「食べ物が美味しそう。グルメレポーターかよ!」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 野球十兵衛、さんの映画レビュー(感想・評価)
食べ物が美味しそう。グルメレポーターかよ!
「汚れつちまつた心を、たまには純愛物で浄化しなきゃ」とか思って。
鉄板にもほどがあるって話ですよね。死別がまず前提の物語って。
そこをあえて泣きに行こうと思って。
劇場の無料鑑賞ポイントも貯まっていたので。年明けのお誕生日をボッチで祝おうと思って。
寂しくなんかないよ。 うそだよ寂しいよ!
まずね、言いたいことは、百合がタイムスリップしたトリガーのアクションが弱っちすぎると思ったのね。
「えっ、あんなんで行っちゃうなら、私だっていつ戦国時代に行ってもおかしくないかも?」って思って、ちょっと怖くなったの。信長なんかじゃなくて、名もなき足軽として。血と泥にまみれて犬死にしていくような。
そしてね、予想が外れちゃったの。
彰が特攻する死の間際に、それこそが大きなトリガーとなって、百合と同じ時代に行って、ふたりはめでたく幸せに結ばれましたとさ。みたいな?そんな全く的外れな予想をしてたの。←なんやねんなそれ(笑)
でも、その肝心の特攻シーンなんて、これっぽちもなかったのね。すげぇ肩すかし感ぱねぇ。
私の期待では、山崎監督作品には及ばないものの、VFX駆使して見せ場作ってもらえると思っていたのに…
本宮ひろ志先生が描いていた『ゼロの白鷹』みたいな熱い展開を望んでいたのに。
「うおぉぉぉぉーーーー!百合ぃぃぃぃーーーーー!!」みたいな。
そこは一切なしだったのよん。作り事とはいえ、人が死んでいくところを見たがるなんて、悪趣味だな…とは思いつつも、かなりがっかりしたのが本音。
出撃命令が下ったところとか、鶴屋食堂での別れだとか、ところどころ“うるっ…”ときたシーンはあったのですが、涙零すほどじゃなかったの。
でもね、この映画ね、全く見どころがなかったのかと言えば、そうでもなくて。
Dolby Atmosで観ていたためかもしれませんが、食事の租借音が、とても美味しそうに聞こえたの。
百合が軍粮精を噛む、コリコリという音。ってか、戦時中のキャラメルって、あんなに固かったんだ。まるで金平糖みたい。
その軍粮精なんですが。私が見つけていなかっただけかもしれませんが、グッズ売り場で販売していればよかったのに。あるいは、入場者特典で配るとか。食べ物関係はそのあたり、規制がうるさいのかな?
揚げたて鯵天のサクサク音も美味しそうだったなぁ。
戦災孤児の子にあげたトマトのサクサク音も。ってか、トマトだと、ブチャブチャになりそうなんだけれど。それだと汚いか…
かき氷のシャリシャリ音だとかもよかったなぁ。
一歩間違えれば下品なクチャラーになる寸前の絶妙な租借音。
鶴屋食堂で鯵のお刺身やお漬物をおかずに茶色い麦飯食べてみたいなぁ、って思ったの。
かき氷に砂糖乗っけただけの雪だとかも。
そんだけー!
こんなに泣けると絶賛されている作品でさえ、涙の一筋も流せないほどに私の心は汚れきっていたみたい。残念。
私の情がもっと深ければ、泣けていたかもなので、ちょっと甘めの採点にしました。軍粮精みたいな。
【追加の余談】
この映画のフライヤーって、何故か売店窓口へ行かないともらえなかったの。
そこで困ったことが起ったの。タイトル長いじゃないですか。
だから
「あの花が咲く丘で…(息継ぎ)…君とまた出会えたら…のフライヤーいただけますか(ゼェゼェ)」みたいになったの。
「あの花のチラシもらえますか」でよかったの?
「いただけますか」って、御曹司かよ!(笑)
kazzさん、コメントありがとうございます。
そうなんですよ。地元の映画館って、大量に持って行かれるのを警戒してか、どうやらキャストによって窓口行かないともらえないフライヤーが、たまにあるです。
へぇ~、チラシをワザワザ窓口に言わないと貰えなかったんですか…
この映画だけ?
チラシって、誰でも持っていけるから宣伝になるのに、ねえ。
失礼ながら、この映画でVFXの特攻シーンを期待するのは的外れでしたね~💦