「ドキュメンタリーにまとめると、強いチームワークが際立つ」憧れを超えた侍たち 世界一への記録 みかずきさんの映画レビュー(感想・評価)
ドキュメンタリーにまとめると、強いチームワークが際立つ
本年6月の劇場公開を見逃したので、TV放映で鑑賞した。本作は、本年3月のWBCで優勝した日本チームの軌跡を、2021年12月の栗山監督就任から、代表選手選考会議、事前合宿、強化試合、WBCでの試合経過、ベンチ、ロッカーでの選手の喜怒哀楽、苦悩と葛藤、そして歓喜の瞬間までを、克明にカメラで捉えた感動ドキュメンタリーである。
全編を通して際立つのは、栗山監督の指示、コメントの出し方である。選手達のショートコミュニケーションである。
栗山監督は、ああしろ、こうしろという指示だけでなく、必ず理由を付ける。こういう状況だから、こうなると困るから等、短い言葉ではあるが理由を付ける。自分の想いを相手に理解納得させるためであり、コーチ、選手達との相互理解、相互信頼を築いていくためには大切な一言=+αである。
選手達は、試合中であれ、練習中であれ、短い言葉のやり取りを頻繁に行なう。選手間のコミュニケーションは、選手間の相互理解、相互信頼を築いていくためには大切である。
以上の二つの際立ち点が、チーム全体の意思疎通を潤滑にして、今回の侍ジャパンのチームワークを本大会での試合を重ねる毎に強固にしていったと推察できる。
チームワークの強いチームは勝負強い。その象徴がWBC史上ベストゲームと言われる準決勝のメキシコ戦である。3点を取られて、ベンチで悔しさを爆発させる先発・佐々木。9回裏、先頭打者として2塁打を放ち、2塁ベースで日本ベンチを鼓舞する大谷。不振の村上の覚醒サヨナラ打。結果は分かっていても感動が蘇ってくる。
決勝のアメリカ戦。最終回でのトラウトと大谷の対決は何度観ても胸に迫る名勝負。そして、歓喜の瞬間。夢が正夢になった瞬間。
終盤で、密着取材したインタビュアーが栗山監督に、良いチームになりましたねと尋ねるシーンが印象深い。大谷翔平に代表される個の力は素晴らしかった。しかし、それ以上に、強いチームワークこそが優勝の決め手だったと本作は示唆している。
コメントと共感ありがとうございます。
こまめなコミニュケーションを重ねた相互信頼、本当にそうですね。
栗山監督だったからと思わずにはいられません。
本当に素晴らしいチームでした。
またあのチームが観たいですが、新しいチームになっての次のWBCも楽しみですね。
みかずきさん
コメントありがとうございます。
コミュニケーションを重ねて紡がれたチームワークがあってこそ、個の力がさらに引き出されるんですね。
このレビューで三たび感動が蘇りました。
みかずきさんの、熱い想いがビシビシ伝わってきます。
この出来事はもう野球以上の“何もかもが“詰まっていましたね。
私は北海道移転以来ずうっと日本ハムを応援しているので、
感慨深さもひとしおでした。
責任感が強いのにプレッシャーに弱いダルビッシュ有。
日ハムを出てアメリカへ渡る際の会見で、
「必ず日本に帰ってきます」
その約束がこんな形で果たされるとは思いませんでした。
監督の栗山英樹さんの人間力が大谷に受け継がれ、近藤を輝かせ、コーチ陣も日ハムの関係者。
国力が落ちて情けない国、日本の若者がこんなに素晴らしいと
実感して誇りに思い嬉しかったです。
子供たちにこの経験が、伝わったでしょうか?
伝わっていますよね。
素晴らしいレビューを、
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。
勝負の世界ですから、努力(チームワーク強化のためのコミュニケーションも含む)が最高の結果に結びつくとは限らないですが、栗山監督は負けていたとしても後付けの理由はきっと一切語らない。その時、ベスト(だと思う)決断をしたのは自分なのだから、何が起きても起きなくても、他の誰のせいにもしない。
大谷選手のリーダーシップも根本は同じなのだと感じました。