「案外と良い作品。予想通りの展開。でも泣けて、泣けて・・・。」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 けいちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
案外と良い作品。予想通りの展開。でも泣けて、泣けて・・・。
おじさん一人で観に行く映画ではないとも思いましたが、こっそり観てきました。朝ドラコンビの共演ですが、案外と舞(まいん)ちゃんにも(やはり左利きですが)、吉本のボンの愛助にも見えませんでしたので、そこは大丈夫でした。また、大人の視聴に十分耐えうる作品です。
ストーリーは正直、予想どおりの展開であり、奇をてらっていませんが、むしろそれが好感を持てました。SF好きの僕はタイムスリップの原因を考えてしまいますが、まったく謎です。強いていえば、これから国を守るために死にゆく若者に、少しでも甘酸っぱい記憶を持たせてあげよう、という神様の御配慮と考えれば合点もいきますが。
戦時中、しかも末期にも関わらず、素性不明の少女、百合に対し皆さん親切です。家族を失った子供がそれだけ多かったのかもしれませんが、やはり美少女に対しては、時代を超えて親切なのでしょう。でも名前が「百合(ゆり)」で良かったです。これがキラキラネームだったり、髪を染めたギャルなら不審に思われたと思います。
帰宅後、家内にストーリーを説明したら、「昔の少女漫画みたい」、と。確かにそうかもしれません。
とはいえ、僕の心に突き刺さりまくりました。特攻隊員の無念さを全面に出す、という切り口ではなく、爽やかな前途有望な青年たちが、一人は胸に少女にもらった人形を抱いて、もう一人は胸に百合の花を抱いて、見送る少女たちに、笑顔で手を振って特攻に飛び立つ場面は、もうハンカチがグショグショです。さらに年長の隊員が持っている、妻とまだ見ぬ幼子の写真がでてくる場面では、画面が涙で滲んで困りました。
平和の大切さがとても強く伝わる良作と思います。また、日本を守るために散華(戦死)した先人たちに報いるべく、平和を尊び現代世界をより良く精一杯生きなさい、という現代の若者たちへのメッセージとも感じました。
随分前になりますが、僕は鹿児島県知覧の特攻隊の記念館にも、靖国神社の遊就館にも行ったことがあります。英霊の写真や手紙、遺書などは涙なくして見れませんでしたが、彰(あきら)から百合への手紙(遺書)を、現代に戻った百合が校外実習で訪れた特攻記念館で見つける場面では、涙がポロポロでて、ちょっと困りました。