劇場公開日 2023年12月8日

「期待を裏切らない良作」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 hideさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5期待を裏切らない良作

2023年12月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

ストーリーが想像できる映画のため、鑑賞するかどうか悩んだが、エンディングの歌も含めて教科書のように正道を行く作品。

せめて、制作者の意図に従うまいと抵抗したが、不覚にも涙をこぼしてしまった。

hide
hideさんのコメント
2023年12月16日

『今日われ生きてあり』の著者神坂次郎氏が「特攻は戦術ではない。 指揮官の無能、堕落を示す“統率の外道”である」と述べている。そしてこの“外道”には、特攻に関わり指導した者の戦後の歳月も含まれている。

確かに戦後、航空関係者で自決した者は、陸軍大臣阿南惟幾(あなみこれちか)大将、航空本部長寺本熊市(くまいち)中将、第1航空艦隊司令長官大西瀧治郎(たきじろう)中将以下58名にのぼる。自らの死をもって特攻隊員に詫びた(あるいは天皇に対して詫びた)潔(いさぎよ)い人達が58人もいた。しかし、たった58人かという声もある。

そう、特攻作戦を立案した、実施した、あるいは現場で特攻隊員を選び、出撃の命令を与えた指揮官の多くは、おめおめと復員し生き延びたのである。中には、有能さを発揮して、政界・財界で活躍した陸海軍の参謀もあった。ただ死ねなかっ軍上層部の将官や佐官以上の高級将校には、戦後、ひそかに慰霊したり、謹慎して過ごした人たちもいる。しかし多くの特攻隊員を死地におもむかせながら、自らはおめおめと生き延びる卑屈さ・無責任さを、南の海で散華(さんげ)した特攻隊員たちはどう感じるだろうか。

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hideさんのコメント
2023年12月16日

松元ヒミ子〔知覧高等女学校出身〕
 日本を救うため、祖国のために、いま本気で戦っているのは大臣でも政治家でも将軍でも学者でもなか。体当たりの精神を持ったひたむきな若者や一途(いちず)な少年たちだけだと、あのころ、私たち特攻係の女子団員はみな心の中でそう思うておりました。ですから、拝むような気持ちで特攻を見送ったものです。特攻機のプロペラから吹き付ける土ほこりは、私たちの頬(ほお)に流れる涙にこびりついて離れませんでした。三十八年たったいまも、その時の土ほこりのように心の中にこびりついているのは、朗(ほが)らかで歌の上手な十九歳の少年航空兵出の人が、出撃の前の日の夕方「お母さん、お母さん」と薄ぐらい竹林のなかで、日本刀を振りまわしていた姿です。― 立派でした。あンひ とたちは・・・」

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