「この映画には他の大会は出てこなかったけど、今回大会だけではなく第1回大会からの激闘も思い出されて非常に感動した。」憧れを超えた侍たち 世界一への記録 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
この映画には他の大会は出てこなかったけど、今回大会だけではなく第1回大会からの激闘も思い出されて非常に感動した。
今回大会は全試合見たけど、TV放送されている部分しか見ていなかったから、舞台裏にもいろんなドラマがあったことがわかってよかった。
やっぱり舞台裏のMVPは栗山監督だと思う。
今大会の全てが栗山監督が選ばれたところから始まっている。
どんなチームにしたいのか、どう戦っていくのか、選手やコーチ選び等、何から何まで栗山監督の頭の中から始まっている。
初めはどんな結末になるのかわからなかったし、何が起ころうと、どうなろうと最終的には栗山監督の責任になるから、プレッシャーもすごかったと思う。
今回はNPB全面協力で、MLBも協力的だったから選手集めは多少楽だったのかもしれないけど、いろいろ大変だったと思う。
ダルビッシュは前回優勝時の胴上げ投手だから来てくれたと思うけど、大谷は新人の時から日本で一緒にやっていた栗山監督でなければ来てくれなかったかもしれない。
大谷なしでは今回の優勝はありえなかった。
大谷の名言でこの映画の題名にもなっている「憧れるのをやめましょう」というのも大谷が独自で考えて言ったのかと思っていたが違っていた。
その前に栗山監督の話があって、その中で同様のことを言っていて、その流れを受けて同じことを言っただけだった。
その他のこともTVを見ている限りでは選手が個々で戦って勝ったみたいな印象だったけど、選手起用からコミュニケーション、作戦から名言まで、栗山監督の手のひらの上という感じだった。
でも確かに栗山監督は今大会の舞台裏のMVPだと思うけど、それができたのも、これまでの大会で戦ってきた人のおかげという面もあると思う。
以前の大会で戦ってきた人達はもっと大変だっただろうと思った。
特に第1回大会の王監督の時は想像を絶する感じだったかもしれない。
日本中の期待を集めてプレッシャーも今とは比較にならなかっただろうし、本当に何もないところから始まったので、何をどうしていいかわからない。
一時はMLBともめて大会不参加も検討された。
なんとか参加することにはなったけど、依然としてMLBは自分の大会なのに非協力的だったし、NPBも非協力的で、そんな訳の分からない大会に高いお金を払っている選手は出せないという感じだった。
実際はどうだったのかよくわからないけど、外から見ていると王監督の孤軍奮闘という感じで、なんとか選手は集まったけど、国際試合のノウハウは全くない。
あの頃はよくわからない方式で多少負けてもよかったから、勝ったり負けたりを繰り返しながらノウハウを獲得していったような感じだった。
アメリカに渡ってからもボールの違いはもちろんだけど、ストライクゾーンの違い、知らない球場でのアウェー感、審判のえこひいき判定その他いろんなことがあって一度は死にかけた。
絶体絶命のところで、奇跡的にメキシコがアメリカに勝ってくれて何とか生き残って優勝した。
だから1回大会の優勝はメキシコのおかげと言っても過言ではない。
今回大会の優勝も、いろいろ強そうな国を倒してくれて、日本に負けてくれたメキシコのおかげのような気がしないでもない。
この映画には他の大会は出てこなかったけど、今回大会だけではなくそういう第1回大会からの激闘も思い出されて非常に感動した。
この映画を見た後は侍ジャパンアンセム「結束」とあいみょんの「さよならの今日に」のエンドレスリピートになった。