「勿体無い。なんか残念。」あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。 れいさんの映画レビュー(感想・評価)
勿体無い。なんか残念。
原作未読。
予告から戦争ものと分かっていた為ある程度オチの想像がついていましたが、、キャストのビジュを拝ませて頂く気持ちと、福山雅治さんのエンドロールの想望が聴きたくて鑑賞しました。
結論、勿体無い。なんか残念。
個々のキャストの方々の演技力はあるのに、全体で見るとなんか微妙。
感動も今ひとつ。ウルッとはくるけど、ボロボロとは泣けず。戦争ものと分かっていた為、涙腺の期待値が上がってただけかも知れませんが。せっかく想望がいい歌だけに感極まれず、勿体無さが、、。
私教師になりたいってところが、より一層、あー。って(嫌な予感の予想通り過ぎて)盛り下がってしまったのもある。
福原遥さん、水上恒司さんの演技力も実力もあるのに無駄遣い感が否めず、、。
原作は読んでいないので分からないけれど、脚本の問題なのかな、、。
とにかく最初と最後の百合の性格の変わりようが、、悪い意味での振り幅。初っ端、魚臭い。と母親に言い放ち見る、あの目とあの態度。机バンして物凄く気怠そうにキツい性格してたと思えば、、最後はもう、あんなになってて。え、あれ?性格違い過ぎんか?え、なんか、え。どしたよ。って感じで。
(まぁあの経験を経て考え改まって変わったと言えば丸く収まるかもですけど。)
最後、感動のお涙頂戴展開はお決まりなんだから、、あそこまでキツい感じ出さなくても良かったのでは?と思った。性格の変わりように、こちらが、戸惑う、引くレベル。
あと、いくらタイムスリップしていて戦争なんて、と思ってるとは言え、百合の空気読めなさ過ぎの言動が多々あり、観ているこっちが冷や冷や。違う、今じゃない、って感じ。
キャラメルのくだりもそう。なかなか手に入らない貴重な軍粮精をこっそり持って来てくれたってツルさんから聞いたんだから、そのニュアンス的に、みんないるところで、キャラメルありがとうございます、と言わない方がいいのが分からないのか。
他にも、おいおい、このタイミングでこの言動は、、、現代でもお前弾かれんぞ。って言う空気読めない奴を見ているようで冷や冷や。
百合の性格に普通にイライラしてしまった。真っ直ぐさとして受け止めきれなかった。(彰が受け止めてたからいいんだろうけど。)
それと普通なら、タイムスリップして来たって信じてもらえずとも、皆んなに必死に訴えて説明しないか?日本は負けるってあんなに訴えるなら、未来から来ましたとか何とか訴えかけれんか?って思ってしまって、没入観薄れ。一言くらい発してもええやん。なのに最後まで頑なに言わないの謎過ぎ。いや、言えよ。って思っちゃった。
ツルさんだって、あの時代に生きてる人間が用語等無知なのに対して、百合に対し多少は疑問に思わないのか?と観てるこちらが疑問に。少なくとも教えたりしてたよね。事情があるんだろうなってツルさんが百合に気を遣って深掘りしなかったパターンなのか?
それにしても、タイムスリップしてるにも関わらず、もがくこともせず心身喪失どころか、秒で現実受け入れてツルさんのとこで働いて。葛藤がミリもない。適応能力はや。って驚いた(笑)
自分なら目覚めてあの景色見た瞬間、ケータイどこ?!!?!って血眼になって探しますわ。
極め付けは、お涙頂戴引き出す為とは言え、あんな火の手回ってて柱が足に落ちて身動き取れなくて痛いお母さんって叫んで絶体絶命(彰が助けに来るまでがセット)なら、大怪我もいいところ。足壊死する案件よな。せめて骨折はマストだろ。何で足無傷設定でスタスタ歩いてるの。笑
最後立ち漕ぎでかっ飛ばしてチャリ漕いでたし(飛行場向かうとこ)
百合と彰がこんなにも愛すってのにも、なんか今ひとつ足りない。
2人にしか分からない気持ちがあったんか。ちょっと伝わって来なかったけど。
個人的には千代と石丸の方が尺は短いのに、この2人の方がメインの百合と彰より、すごく好きだった。
千代と石丸をあの2人が演じたから、グッとくる雰囲気が出せたのかも。人形を渡す食堂のシーンと人形と共に出撃のシーンは、うるっとしました。出口夏希さんの可愛さは終始やばい。あの笑顔はメロメロになる。伊藤健太郎さん復帰されたんですね。声が今ドラマに出てる作間龍斗さん?の声にそっくりでびっくり。
石丸以外の板倉、寺岡、加藤の役もいい設定ではあるのに、イマイチ刺さらなかった。うーん。この部隊での関係性の魅せ方が食堂だけだったからかも。
福原遥さんの透明感、、、。
肌の白さ綺麗さには本当にびっくりしました。曇り一つ、濁りもないってこう言うこと言うのかって感じ。日に当たるシーンがあれば、1秒でも太陽に照らされないで〜日焼けしちゃう〜となり、水仕事のシーンがあれば、あんな綺麗な手が汚れてしまう〜荒れてしまう〜と、汚れているシーンが比較的多かった為、あんな綺麗な肌になんて事を、、と観ているこっちが何故かハラハラすると言う。そのくらい透明感抜群で、ニベアのCM思い出してしまった。
鑑賞後、速攻、ニベアのリップ買ってしまった。
水上恒司さんは特攻隊と言う誇りと覚悟をもっている青年を演じているからか、なんかどこか狂気?じみていると言うか、、、冷静なのか冷めているのか、哀愁なのか?目の焦点が定まっていなくて怖かった。もう少し百合を見つめる目の奥の優しさが感じられれば、と思ってしまった。もう少し出して欲しかった。そしてやっぱり、あの短期間で一生一緒にいたいと感じさせる何かって、なに?ってところをもう少し深掘りして欲しかった。妹みたいだと言って不器用さもあり、多くは語らない人柄故に百合への気持ちを手紙に託したのかもしれないけども。最後の百合の花と共に飛んだのはよかった。
ツルさんの松坂慶子さんはすごい温かみがあって本当に軍指定の食堂の女将さん(最後のご馳走を作る、出撃を見送る、手紙を代わりに家族に出す、など)皆が、会えない母を重ねて想って慕う雰囲気、第二の母の存在は本当にこんな感じだったんだろうな、と感じました。ツルさんも空襲で娘さんとお孫さんを亡くしてるから重ねてたのかも知れないですね。
細かいところ気にすればキリないけど、現代の制服姿であの街彷徨いてたらどう考えても目立つし周りも疑問に思って、どこから来たのか、とか何であんな服装なのか、とか普通は聞くでしょ。って思ってしまいましたね。ハイカラ過ぎんか、服装が。勤労学生の千代ちゃんはあの格好ぞ。
あと、初めて愛した人であんなに想って泣いて別れて、下手したら人生の全てみたいな相手に出会えたんでしょう?なら、現実世界戻って来たら速攻、スマホで佐久間彰って検索しない???自分だったら絶対するんだけど、って思った。描写なかっただけで検索してる??それをタイミング良く社会科見学だー、トイレ待ちだー、で、そんな資料館で見つけるなんて。タイミングが素晴らしすぎる。映画だから仕方ないけど。
それに夜家飛び出して、雨宿りとは言え、あの薄暗い防空壕の中入ろうとするのちょっと理解出来ないし、普通に怖い。女子高生が一晩帰って来なかったのに、母親が、どこにいたの?いや、聞かない!って。ん。何故に??いや、聞けよ!!なんで聞かないのって思っちゃったのは私だけなのかな。普通に、ん?って感じちゃった。未成年の女子高生なんだから下手したら警察届けてた事象でしょう、これ。
ありきたりな戦争映画で泣けはしなかったですが、現代のSNSで見ず知らずの人とリプやコメントで意見ピキり合ったり、執着している事が当たり前に溢れ見かけるこの世の中、なんか馬鹿馬鹿しいな、とは思えました。現代は悪い意味で他人に興味ありすぎてるな、と。
また戦争により亡くなった方々がもし全員ご存命である未来があったなら、亡くなった方々はどんな人生を歩んでいたのだろう、日本の今はどう変わっていたのだろう、どんな人と自分は出会えていたのだろう、と、出会えなかった人達を想って悲しくなりました。