劇場公開日 2023年12月8日

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「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 Nさんの映画レビュー(感想・評価)

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。

Nさん
2024年8月10日
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鑑賞方法:その他

悲しい

まず主人公である百合の設定を変えるのはいかがなものかと。原作では何に対してもイライラしてしまう中学2年生。という事になっていて、読者からの印象としては随分と心が荒れているなぁ。と言う印象でした。それに対し今作の映画は高校生という事にされている百合。高校生になった事によって少なからず余裕の様な物が生まれてしまった、全く別物の"百合"が完成されています。まぁ要は性格がだいぶ丸くなったってことです。これは百合の母親に関しても全く同じ事が言えます。ぶっちゃけた話、原作での百合母は始終ヒステリックな印象が強かったです。なのに冒頭部分のあれ。あれは一体誰なんだ??全く別人じゃないかと。思わざるを得ないですね。
この物語の良い所はもちろん百合と彰の切なくも温かいラブストーリーです。ですが他にも良い所はいっぱいある。過去を生きて現代に戻って来た百合が今までずっと関係がギスギスしていた母親にごめんなさいと、少しずつではあるけど歩み寄って行こうとする心情変化も見所の一つなはずです。なのに2人の性格や設定が大きく変わった事によってその変化がだいぶ霞んでました。
一言一句すべて同じでありますように。なんて思って無いし、あれだけの量の文字、情報をたった2時間弱の映像に収めると言うことはとても大変だと思います。ただ原作改変にも限度がある。キャストさんの都合上、中学生ではなく高校生にする。の様な事は大方想像は付きますが、あまりにも違いすぎるでしょう。原作を歪めるくらいならキャスティングを見直すだの脚本を見直すだの出来ることは少なからずあったはず。それをしなかったのは何か意図があるのだろうか。正直、ここまで来ると原作者である汐見先生に失礼なのでは?としか思えないです。それくらい、この作品は軽い物でないと言う事。作成陣様方にも理解して頂きたかった。別に投稿主は映画のキャストにつられてこの映画を見たわけじゃ無いです。汐見先生の作品を文字では無い他の形で自分の中にしまい込みたくて見ているんです。そういう方は多かれ少なかれいらっしゃるでしょう。ただ映画を見に来た"視聴者"の満足感と、原作を知っている"読者"の満足感を履き違え無いで欲しかった。主の拙い語彙力ではありますが本当に伝わって欲しいなと思うし、少しでも共感してくれる人が良いなと思います。

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