哀れなるものたちのレビュー・感想・評価
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★2024年劇場鑑賞10★
美しさの中にあるグロさ。
画面設計がとにかく美しい。
衣装から美術、背景、人物に至るまで全てが美しくもあり、気持ち悪くもある。
エロさもグロさもあるのに何故だかそこまで嫌悪感を感じないのは圧巻
ただ、あんなにエマストーンが脱ぐ必要はあったのかなぁ
物語の着地は好きな方向でした
印象を興奮にしたら変な意味になりそうなので今回は何も選ばず笑
『マイ・フェア・レディ』を極端にダークにエロティックに
共感していただける方が実は結構いるのではないかと思うのですが、本作観て頭に浮かんだのは『マイ・フェア・レディ』でした。不遇な女性が面倒見の良い男性と出会うことで花開くという構図。まあ、本作の主人公ベラは結局そうした男性の助けを必要とはしないのですが。
もちろんR18指定となるに相応しいくらいのダークさ、エロさがあります。そこまで極端にしないと本作のメッセージは伝わらないというわけでもないかと思うのですが、そうした振り切った要素があるからこそ、忘れ得ないインパクトを残しますし、その振り切ったエクストリームな世界観だからこそ高尚な芸術性を感じることができるのかもしれません。
全体的な作品はもちろん、エマ・ストーンの体当たりの芝居についても良くも悪くも評価が分かれる作品。今年のアカデミー賞、一発逆転劇あるかなぁ。
純粋て無垢な好奇心の旅
人生を形成する世代に見せられないのが残念です。
純粋で無垢な好奇心を持つ主人公だからこそ、大人が持つ邪な気持ちや倫理観を排除する行動がとてもストレートに心に響いた。
また子供ならではの行動も面白く、成長した彼女の怯まない選択も清々しく感じた。そして観終わったあと「穢れ」という言葉について考えさせられた。
この作品はどこかテリーギリアム監督の世界観を継承してる様に感じるが、幻想的な世界観と人々の衣装や美術がとても素晴らしく感じられた。
素晴らしい映像化
映画を見てすぐに、なんだか凄く納得がいかない、とてつもない消化不良を起こしているような気持ちになりました。
この気持ちを落ち着かせるために、帰りのバスの中で原作小説の電子版を買い、家についた後も一心不乱に最後まで読みふけってしまいました。
この感想は、原作小説まで読み終わった後に書いているものです。
この映画は素晴らしい映画です。映像表現の美しさ、主人公ベラを演じるエマ・ストーンの怪演、独創的で豪華な衣装、凝ったメイクやセット、良いところを挙げればきりがありません。
「哀れなるものたち」という題が何を示すかについて、映画を見た人と原作小説を見た人でかなり印象が異なると思います。自分は映画だとしっくり来なくて原作だとしっくり来ました。
自分がこの作品で一番気に入ったポイントは懸命に生きる人達の生き様を軽快な笑いに変えていることです。作中の登場人物を「馬鹿だなぁ」と笑い、しかしそのすぐ後に、似た愚かさが自分の中にもあるということに気づき、そこはかとなく嫌な気持ちになる。その一連の流れが堪らなく良いのです。
映画が気に入った人は原作もオススメです。恐らく吹き出して笑ってしまうと思うので、公共の場で読むのは控えたほうが良いでしょう。
前半は少し退屈 後半の展開は面白い 着地はまぁまぁ笑
羞恥心がないと人の欲望はどうなるのか?全てを試すように、それこそ実験的でシニカルな内容でした。
ベットシーンが生々しいということだったが、そうでもなかった。あれは、お互いに欲求を満たしあっているだけで、それ以外に何もない。食事をしているのと同じだ。外で食事して見せ合ってることにも恥ずかしさがないなら大丈夫なはずだろう。強いていうなら、不快感があるとしたら、食事にもマナーがあるように、性行為にもマナーを求めているからだろう。おそらく笑
こちらが気恥ずかしく思える時は2人だけの世界観で成立している「愛」というものを感じる時であり。嫌悪感は「陵辱」の時だ。ベラにはどちらも無い。だからそこには行為の分析とそれに伴う快楽があるだけ。
見知らぬ他人と相席できる人なら、概ねの人はたぶん流されるように貪れるだろう、それが好みの容姿であればなおおさらであり、そこに喜びが伴えば、何度でも繰り返す。欲望とはそうしたものだ。心など関係ない。
食事は生きるため、睡眠も生きるためだというが、過剰な摂取や贅沢な品々は本当に必要か?より多くを求めているのは、ほとんどの人がそうだろう。
すべからく、全ての人は、自分の欲望に対してマッドサイエンティストに、もれなくなれるということ。延命治療でさえその一つだ。今生きてる世界とはそういう事で、自然に逆らうとはそういうことだと思う。
なのでこの映画に対しては、心揺さぶられるという事はなく、まぁ、そうかな。というくらいでした。良い点は、衣装とカメラアングルと、エマ並びに俳優陣の美しさだろう。羞恥、それすらも耽美という美なのだ。
人は知らない感覚に惹きつけられる。そして、飽きる。残酷な生き物。それを踏まえて考えるのが理性、そこから始めて、人間として倫理観を歩み始めるのだろう。
映画でファンタジックに表現されている部分は、原作では詳細に語っているとのこと。読んでみようかなぁ。思案中笑
順応し、悟り、覚醒し、立ち向かう。
ラ・ラ・ランドのエマは痕跡もない。この作品に向けて彼女自身も脳を入れ替えたのでは?と思うほど。
不協和音に満ちた冗長な、いわゆるフランケン的なパートをしばらく我慢した先に映画のテーマが徐々に見えてくる。
外の世界に導いてくれた男、現実を教えてくれた男、生きるために勤めた娼館に出入りする男たち、自ら命を断つきっかけになった夫。男、男、男・・・それらの関わりの中で覚醒し、立ち向かう。
この現状を打破するためには、脳を入れ替えるしかない、この発想は斬新にして前衛。世界を変えるにはコレっきゃない!とヨルゴスは思ったんだろうけど、さすがに大袈裟が過ぎるだろ。
私の陳腐な人生観ではなかなか選択しえない映画
「映画で一言:哀れなるものたち」
えらい映画を観た。普段からエンターテインメント一択の娯楽映画中心なので、社会派とか芸術系の映画とかホラーものはほとんど観ないが、今回はなぜか気になって「哀れなるものたち」に足を運んだ。主演がエマストーンだったせいもあるが、予告編を見たときから劇場に足を運ぼうと決めていた。
ヨルゴス・ランティモス監督というのは芸術というか、エログロが得意らしい。この映画、私には評価が難しい・・・。全編のほぼ10分の1がエマストーンのセックスシーンだったような気がしたくらい、彼女がやられまくる。いや、やりまくる。解剖シーンなども含めていわばエログロ映画なのだが、エマにはほとんどエロチックを感させない、奇妙な演出。不協和音の音楽も微妙である。しかしながら、彼女は全身全霊の大熱演で、改造人間の役をこなしていた。ほんと、そこまでしなくても良いのではと言う猛演ぶりであった。アカデミー賞主演女優賞をあげてほしい熱演である。
★の評価は難しいが、劇中のカラフルな風景や衣装など、単なるエログロとはいえないギリギリのエンタメ性とエマストーンを評価して★3.7かな。映画館で観るべき価値はある作品だと思う。
でも私の陳腐な人生観ではなかなか選択しえない映画だわな。
自分の力で幸せになる方法とは
ヨーロッパ的一般常識、キリスト教的社会規範からの開放と女性の自立について、SF的シチュエーションを駆使して表現した作品
基本的にこの監督はアングラで評価されて来たという経緯の持ち主なので、シネコン系エンタメ作品を多くみる人が急にこの作品を観ると拒絶反応を示す可能性が大いにありえる内容の為、注意が必要
ビジュアルと視覚効果、女性の美というものの映像表現に優れた作品である
その一方で、女性の性の開放や社会思想、ヨーロッパ中心の世界観には賛否が分かれるかもしれない
この監督には、今後も興行収入に振り回されず好きに作品をつくって欲しい
エブエブと同じくらい向いている方向が?
内容→悪くないです。エマ・ストーンのキャラ作り。監督のモノクロからカラーへ色付く事で主人公ベラの成長過程を表現とかもアカデミー賞を意識した演出。
アカデミー賞を取りそうなモノの映画としての方向性が私の求めている映画とは違うので、昨年のエブエブと同じくらい選外にしたいです。
それは題材を選び決定するのに日本では18禁になることが、大人から子供まで(8歳とか10歳以上)に「この映画がアカデミー賞を取った映画だから観ることを推薦するよ。」と言える?
女性に対しても生活のお金を稼ぐのに赤ちゃんの脳の体が大人の女性は娼婦が手っ取り早い手段とかの設定を観ることで嫌悪感のある方も多いのでは?そんなことは制作陣営は考えていたんだろうけど、古い時代の欧州はこうだったし、他のアメリカ大陸やアジア諸国でもこんなものだったでしょう?みたいなものを映画で観ることが映画を観に行く目的に私のなかでは合致しない。
そういう意味でテロップに配給ディズニーと見た時、「ディズニー映画もこれからこういう方向性も求めて映画制作するんだ。」とかも感じた。なんかウォルトさんがこの映画の配給がウチでアカデミー賞もたくさん部門賞受賞して嬉しいなんて言っているかな?
楽しめました。
何はともあれ楽しめました。
味わい深い映画。教養があればあるほど楽しめる感じがして、ヨーロッパの人たちのほうがぐっとくるんだろうなと思いながらの鑑賞。
ストーリーだけならかなり奇天烈だけど、役者がきちんと演じてるから面白くなるんだろうね。
男なんてろくなもんじゃない、ほんと
このハードな“女性映画”は、男性の僕が気安く「感動した」などとは言えない。
だけど、ここ何年かでは一番面白い映画だった。
いろんなことを突きつけられる映画である上、笑える小ネタも多くて退屈できない。
撮影、美術、衣装もかなりキテる。
音楽もすごくいい。
体は大人だけど、脳味噌は真っさらなベラは自分の本能、性欲、知識欲に正直で、男性(=世間)に服従せず、期待に応える気も全くない。
成長するベラは人生の軋轢に悩むが、2人の老女(客船の貴婦人や娼館のマダム)との出会いで道を開いていく、というエピソードに考えさせられた。
男との出会いなんてマイナスばかりで何の意味もなく、結局、女性同士の出会いでしか前進できなかったという…。
男なんて碌なもんじゃない、ほんと。
エマ・ストーンの瞳のファンで、もしネトフリの「マニアック」を観てなかったら是非観てほしい。
彼女はクレージーだ。
かわいい子には旅をさせよ
圧巻。エマ・ストーン。
身籠った胎児の脳を移植された女性ベラの物語。
思ったのは「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」のメンタリティに特化したバージョン。
その時点である程度の結末が想像出来ましたが、なぜ身投げしたのか?はたまたその父親は?という作品における重要な伏線回収が置いてけぼりの印象を受けました。
「あ、そういえばそうだったな」と。笑
理由も世界観が強すぎてあまりにも印象薄かったのもあります。
なぜならエマ・ストーンの幼児から賢人になるまでの表現力がすごすぎて。様々な世界を見る、体験、知ることで感性が蘇っていくさまを表現出来たのはすごいなと。
着目したのは歩き方。セリフ回しは猶のこと。
それにあんなにも体を張った俳優さんはあまり見ないです。R18+になるのもうなずけます。
最初、外の世界へ行く事を否定していたマッドサイエンティストのウィレム・デフォーも最期は愛する我が子の成長を感じながら往生するシーンは滑稽ながらも引き込まれました。「いろんなことを経験したんだね、、、よかったよかった。」と思って目の光が消えていく。印象的なシーンでした。
マーク・ラファロも演技の幅がめちゃくちゃ広い方なんだなと再認識。ただ最後結婚式の時の小物感はすごくシュールでした。笑
監督のヨルゴス・ランティモス。演出がスタンリー・キューブリックの撮り方の様で「女王陛下のお気に入り」からずっと個人的に思っております。
壮大な美術展覧会の様な映画でした。
エログロというクチコミを見て鑑賞を躊躇いましたが、そのような描写す...
エログロというクチコミを見て鑑賞を躊躇いましたが、そのような描写すら絵画の様な美しさでした。
最初の90分は、辛かった。
最初の90分は、この映画選んで失敗だったーと思ってた。残りは、そこまではなかった。
でも、この不思議な世界観を映画館で見ることが出来て良かったかな。
哀れなるものたちを2時間眺めさせられる映画だった。
登場人物に共感できなくてキッツイ。
ポリコレってこういうことなのかな?
ここまで吹っ切れると、それはそれでいいのかも。
主人公がモンスターどもって言うシーンだけは、凄く共感できて良かった。
この映画への私の感想にぴったりだと思った。
ミイラ取りがミイラになるって話なのかしら。
グロテスクな映画だとおもった。
サイコパスな人たちが怖い、でも、過去・現在・未来において、こんな世界もあるんだろう。偉人とか、医療の進歩とか、少なからず、こういうことの上に成り立っていて、私もその恩恵にあやかっているのだろう。
高尚に見えて底が浅く感じてしまう。こう思うのは、まったく共感できないからかもしれない。私の理解力の範疇外の映画のように思う。
不思議なのは、ハウルの動く城で感じた不思議な感じをたびたび思い出したこと。
ハウルの街並みとかを実写化したらこういう感じなのかな。
(ハウルの動く城は好きです)
好奇心と自由とダークファンタジー
広角レンズの多用は少し疲れて食傷気味になるが、
映像への凝り方はかなりのもので、
アメリやシェイプオブウォーターを彷彿とさせる。
設定やストーリー自体はそれほど複雑ではないが、
映像や演出(セリフ)が幻惑的で、
見ていて飽きさせない。
それでも2時間半は長く感じるが、、
さながら神秘の泉に近づく雌鹿。
天才科学者の手によって蘇ったある女性の話。
ファンタジーかつ独特な世界の中で、文字通り"裸足"で主人公は世界を味わう。
そんな中で色んな人間に触れるのが、とりわけ主人公に対して所有欲を抑えれない像として男性が描かれるのが多い印象。
すごいフェミニズム的な要素の強い映画なのかなと思ってたけど、伝えたいのは1人の人間の成長を通して見るもっと普遍的なものなのかもと思った。
好奇心に身を任せて世界に飛び出た主人公が色んな経験を積んでどんどん気高く見えるのが面白かった。
若干歪んだ道徳観の世界だからこそ、その中の登場人物たちの台詞が刺さるものがあった。
もっと外の世界を感じたいと思う全ての人たちにおすすめの傑作でした。
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