きさせない。
脇役を含め、登場人物は皆クセが強く、まるで漫画のキャラようにデフォルメされている。
映像も独特である。魚眼レンズの多用や、画面の周囲を微妙にボカした特殊な撮影が行われており、全編ラディカルな画の連続である。
また、映画序盤はモノクロだが、ベラが外に出るあたりから画面はカラーに切り替わる。おそらくベラから見た世界を色鮮やかに表しているのであろうが、驚くべきはほとんどが屋内セットで撮影されたという点である。このあたりのプロダクションデザインの仕事ぶりには感嘆してしまった。
ちなみに、今回はかなりカッチリと作り込まれた映像で、この緻密さはウェス・アンダーソンの作風も連想された。ただ、ウェスが作り出す映像よりブラックでダークなテイストがこの人の作家性なのかもしれない。より近いと感じたのはジュネ&キャロやテリー・ギリアムであろうか。
いずれにせよ、本作のユニークな映像の数々には驚かされっぱなしであった。グロテスクなシーンもあるにはあるが、そこも含めて繊細に作り込まれた映像は絵画のように美しく、思わず見惚れてしまう場面が幾つもあった。
キャスト陣では、ベラを演じたエマ・ストーンの妙演が見事である。彼女は製作にも名を連ね、これまでに見たこともないような体当たりの演技に挑戦している。また、中盤のダンスシーンも印象に残った。「ラ・ラ・ランド」の時とは全く異なるフリーダムな創作ダンスに笑ってしまった。
弁護士役を演じたマーク・ラファロも良い味を出していた。伊達男気取りでエマを誘惑するも、奔放な彼女に振り回されてしまうという情けない役所である。雪が降り積もるパリで空腹と孤独に耐えかねてベソをかく姿が実に滑稽だった。
もう一つ、本作は音楽も非常に斬新だった。ユニークな映像に全然負けておらず、大変奇妙な味わいをもたらしている。
笑う、寝る、唸る。
いやーこんな映画観たことない。
その一点だけでも、いかにこの
作品がすごいか、わかる。
’
胎児の脳を移植したため、
幼女の感性と大人の肉体を
持った女性ベラが主人公。
まずこの設定についていけるか、
乗れるかが、本作の最初の分岐点。
ツッコミどころ満載だからね。
’
心は幼女だから、まずいものを
食べたら吐き出す。
覚えたてのセックスに味をしめ、
どこでもしたくなったら始める。
このやりたい放題に僕は大笑い。
基本コメディーだと思うけど、
客席は案外静かだった。
これで笑えるか、どうか、これが
第二の分岐点。
’
映像は見事のひとこと。
耽美派の画家、ラファエル、
フレデレック・レイトンらを
思わるようなビジュアルの数々は、
この監督の美意識がいかに高いかを
伺わせる。
’
映画の前に熱燗を二合飲んだこともあり、
ストーリーの中だるみもあり、途中寝たので
偉そうなことはいえないが、テーマは人間、
好きなことして何が悪いと、いい意味での
「悦楽主義」と人生よりも美、官能を第一とする
「芸術至上主義」を監督は称賛していると思った。
とにかく自分の好きな世界をこれでもかとぶつけ、
類まれなるセンスで魅せている。
’
もちろん、文字通り身も心も賭して挑んだ
主役エマ・ストーンは、120%の演技力で見事。
’
いずれにしろ、ダークファンタジーコメディーとして
突出の1本だろう。
いまどきR18というのも潔いね。
’
思ってたのと違ってたけど。
なんか最近予告以上の作品がなかったので、ある意味映画の楽しみを味わえました。
エブエブの時は「思ってたのと違う!」という感想しかなかったけど、今回は世界観には入れました。
前評判のとおりエマストーン、強かった。良かった。お気に入りのラファロも弾けててそれだけでも高評価です。
鶏犬
ヨルゴスランティモス の新作ですよっていうことで、体調悪いのをおして映画館へGO💨
女性版フランケンシュタインをエマストーン が熱演!
それをつくった医師役のウィリアムデフォー もさすがの好演なのだが、個人的にはマークラファロ の俗に満ちた演技が良かった
体調が万全なとき、もう一度観たい映画
意識高い女性向け?エロ好きの男性向け?よくわからない
男性中心の社会の変革を図ろうとする意識高い女性向けの作品?
エマ・ストーンの裸体目当ての男性向け?
イマイチわからない。
特に元夫が急に出てきた終盤は何を描こうとしていたのかな・・・
最後の手術でxxと入れ替えた描写は主人公が闇落ちしたとしか思えんかったけど、因習を打破する姿として描いていたんかな・・・
□□と入れ替えるのならすっきりするんだが・・・
あと、オスカー女優のエマ・ストーンよくこの役引き受けたね。
性的描写がてんこ盛り。
点数は甘目です。
ここまで突き抜けると
フランケンシュタインをモチーフにしたと思われる、ある少女ベラの成長物語?
久しぶりに、こんな頭のおかしい映画を観ました(けなしてませんよ)モラルが教えられてないので、欠如したベラの暴走ぶりは怖すぎます。社会のルールや共通認識って大事だなあと思った。ベラ以外にもおかしい人が登場します。ルールが正しいのか、ベラが間違いなのか?結局ベラは最後までぶっとんでました。
ベラの父代わりのウィレム・デフォーは好きな役者のひとりなので、よけいに良かったです。エマ・ストーンの体当たりの演技はすごい。ララランドのあの人と全然違う!世界観もファンタジーで不思議な世界がストーリーと合ってました。馬頭の自動車は笑った。
偏愛なる才能と狂気
エマ・ストーンの演技は眼を背けたくなるほどの真っ直ぐな欲と狂気を、ウィレム・デフォーの演技は異常な体験と才能を持ち合わせた歪んだ偏愛を 各々突きつけられる映画でした。モノクロの恐怖と絵画のような色彩の異様感はベラの葛藤と曇った脳を想像してのめり込んで良いのか躊躇してしまうものでした。評価の分かれる難しい作品ですね。ぜひ見てとは言い難い感じが評価点を下げた理由です。
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