哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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意識高い女性向け?エロ好きの男性向け?よくわからない
男性中心の社会の変革を図ろうとする意識高い女性向けの作品?
エマ・ストーンの裸体目当ての男性向け?
イマイチわからない。
特に元夫が急に出てきた終盤は何を描こうとしていたのかな・・・
最後の手術でxxと入れ替えた描写は主人公が闇落ちしたとしか思えんかったけど、因習を打破する姿として描いていたんかな・・・
□□と入れ替えるのならすっきりするんだが・・・
あと、オスカー女優のエマ・ストーンよくこの役引き受けたね。
性的描写がてんこ盛り。
点数は甘目です。
ここまで突き抜けると
フランケンシュタインをモチーフにしたと思われる、ある少女ベラの成長物語?
久しぶりに、こんな頭のおかしい映画を観ました(けなしてませんよ)モラルが教えられてないので、欠如したベラの暴走ぶりは怖すぎます。社会のルールや共通認識って大事だなあと思った。ベラ以外にもおかしい人が登場します。ルールが正しいのか、ベラが間違いなのか?結局ベラは最後までぶっとんでました。
ベラの父代わりのウィレム・デフォーは好きな役者のひとりなので、よけいに良かったです。エマ・ストーンの体当たりの演技はすごい。ララランドのあの人と全然違う!世界観もファンタジーで不思議な世界がストーリーと合ってました。馬頭の自動車は笑った。
フリークあるいは恐ろしいファシストの成長譚
中盤まで圧倒された。撮影も美術も衣装も演出もピカピカ、キラキラして魅力的。これはかなりの傑作なのでは?と思いきや以降は失速。
船に乗って冒険!ということで話が広がるかと思ったら、結局ずっとセックスしてるだけ。知恵の実食べても貧しき人たちを救おうと決意しても、結局セックス。ベラが成長しても同じようなシーンばかりでクドくて疲れる。
セット臭すぎる背景も、説明的すぎる劇伴も退屈さに拍車をかける。魚眼レンズのショットも思わせぶりなだけ。露悪的なのもやり過ぎると単に下品なだけ。
ベラは精神的に成長していっているようでいて、実はそうではない。単に知識量が増えているだけなので、ポンコツロボットが完璧なロボットになっていくだけ。
マシンなので、夫であり親でもある男性の脳を外科手術で動物の脳に入れ替えるという鬼畜な所業も平気でできる。彼女はこの後外科医になるんでしょうが、気に入らないやつの脳をいじくるとか平気でやるんだろう。
ということで、この作品は巷で言われているように女性の性の解放だとかフェミニズムがうんたらとかをテーマにした映画ではない。精神の自由だとか解放だとかからはほど遠い、ポンコツロボットが恐ろしいファシズムマシンに進化する成長譚だ。
とはいえ、エンタメ映画としては外連味がたっぷりで魅力的なショットが山ほどある。豪華な衣装、細部まで整えられた美術、クリエイティブ風味な撮影、エマ・ストーンの演技、キラキラ感満載だ。
アートっぽいエンタメで、Wokeやフェミニズム的要素もちりばめ、職人的なクオリティーも高く、主演が体当たり演技で一皮むけたました的な感じで、賞レース的にはウケが良い作品でしょうね。
偏愛なる才能と狂気
エマ・ストーンの演技は眼を背けたくなるほどの真っ直ぐな欲と狂気を、ウィレム・デフォーの演技は異常な体験と才能を持ち合わせた歪んだ偏愛を 各々突きつけられる映画でした。モノクロの恐怖と絵画のような色彩の異様感はベラの葛藤と曇った脳を想像してのめり込んで良いのか躊躇してしまうものでした。評価の分かれる難しい作品ですね。ぜひ見てとは言い難い感じが評価点を下げた理由です。
1人の女性の成長と解放を通して与えられる気づき
細部まで、よく作り込まれた映画だった。
年代はあえてぼかされて、それぞれの都市の景色もどことなくファンタジーな味わい。なので、荒唐無稽な天才外科医のなせる技も、観客は違和感なく受け止められる。
ただ、設定はファンタジーだが、扱われているテーマは、どこを切り取っても、我々が直面してきた個人的な成長課題であったり、社会的に解決が求められる問題だったりするので、決して上滑りしない。
それらがミルフィーユの如く、何層にも積み重ねられ、色彩的にも美しく提示されるので、気がつけばその世界感の中にどっぷりと浸りこまされている。
全体として見れば、1人の女性の成長と解放の物語という言い方ができるだろう。だが、それはまるで、人類が(とりわけ女性が)多くの犠牲を払い、痛みを伴いながら「人権」という概念を確立してきた歴史と重なるかのようだった。
(それに対して、マッドサイエンティストのゴッドとその父のエピソードは、科学的進歩至上主義への警鐘として、カリカチュアされている)
自分自身は、そうした彼女の一挙手一投足を観ながら、様々な気づきを与えられた。できれば、巻き戻して、繰り返し観直して考えたいくらいに。
願わくば、早めに配信されますように。
<追記>
ベラの元夫が、使用人の女性にイタズラ?を仕掛け笑うシーン。あれを「ドッキリ」と称して、ゴールデンタイムで放映してるのが、日本のテレビだよなぁ…。
一体、何を見せられているのか?
アカデミー賞のノミネート記事でこの映画を知ってほとんど予備知識なしに観てきました。
すべてが気持ち悪い。
広角レンズや覗き穴風を多用する画面。実験動物。登場人物は色んな意味で“狂人”ばかり。旅先の風景や客船も極端にデフォルメされ、どこか狂っている。
流れる音楽は、チューニングを狂わせた、不協和音の連続。
つまりは、スクリーンから得られる情報のすべてが、調和から外れた気持ちの悪い“狂った”ものばかり。
一体、何を見せられているのだろう?
二時間の間、終始、私の頭によぎる疑問。
観終わったあとは、脳内の迷宮に迷子になった気分。
一昔前ならカルト映画と呼ばれ、メジャーな賞に程遠く、一部の知ったかぶりの知識人モドキにのみ愛されるような映画である。
よって、点数をつけるのは遠慮したい。私にはこの映画の良さも悪さもわからないから。
と投稿してから他のレビューやヤフーの書き込みを読んで…
絶賛されている方のなかには(多分制作者や監督がそういうコメントをしているのだろう)“支配からの解放”とかベラの成長とかのコメントが多いのですが…私には、ベラの“成長の旅”って全てゴッドの予定通りだったのでは?と思えて仕方がない。
ダンカンの誘惑から始まり各地を周り最後にはゴッドの手元に、彼の理想通りの人間として戻って来る。この旅はゴッドの手のひら、あるいは広い屋敷の片隅にある(かもしれない)箱庭の中の出来事。そう思えて仕方がない。
最後の凛々しくも残酷なベラは、ベラなのか?ゴッドが理想とする創造物なのではないか?
だとしたら、支配の仕方が代わっただけで何も変わってないんじゃないか…
色々、あるぬことを考えてしまう。
私には向かない映画であることには変わりない…
ゲージツ?
時代は変わった。
一昔前は映画の内容より女優が脱いだ!と話題性を煽り立てるのは日常茶飯事だった。
個人的にはそれは逆効果で、それが目的で足を運ぶように思われるのが嫌だった。
今はセンセーショナルに騒ぎ立てたりしたら活動家の餌食になってしまうだろう。
その類のプロモーションは無くなったし脱ぐことも激減した。
それでいいと思う。
必要性の低いそれらのシーンは興醒めだ。
エマ・ストーンが脱いだ!過激なシーンも満載!というのは知らなかった。
男ならエマのそれに興味がないはずはないが、必然性は余り感じなかった。
むしろそれがあるためにフォーカスがぼやけた。
エマの演技は素晴らしく、アイデンティティの確立の経過描写も見事だった。
そこに不自然に性的衝動を組み込むのは如何にも不自然に映った。
それがなくても十分成り立つ作品と感じただけに残念だった。
ヨーロッパ系の賞も取っているし、アカデミーでも最有力?らしい。
やはり私にゲージツは理解できないのだろう。
個人的にはエマにこの類は求めていない。
どうして引き受けたのだろうか。
今の現在だな。
医学は、神になろうとしているのか?
マーズアタックみたいに、アヒル犬や動物を遊びにして、ウィリアムデフォーもフランケンみたいだ。
エマストーンも赤ちゃんの脳をいれて、成長していき、
自慰を覚え、ヤリまくる。マークラファエロもアホ。
命を征服した現代は何処へ。
下品な作品だが、見るべき作品だ!
人間の持つ欲と純粋さ。シュールでグロテスクなコメディ。
今年2作目の映画館での鑑賞。
何やら不思議な世界観の映画っぽいが、あのエマ・ストーンが主演、ということで事前知識ほぼ無しで鑑賞。
舞台は近世のヨーロッパっぽいが所々ファンタジックな乗り物や景色が出てくるところはディズニーのなせる技かどうかはわからないが、映画の世界観にマッチしていて素晴らしい。
しかし、そういう映像の素晴らしさより何より、主人公ベラのキャラクター設定とそれを演じるエマ・ストーンの突き抜けっぷりは圧巻である。そこまでやるか、というところまでやりきっている。若干過剰で観る人に不快感を与えても構わない、という姿勢を感じた。
この映画のテーマについては、女性の解放であるとか、自由であると言った評論があるようだが、私は主人公ベラの行動から「人間の持つ欲と純粋さ。そして欲に負ける大勢の哀れな人たち。」と解釈した。ベラを取り巻く男たちもベラ自身も含め、我々も皆「哀れなるものたち」。
それをシュールに、グロテスクに、ときに可笑しく過剰に描いてみせる。どうだ!と言わんばかりに。
観る人を選ぶ作品かもしれないし、観て不快感を覚える人もいるだろう。しかし、私は何故だかすっきりした心持ちで映画館を後にした。エマ・ストーン、あっぱれ!
誰しもが楽しめる作品では無いと思う。
話題の映画見てきましたが、今ひとつでした。
この映画、封切り前から話題になっていましたが、「MARVEL」や「DC」の作品を鑑賞するノリで又は、アカデミー賞にノミネートされたから見てみようと言ったノリで鑑賞された方は今までにない衝撃や複雑な感情更には嫌悪感を感じて映画館を出たのでは無いでしょうか。
個人的にはよく全国同時ロードショーレベルで公開したのかさえ思いました。マウントをとるつもりはありませんが映画通の方で多様性やジェンダー等の作品に慣れている方で出あれば内容に入っていけますが、そうでなければしんどい作品と思います。
内容についてはタイトルの「哀れなるものたち」通り軸はブレていなかったと思います。
アカデミー賞最有力候補とのことで本日鑑賞。 エマ・ストーンの体当た...
アカデミー賞最有力候補とのことで本日鑑賞。
エマ・ストーンの体当たり演技(死語?)は凄い。主演女優賞は獲得するのではと思いました。
もう一度観たいかといわれると、観る必要はないかな。
R18指定ならモロに映ってもいいですね。知りませんでした。
途中が長いかな…
エマ・ストーンのファンである私としては、なんの予備知識もないまま、公開を待ち焦がれていた。
すでに世界的に評価され、各種映画賞も獲り、アカデミー賞を待つばかりという状態での上映で、公開直後からレビューも高いとなれば、嫌でも期待値が上がってしまう。
で、感想としては
期待したほどではなかった。
まあ、私の期待など計り様もないので説明もしにくいのだが、まず良いところとしては大好きなエマ・ストーン自身が、(おそらく本人が望んで)楽しんでやっている感じが素晴らしい。
そして美術。
モノクロと幻想的な色彩のシーンや、肩の大きなドレスにミニスカートなどのファッションを織り交ぜながら、ずっと「誰かのイカれた夢」の中にいる感じがエンドロール最後まで続く。
その「夢」の感じを支えるのが劇伴(音楽)。不協和音や「ポチョン」「プニャン」としか表現できない様な音楽が、どこか現実感のないこの世界を象徴するように響いている。
「女王陛下のお気に入り」でも登場した、キャラクターを追うような独特なカメラワークとか、円いものばかりが詰め込まれた魚眼レンズの構図とか、特に前半は新鮮な楽しみがあった。
本来「性欲」と「肉体」は、社会的なモラルなどの制約を学びながら、どちらも徐々に人間が成熟していく過程で完成していく。
ところが主人公ベラは誕生した時点ですでに肉体は成熟しているので、すぐに性的な悦びに気付き没頭してしまう。
一見すると「ふしだら」なのかも知れないが、大人の男性は性欲に対して好き勝手しているのに、女性が開放的であること、ひいては自ら進んで身体を売るという行為は批判されるべきものなのか、という疑問を投げ掛けてくる。
そして、ベラが自分自身に向き合って、最後の復讐に出る。
気になったのは、物語としてラスト30分ぐらいで急に展開してテーマに向けて締まっていくのだが、それまでの経緯含めて上映時間141分はやはり長い。
性的なシーンがかなり多いが、そんなに要らない気がしたし、途中何度か眠くなる。
ゴッドの真意にもちゃんと決着はついてない気がするし、すべてのモヤモヤがすっきりと終わる映画ではなかった。
disgusting
予告の印象とは違った。いつまでもおぞましかった。ディズニー配給だから、R18でも「明るさ」を信じた。
「天才外科医によって蘇った若き女性ベラは、未知なる世界を知るため、大陸横断の冒険に出る。時代の偏見から解き放たれ、平等と解放を知ったベラは驚くべき成長を遂げる。
天才監督ヨルゴス・ランティモス&エマ・ストーンほか、超豪華キャストが未体験の驚きで世界を満たす最新作。」?(未体験の驚き、ではありました。「主体的」であれば、「性」は平等で、解放された、といえるのでしょうか。。)
「作品賞(ミュージカル・コメディ部門)」??
「主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)」???
わたしが笑えたのは、ダンスシーンくらい。ベラは強くて美しく、衣装やセットも素晴らしかったけれど。過去の記憶を消し去って、新たな人生を生きなおせたことは、果たして、幸だったのか、不幸だったのか、、その点にだけには、救われた。しかし、山羊やふたり目の彼女と、平然と生活する人々からは、やはり、おぞましさ以外感じられなかった。
ひとさまの書いたレビューを見てちょっとびびってた。見るべきかどう...
ひとさまの書いたレビューを見てちょっとびびってた。見るべきかどうか迷ってたけど、やっぱり見とこうということで鑑賞。
見て良かった!!面白かった。
ベラは”ゴッド”が作ったまさに神をも畏れぬ実験体だけど、ミソはそこではない。ベラがいかにして自分自身の人生を取り戻したか。どんな風に生きることを選んだか。この世の常識も良識も蹴っ飛ばし、女を所有しようとする愚かな男どもを踏み越えて、やっとあるべき場所を見つけたベラ。
船旅の間に、ベラが三段階特進みたいな感じで賢くなったけど、賢くなって逆に不幸になった。この世の悲しみや苦しみを理解できるようになったから。「この世界は残酷だ」ってことなんやろやな~と思いつつ。
たださすがのR18で、いろいろアレなので嫌な人は嫌やろな、と思います。注意。
う~ん、映画館で観る映画じゃないような気がする。(悪い意味じゃなく)
いまさっき、30分ぐらい前に見てきて。
まずは。エマストーンが、あそこまでやる必要がなかったんじゃないの?って印象だけど、「ラ・ラ・ランド」の印象を消す?もしくは超える?ためには、あそこまでする必要があったのかな、とも。逆に、プラトーン世代としては、ウィレム・デフォーのメイクがしっくりくる。
内容を考えると、”映画館じゃなく、じっくりと考えながらみたいな”、という意味です。でも、収支を考えたら、映画館で上映しなくちゃいけないってのも仕方ないのか。
ベラ自身、もっと狂気のほうへ振れていってもいいはずだけど、原作者?監督?はそうじゃないように描いた。救いを求めたのかも。ゆえの、ラストシーンか。ヤギのシーンはあったけど、ジェネラルは、ヤギじゃなく、ゴッドにする、という選択肢もあったんじゃないか、と考えた。
ヘンテコな映画を観たなぁ
2024年劇場鑑賞23本目。
予告からヘンテコな音楽やエマ・ストーンの変な動きが気になっていましたが、一瞬どう見てもアレの最中の顔が映っていたし、R18ということでまぁ精神年齢が肉体に追いついていない女性は男の欲求のはけ口にされるんだろうなぁと思っていたら想像以上でした。
倫理観に縛られずに快楽を得る方法を見つけたらどこでもしようと思うのは当然なのですが。
そういう性的なシーンはめちゃくちゃ多いですし、エマ・ストーンも上だけでなく下も全部見せているのですが、なんかあんまりエロいなぁと思わないんですよね。その前に見たガンダムSEEDの方がよっぽどエロかった。鼻くそほじって気持ちいいみたいな感じと同列の快感のを見せられてるからこもしれません。
エマ・ストーン演じるベラがたどる境遇より、ウィレム・デフォー演じる天才外科医ゴッドの父から受けた仕打ちのほうがよっぽど聞いててドン引きでした。
まぁでもこんなヘンテコな世界観は唯一無二だと思うので一見の価値はあると思います。多分配信版だとR15+になってボカシかかりまくると思うので、完全版を観たい人は劇場で観たほうがいいです。
228 こんな話になるなんて予告編では予想できへんかったわ(ほめ言葉)
見た目は妖艶な大人
頭脳は子供
探偵にはむいてないけどな
にしても
エマストーン、ここまでしてええのんか?そこに愛はあるんか?
あーこの人プロデューサーもしてるのね。
そら力入りますわな。
急に大人になったら試してみますわな。
そら例えば男と女の体が入れ替わったら
まずはここを一番にトライしますわな。
ハマったらずーっとしますわな。
で世界観もいつの時代かわからず
霧のロンドンもありロープウエイあり異常に発達した医療あり
馬車とみせかけてクルマって
こんなぐちゃぐちゃな世の中で
倫理観破裂した見た目は妖艶な大人頭脳は子供のオンナと
結局俺様でーすのオトコたち。
オトコたちが振り回されるんですけどね。
こんな物語よう考えますなあ。
なんか知らんけどノックアウトされましたわ。
美術と衣装デザイン凄い!
面白かったですわ。
で、ウイレムデフォー
もうこの人一歩違ったエリアに入った演技いつも最高ですな。
80点
イオンシネマ近江八幡 20240128
追伸:広角レンズでケラれるようなカメラアングルがようわからん
技術の集積
さて、仕事が忙しく正月休み以来、私にとっては久しぶり(3週間ぶり)となる劇場鑑賞は『哀れなるものたち』です。先日発表された第96回アカデミー賞ノミネーションにおいて、実に11部門における選出となりました。そして鑑賞してみればなるほど納得の作品です。とは言え、いきなり「作品賞」「監督賞」という印象よりかは、むしろ斬新ながら間違いないと感じることが出来る「技術の集積」による出来と評価だと、頷くことが出来る間違いなさを感じます。
まず「脚色」です(とは言え、私は原作未読です)。ベラ(エマ・ストーン)という「奇妙でありつつ、目を離せない魅力」の女性には隠された過去があり、また独特な世界観が生む特異な人物です。近寄る男性たちは「器量がよく、そして無知」なベラをコントロールしようとしますが、彼女は人形ではありません。彼女を通して見えるもの、経験すること、出会う者たちと行き着く先は波乱万丈ながら、根本的にはとてもシンプルな話にまとまっています。そして、男たちの「男性性」丸だしな言動、また彼らが信じる常識、倫理から宗教に至るまで「男たちの都合や事情で作られたもの」であることなど思い知らされる内容で「50代男性」の私は身もだえつつも感嘆せざるを得ません。
そして、この独特な世界観を作り出す美術や衣装、メイクアップ・ヘアメイクがとても独創的であり、それを際立てる撮影・編集ですね。敢えて視野を狭めたり、魚眼レンズを使ったりと視点によって「どう見えるのか」を鑑賞者に意識させつつ、違和感を不快感にしない切り替えなどは編集の妙かと思います。
主要賞の方は強いライバルがあることもあり、出来るだけ多くの「技術賞」を獲得してもらいたいというのもありますが、結局のところ流石のヨルゴス作品は手練れな一作に仕上がっています。独特な印象に左右されることなく、まさに現代的な作品として一見の価値ありだと思います。
奇を狙いすぎた演出。私には疑問。
監督が自分の才能を開けらかそうとしているのか、奇を狙った演出に戸惑う。白黒、カラー、魚眼レンズ等、音楽も現代音楽かと思わせるものがあった。己の才能を自己誇示しているようで、私は馴染めない。私が好きなテリー・ギリアム監督もそんなところがあるけれど、遊びごころがあって楽しめる。
この監督さん、やり過ぎだよ。セックス場面やグロテスクな映像が過剰で辟易する。そんなに必要だろうか。
男の軛(くびき)から開放され、女性が自由と愛を獲得する魂の成長物語だと、一言で言えばこうなるだろう。一番成長できたのが、娼婦舘だったなんて笑わせる。
主演のエマ・ストーンの熱演は認めるが、それ以外に印象に残るものが余りない。私が気に留めているマーガレット・クアリーが出演していたのが嬉しかった。でも、可哀想な役でした。エマ・ストーンの演技に0.5加点です。
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