ほつれるのレビュー・感想・評価
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人間観察映画
全く知らない監督さんでしたが、どうやら演劇畑の人のようです。だからという訳でもありませんが、鑑賞中は濱口竜介監督作品などを少し想起していました。
ちょっと、脚本が独特な感じで非常に個性的な作家さんでしたね。なので、物語が好きか嫌いかは別にして非常に興味深く見ることが出来ました。
物語性よりも登場人物のキャラクター重視の台詞づくりをしているようで、「あぁこういう人何処かで会ったような気がする」とか「こういうタイプの人いるよねぇ」とか「もし近くにこういう人いたら何気に敬遠していくだろうなぁ~」とか特に主人公夫婦を見ているとそんな自分の心の中の声が聞こえ、物語の設定や状況以上に人格形成において、彼・彼女らがどのような人生を歩んできたのかが気になるような作品で面白かったです。
映画って鑑賞し始めると、無意識に登場人物の誰かに感情移入しようとするのですが、まあこの作品に登場する人達のほとんどが、私とは思考回路の全く違う生き物のようにも見えてきて、段々彼らの思いを汲み取るのが面倒にもなってきましたから(爆)そういう意味では私にとっては非常に珍しくも興味深い人間観察映画でもありましたね。
探すのにここまで来るくらい、大切なものなんでしょ?
好みだな、こういう映画。テーマは不倫ものなんだけど、ドロドロした人間関係とか性交とかを描かずに、人の感情の深いところをほじくってくる。サブキャラたちの立場も不明瞭なのだが、それがまたこちらの集中力を高めさせる。友人(黒木華)の距離感も、関係を知っているだろうに深入りしてこない。それは知らぬふりが優しさと思っているのか、関わりたくないからなのか、はっきりしない。でもそこがいいんだよな、映画として。全部映しちゃダメなんだよ。
上映時間も短い。けど、その分ちゃんと伏線は張られている。例えば、夫に感じる弱気さじれったさは、思い返せばひとりでソファに寝ている時点で「何かしでかして嫁が許していないな」と気が付くはず。嫁の離婚への踏ん切りの悪さも、職に就いていない(してるかもしれないけど)せいで経済的な不安があるんだなと思えるはず。そしてこの夫婦の熱量は、結局はお互い不倫から始まった関係だけに、何処かしら相手に疑惑と後ろめたさを抱えていたのだと思えるはず。
嫁が木村に求めていたものは何なのだろう。ただのセフレでもないだろうし、愚痴の聞き役でもないだろう。不倫絶対ダメっていう人には彼女の言動を許せないって思うのだろうけど、一生を誓ったつもりのパートナーとの相性が結局はよくもなく、そんなときに価値観とか合う異性があらわれたら、親密になっていってしまうことはむしろ自然じゃないかと思う。いま上映中のドキュメンタリ映画の中で、同じバンドメンバーに対して、なんで趣味も違うのに一緒にやってこれたのですか?という問いかけに、趣味は違うけど嫌いなものが同じなんですよね、って答えていた。ああ、続けていく秘訣はそこだなと思った。好きなものは変わっていく。だけど、嫌いなものってそうそう変わらない。嫌いなものが同じ人って、自分を分かってくれているって安心感がある。リスクを冒してでも指輪を探しに出かけたのは、それを(たとえ肉体を失った後でさえその共有した過去を)失くしたくはなかったのではないか。自分は映画の中の門脇麦の表情から、そんな感情が伝わってきた。
そしてエンドロールには、音楽、石橋英子とジムオルーク。やっぱ好みの訳だわ。
様々な顔
もしかしたら、一緒にいたいという気持ちは
永遠には続かないかもしれないと観てる人は
微かに思ったかも。
夫婦関係が冷えきってる夫婦。綿子と文則。
会話もぎこちない。綿子は知り合った木村と不倫。だが不倫相手が突然、帰らぬ人となり綿子
の気持ちが揺れ動くお話。
綿子を演じる門脇麦さんと木村役の染谷奨太
の何気ない会話と表情と仕草が上手い。
勿論、何となく違和感を感じても言葉に出さない英梨役の黒木華さんの表情も。
文則役の田村健太郎さんは監督が意図して
キャスティングしたのか分からないけど、他の方の演技を引き立ててしまう。
不倫からの結婚。そして結婚してからも共に不倫。逢瀬を重ねてる時は楽しいけど、一緒に生活して暮らすと違うのだろう。楽しいだけではないからね。
全体的に静かなシーンの演出がどっしり響いてくる映像。シーンの切り方もスパッと早い。
紅葉の時期イチョウが道端に沢山溢れてる
シーンと門脇麦さんの横顔が多く撮ってるのが
印象的。揺れ動く心を表情で撮りたかったのだろう。
ほつれるというか、絡み合ってひしめきながら乱れた心情。
最後は白いトランクケースに白い車。
黄色→途中の黒色→白色
と見えない物が見えて、やっとほつれたんだね。
解れる:読み方→ほつれる
解れる:読み方→ほつれる。
縫い目、編み目などが、
ほどける。
また、
まとめてある糸や髪などの端が乱れる。
小学館 デジタル大辞泉より。
満席に近い客席。
それは素直に喜ばしいが、
みんな、
ほつれる、ほつれてる、
ほつれつつある、
ほつれた、
のかなって考えていたら、
みんなエスカレーターで、
1列になった。
蛙亭
田村健太郎のキャラが蛙亭の男性の方(名前失念)と被り、終盤は彼等のコントに個人的には見えてきた
観客の殆どは(自分も含め)あの旦那ありえねーと思っただろうが、男なんて一皮剥けば(自分も含む)理屈っぽい未練たらたらのマザコン野郎なのだ
体裁ばかり気にして、さも自分は理解ありますよーなんて勘違いしている(もちろん自分含む)スキあらば「ゴッドファーザー」を語るマウント野郎なのだ
こういう映画は誰かと観に行き終わったあと、あーだこーだ語りたい
その時は「あの旦那マジあり得ない、キモッ!!」なんて口が裂けても、言わないよ~絶対〜🎵
見せないという演出がむしろ怖さが増す
84分と短い作品で、会話劇が中心。
映像での驚きに慣れているので、むしろ創造力で怖さが増した。
不倫がテーマだけど、物語が進むに連れてさらに闇が深まっていきヒトの恐ろしさが浮き彫り。
昔、全員悪人という映画があったが、こちらも形を変えたほぼ全員悪人という映画。
会話を聞き逃すと着いていけなくなるかも。
好みの湿度の高い映画だった。会話と関係がほつれている夫婦関係の微妙...
好みの湿度の高い映画だった。会話と関係がほつれている夫婦関係の微妙な間とか表情とか、とにかく居心地の悪い定点観測だった。妻に夫がキスをすんなりと交わされるシーンはキツかったし、夫のネチネチした感じは本当に嫌だったなー。電話のくだりも旅行に行こうと言い出すくだりも。
そこで終わりかーと思いながらも、中央車線を走り出す彼女の人生に幸あれ。
不倫ものは基本的には苦手だけど、不倫を肯定も否定もしないのは誠実だと思う。加藤拓也監督は信頼できる。
やはり不倫はやめておこう
麦ちゃん、静の演技
長回しが多く、その間表情が微妙にしか変わらない。
なにか傍観者っぽく、旦那にも本妻にも
現実はこういう言葉のやりとりしか出来ないことに納得する。
しかし実はめちゃくちゃ動揺していて最後は大爆発。
旦那さん、いいねえ
嫁さんを気遣っているけど麦ちゃんからは見透かされている
ということを感じていて
一層泥沼化。
ワタシみたい(笑)
麦ちゃん主演だと10点プラスになります。
80点
MOVIX京都 20230914
パンフ購入
人間の見たくない部分がこれでもかと嫌な感じに描かれるため、イラッとし、心がざわつきます。それでいて鑑賞後の気持ちは悪くありませんでした。
劇作家・演出家として評価が高い加藤拓也監督による、オリジナル脚本で描かれるヒューマンドラマ。
不倫で壊れてゆく夫婦関係を描く映画「ほつれる (公開中)。セリフのひとつひとつがあまりにリアルで、グサグサと突き刺ささりました。
■ストーリー
夫・文則(田村健太郎)と冷めた夫婦関係を統けていた絹子(門脇麦)は、友人に紹介された木村(染谷将太)と親しくなります。2人で旅行に出かけた翌口、それぞれ分かれて帰る途中で木村が交通事故に遭います。
少し離れた場所で目撃した綿子は呆然と立ち尽くし、119番通報をしたものの、状況説明でほいよどみます。そして現場がどこかを告げずに切ってしまうのです。彼を助けたい。でも、不倫が発覚してしまうと思った。綿子はだれかが通報してくれることを願いながら立ち去るのでした。
密会していた相手を交通事故で亡くし、抜け殼のようになった綿子は不可解な行動をとり始めます。文則は、優しい口調ながら、質問責めで綿子を追い詰めます。
しかし取り乱したり、怒りや悲しみをあらわにしたりしてもいいはずですが、綿子は言葉少なに、物憂げな表情を浮かべるばかりでした。
それでも事故後なんとか関係を修復しようと、文則は必死で説得しようとしますが、綿子は応える気がありませんでした。
一方、木村の妻(安藤聖)も綿子を呼び出して関係を問いただします。変化の乏しい綿子の表情は、実は、不倫相手の木村に対しても、そうだったように、木村の妻や父(古舘寛治)と向き合っても、それほど変わらないように見えたのでした。
■解説
本作の一貫しているのは絹子の「テンションの低さ」と寡黙さです。表情は作り過ぎず、声は抑え気味で。体温が低く感じる演技を、門脇麦はあえてしたそうです。
なので密会中、男と女に熱に浮かされた感じはありません。会話のトーンは低温気味。だけれども、分かちがたいつながりが、目には見えないけれども、あるように感じられる2人。不思議な感じに囚われてしまう不倫のお話しでした。
事故の場面。女が男に駆け寄って、すがりついて、周囲に助けを求めるもの。普通ならそんな場面を想像するのことでしょう。ところが、女は後ろ髪を引かれながらも、現場を離れていくのです。一見、不可解に思えますが、どうでしょう?
救急要請の電話をかけた時も、彼を助けたいという気持よりも、不倫が発覚してしまうことをを恐れて、場所を言いそびれてしまい、あげくの果てに誰かが助けてくれるはずとやり過ごしてしまうのは、その時は仕方なくても、その後に大きな悔恨の思いを持ってしまうかもしれないのにです。そんなふうに、女の心は揺らいだのだろうと思います。
そう考えれば、女の行為は謎というより、リアル。とり乱す女の姿を思い浮かべる方が、むしろ、ありきたりなドラマの作法にとらわれているのではないでしょうか。
若くして演劇賞の受賞歴のある気鋭の加藤監督は、映像世界に新たなリアリズムの風を吹かせ、静かに波立たせるのです。
劇作家らしく、加藤は繊細なセリフによって、彼らの関係性を説明し、心情を伝えようとします。
つかみあいのケンカになってもおかしくない不倫劇は、それぞれの俳優が淡々とした口調で、セリフが多め。その空虚な空気こそが、微に入り細を穿ちながら、人間の内面をえぐり出すのです。
絹子が無言を貫く場面では『無言というのもひとつの答えなのか』と詰問調に畳みかける文則のむなしさ、絹子の表情にいたたまれなくなります。
しかし、話すのはもっぱら夫や木村の家族で、綿子は聞かれたことに答えるばかりです。ならば、綿子は何も語らないのでしょうか。そうではありません。言葉ではなく、物憂げな横顔やとぼとぼ歩く後ろ姿が彼女の内面を語っているのです。
観客に、見えるものから見えないものを読み取らせる。いかにも映画的な企てですが、映画畑以外の監督が陥りやすい罠でもあります。映像への期待が過度だと、映像が冗舌になり、説明に堕するものです。本作はその危うさを周到に回避しています。観客は綿子の横顔や後ろ姿を見つめ、内面を読み取るというよりは、内面に触れる思いがするのでしょう。
綿子の夫は妻の気持ちを読み取ろうとしてすれすれまで迫りますが、心に触れられません。最終盤のスリリングな会話劇の結末に、自然とうなずくことができるかどうか。できなければ、夫と同じということでしょう。
あえて抑揚に乏しい会話に終始し、糸がほつれていく様子を体現した門脇が素晴らしいと思います。
門脇は、全編にわたり、綿子が出ずっぱりの映画を、「一人の女性の観察記録のようなもの」と受け止めています。「不倫相手の死とも向き合えず、夫とも向き合ってこなかった。それは、自分自身とも向き合えていないということ。いろいろなことから逃げた結果、自分の感情が見えなくなっている綿子の記録だと思う」。だから、観客には「綿子に共感するというよりも、綿子が生きている時間を共有してほしい」と期待しているとインタビューに答えていました。
【最後に】
見て見ぬふりをしてきたことの代償は大きいですが、どうにもならないのもまた人生。濃密な84分間です。
白黒つけずにグレーで済ますこと、正論で追い詰めていくことなど、人間の見たくない部分がこれでもかと嫌な感じに描かれるため、イラッとし、心がざわつきます。それでいて鑑賞後の気持ちは悪くありません。会話劇を楽しんでください。
しがらみがほつれる?
解釈は人それぞれなのかも知れないと思った。
まさに劇中の登場人物と同じ境遇にいる人は、特に賛否両論で意見が分かれるのかも…
最終的に日々の生活の中で仕方なく続けている関係やうやむやにしている感情がほつれるという解釈で良いのだろうか?
観終わってしばらく経つと(今、鑑賞後7日後)、実は何も残っていないことに改めて気づかされる…。
せいぜい、いつ死ぬかもわからないから、墓場まで持っていく秘密は、携帯とかに残さないようにすべきと思ったぐらいかなぁ…。
そういう意味で、生体反応が消えたら、サーバーからデータが完全に抹消されるサービスが出てくるのかなぁデータと映画とは関係ない感想を持ってしまった(笑)
不埒
門脇麦さんのファンというのみで鑑賞。あらすじで不倫の話なのかなーくらいで鑑賞しました。
正直、映画としてはパンチが足りず、登場人物のほとんどの性格が小根から腐っているので、そこに不倫という要素が重なったせいか、個人的には全然ハマらずじまいでした。83分という尺でもかなり長く感じてしまいました。
不倫をベースにしているだけあって物語はかなり重めですが、基本的には自分中心の考えの人間たちの責め合い映画だったので、上司やそれに近い関係の人に詰め寄られた経験のある人にはあまり良い気分になれる映画ではありませんでした。それ以前に不倫を扱うには全体的に薄く、取って付けたようなシーンばかりで安っぽく思えてしまいました。
綿子は不倫のことをやましいと思いつつも、何度も何度もやっており、その関係性を楽しんでいるように見えましたし、文則との舌戦になった際もダンマリや逆ギレを繰り返していたり、誤魔化そうとしたりしていたので、配偶者のいる女性としてアウトだなと思いました。木村が交通事故に遭ったシーンでも自分の保身を優先して通報を躊躇いましたし、告別式にも出ないなど、自覚が無いという言い訳を元にしているだけのようで気持ち悪かったです。
文則も詰め方が中々高圧的でしたし、なんなら元妻と不倫をしている事実が明かされますし、そこを言われると逆ギレしちゃったりで、夫婦共々終わってんなーっていう視線で見てしまいました。
木村の奥さんも顔は見えず後ろ姿とセリフのみでしたが、不倫のきっかけを問い詰めるだけのシーンなので良い印象は残りませんでした。
木村父はずっとはっきり喋れや!(胡散臭さ全開なのは良かったです)と思ってしまい、行動もテキパキしなさいよ!と思っていたら、不倫の事実を木村の奥さんにサラッとバラしてしまうなど、正しい行動っちゃ正しいんですが、あんだけモヤモヤしてたのにそこの行動に移すのは早いのかと呆れてしまいました。
延々と車道を走って新天地へと向かう様子も、長ったらしく感じてしまい、はよエンドロールへ突入してくれと思ってしまいました。余韻を楽しめない人間なのは重々承知なのですが、それでもこの長さはいただけなかったです。
役者陣の演技は本当素晴らしいです。特に田村健太郎さんのいや〜な詰め寄り方や、見せかけの優しさだったり、何かが切れたかのように投げやりにキレまくるシーンだったり、とにかく不快でしたがそれと同じくらい凄いなと思わされたのでここはとても良かったです。
門脇麦さんの無気力からの逆ギレに転じたりの切り替え方はもう流石としか。
映画の中でも数少ない良いシーンとして、不倫が性行為だけでは無いということが表現されていたからです。キスしようとするくらいで、木村との不倫は空港やグランピングと遊びに行く感覚というもので、同世代の異性と遊びに行く事だけでも、配偶者がいれば不倫になってしまうというもどかしさが上手に描かれていました。まぁ不倫はよろしくないと思っているので、冷静に考えてやっぱダメだよなという結論には至ってしまいました。
映画というよりかは文章でじっくり読む方が向く作品なのかなと思いました。不倫というテーマをコメディとしてしか楽しめない自分にはそもそも向いていなかったのかなとぼんやり考えてしまいました。うーん残念。
鑑賞日 9/12
鑑賞時間 20:55〜22:25
座席 F-7
不思議な日常を俯瞰で見る楽しさ
門脇麦さんの芝居が好き。「止められるか俺たちを」「さよならくちびる」などで魅せた、リアルな息遣いと憂いのある表情がたまらない。すぐ隣にいるような存在感で、作品にスッと入り込めるんです。
今作も芝居に見えない彼女の見応えが詰まっていましたよ。静かに抑えている苛立ちが、本当に上手い。
この作品の魅力、台詞っぽくない会話劇を、安定の演者が紡ぐ。染谷将太さんは友達のような不倫がよき。友人の黒木華さんは仕草が絶妙だし、旦那の田村健太郎さんは理屈っぽい性格が苛立つ。
新鋭加藤拓也監督の脚本演出もすごい。長回しのセリフの少なさに、想像がどんどん膨らむ。映画の醍醐味ですね。
登場人物は皆サイテーで、共感は置き去り。ヒロインの感情を観察しながら、不思議な日常を俯瞰で観ている。鑑賞後に何だったんだろう?って思うけど楽しかった!って感じ、好きなんですよね〜😊
本音を言わない人たちの話?
綿子にも文則にも木村にも共感は出来ません。本作の登場人物は声を荒らげて不満をぶつけたり、怒りをあらわにはしません。その本音で話さない人間関係が、ほころびを生じ、徐々にほつれて、ほどけていきます。その様子は面白いんですが、ちょっと、あれ、と感じるところが幾つかありました。
木村君は同級生かと思ったら違った。妻の事を二人で話していた気がするので、綿子と木村妻は知り合いかと思って観てました。
子供のことで頭を悩ませている英梨に、急に山梨まで運転させた位だから、綿子は免許が無いのかと思ったら、自分の車を持ってる。じゃあなんで友達を巻き込んだ?
指輪を必死で探したのは、浮気がバレるからじゃなくて、本当に大事なものだったからなんだ。
木村の父親のキャラクターも、居そうで居ない感じ。
1年ほど前に、英梨に誘われて行ったパーティーで木村と出会ったというのも、主婦が行くパーティーってどんなの?と思いました。
私には想像できない、裕福な人たちの話?
不倫関係だから優しくなれる
距離感、というか隔たりが印象的な作品だった。
主人公の綿子は、基本的に木村以外に対して壁がある。
喩えば英梨とは、仲はいいけど秘密までは共有しておらず、一定のよそよそしさを感じた。
冷めきった関係の旦那や、不倫関係の家族は言わずもがな。
これには綿子の抱える罪悪感が関係していると思われるが、想いを吐露できる相手はいない。
秘密を抱えるというのは、そういうことなのだ。
文則とプレゼントを交換しあった夜は、関係を修復できそうな気配があった。
しかし、文則には無理におどけている節があり、綿子にもそれに合わせている気配がある。
あれを“本当”にするには、自分を誤魔化すことも含めてあと5歩くらい必要だろう。
結局綿子は木村との思い出を捨てきれず、文則は理詰めでそれを追求し、ふたりは別れる。
不倫が“逃げ場”だったり“発散場所”だったりするから、大切にするし守ろうとする。
逃げるのも発散するのも、本来守るべきもののためだったことも忘れて。
多層的に描かれた“不倫”というものに対し、考えさせられるところがあった。
しかし、結論は“離婚”というありふれたものであり、登場人物たちが何を得たかは描かれない。
唐突に焚き火を見つめる綿子と木村のカットが差し込まれるなど、意図の見えない余計な演出も多い。
委ねる系の結末は嫌いではないのだけど、せめてもう半歩踏み込んでほしかった。
「不倫は文化」ですかね
お互い不倫者の心理をよく分かっているだけに却って解決策を見出せないどん詰まり夫婦。後ろめたさ故に決断を相手任せにする不毛な会話が関係をどんどん悪化させるのが痛い。
客席に夫婦らしいのが何組かいたけど大丈夫か?
微妙
タイトルから想像するとおりの不倫したり、されたりのストーリーなのだが、ドロドロというほど深く抉った描写もないし、主人公・綿子(門脇麦)の行動が全て突飛というか唐突過ぎて、何か話が上手く繋がっていかない。
台詞も芝居がかっていて、舞台作品のよう。
元々、舞台が主戦場の監督さんと聞けば、なるほどな、と思えるが・・・
見方を変えれば、チャレンジングな映像作品かな。
演技無双
だいたいどんなことが起きるかは予告で分かってるけど、展開早いな。20分くらい…?
そこからは…簡単に言うと、真綿を敷き詰めた地獄、って感じ…
そもそもみんな感じ悪いんだけど、夫役の田村健太郎さんの感じ悪さは自分を観るようでホントにヤになりました…
でもまぁ総括すると、門脇麦の演技相撲無双映画…
門脇麦という池にちょっとした石を投げ込んで、波紋を楽しむみたいな、そんな映画でした。まさに、「ほつれる」…
90分くらいで良かったよ…
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