「大好きな小説なのに…」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 あむさんの映画レビュー(感想・評価)
大好きな小説なのに…
原作ファンです。今まで読んだ本の中でトップレベルに好きな物語なので再現すべきシーンは忠実に習って欲しかった。
一ファンとして、戦争の惨さ、命と平和の大切さがたくさんの人に伝わるといいなと思っていたので、この映画として広まるのがとても残念です。
・まず小説の表紙絵の百合のイメージと主役の福原遥が大きく違います。
①中学生ではなく高校生(しかも実際は高校生ですらないので、彰の妹代わりっぽくは無いかなぁと…。初めは妹に見えていたのにいつしか惹かれていた!ってところがいいのに、なんだか普通に成人のカップルに見える…)
②見た目
③制服(個人的にはセーラー服が良かった…。ネクタイはさすがに昭和20年だと違和感ありすぎでは?)
④性格(原作はクールで強気なイメージ。そこがいいのに、映画は明るくて可愛いまいんちゃんって感じでした…笑)
・戦争や時代をもっと丁寧に描いて欲しかった。国旗がなぜか今の日本国旗だったり、異国の言葉を使ってはいけないのに「ハイタッチ」を普通に言っていたり、笑ったり楽しむ様子を見られたら「軍人様に失礼だ」と言われる時代にかなり楽しんでいたり。あの時代にそんな瞬間が本当にあったのかなぁ?
戦争で辛い場面の描写が空襲と特攻しかなかったのであまりリアルさを感じなかった。
・とにかくツッコミどころ満載。笑
空襲の百合の行動には思わずポカン。。
鶴さんが心配で川の反対に行く…??鶴さんだって川の方に逃げてるから今は自分の心配でしょ。
そして怪我して動けなくなるところで、「おかあさーん!!」と叫ぶのはさすがに高校三年生ではありえない…。あと次の場面で普通に鶴屋食堂も周りの街も戻っていてびっくり…。百合がどこに向かっていたのかさらに謎が深まりました
・展開が早すぎてついていけない…
恋愛の描写(彰の「かわいい」からの照れとおでこにチューはマストだよ😭)がほとんど無い。お互いいつ惚れたの…?百合がいきなり呼び捨てなのも違和感。
2時間に収めなければならないのはわかるが、タイムスリップの描写が雑。福原遥の演技がイマイチ入り込めない。
足りないなら野球のシーンとかを原作の場面の再現に回してほしい…
・役者さんの演技がいまいち…(上からでごめんなさい)
前述の通り福原遥が百合ではなく完全にまいんちゃん!って感じだったのと、水上恒司の棒読みはどうした…?硬い真面目な感じを表現しているのかな?個人的にはもう少し優しく柔らかで感情があるイメージだった。
★まとめ
映画はイマイチだと思った方、ぜひ原作をお読みください!!原作はめちゃくちゃ泣けるので…!!