「実話とは全く異なる映画」エリザベート 1878 josephineさんの映画レビュー(感想・評価)
実話とは全く異なる映画
エリーザベトが好きで歴史をよく知っています。
この映画ではシシィが頭のおかしい人のように描かれていますが、実話は姑からの酷いイジメにより鬱になります。夫は助けません。
そこが一切描かれておらず、歴史とはまた違う話しでした。
実話では守ってくれないマザコン夫フランツに嫌気がさし、姑にも反抗を続け寝室を別にします。
後継者作り以外で映画のような体の関係はないと思われます。
シシィは仕事として子どもを作るも、大切な子さえ姑に取り上げられます。
子どもが生まれ希望ができたシシィでしたが姑が育てる事になり絶望が進み、ウィーンにいられる精神状態では更になくなってしまいます。
離婚したくてもそれは許されず、自分のような人の心を救うために精神病院に力を注ぎます。
シシィはこの時代で精神科というものを大きくし、たくさんの人を救いました。
今ある精神医療もシシィの貢献があったからだと言われる程です。
夫フランツと姑ゾフィーとの食事が喉を通らなくなり、拒食症になります。
旅に出て自分を守りますが、教育という名の虐めのターゲットがシシィを慕って尊敬していた息子ルドルフに移ります。
義母ゾフィーにとってかわいい孫になるはずでした。
ルドルフは姑が親権を握っているような状態で育ち、大好きなシシィとの接触も制限されついに限界がき、自殺してしまいます。
シシィはこれがキッカケで喪服しか着なくなり、絶望がまた進みますが自死は選びません。
守るべき娘がまだいますから母としてちゃんと生き続けます。
フランツはシシィの容姿が大好きで家にいて自分を満たしてもらいたいと願い続けます。
しかしシシィ以上に母ゾフィーを愛しているフランツ。
いじめから助けない代わりに旅費を出してあげていましたがある日、帰ってきてほしいためにもう税金で旅をするな、国民に嫌われてるぞと嘘を言い脅します。
しかしシシィは怯む事なく株を学び大成功し、自分のお金で旅を続けます。
税金には一円も手をつけなくなりました。
帰っても心は守ってもらえない。
体だけ遊ばれるために生きているのではないと決して自分を下げることはしませんでした。
フランツは庶民の若すぎる女を気に入り不倫していました。
若すぎる相手で、庶民はやめてほしいとシシィは願いフランツの好きな女優にお金を払い愛人契約をします。
フランツに自ら紹介し、うまくいくよう恋愛相談に乗り2人をいつもくっつけました。
シシィはそれほどにフランツとの肉体関係を嫌がりました。
株の成功額はフランツも驚くほどの額で
遺産がものすごい大金だったそうです。
嫁いびりが一生続いたのに、義母ゾフィーの介護をしたのはたったひとり、シシィでした。
これからわかるものはエリーザベトはマリア様のような優しい女性だったと言う事です。
普通、息子まで殺された義母に優しくなんてできませんよね。。
死ぬ間際にゾフィーは謝罪をし、和解をしています。
シシィが自死をしなかったのはゾフィーから守りたい娘がいた事、守りたい国ハンガリーがあった事、女性として自分を守り続けたことが大きかったと思います。
夫はシシィが大好きなハンガリーを嫌っていましたが、後に自国はハンガリーに救われます。
頭がおかしいのも精神病なのもシシィではなく
フランツとゾフィーの親子共依存関係が起こした歴史の悲劇がエリーザベトだと思います。
今でも姑いじめは問題視していくテーマだと思います。
いじめをしている人や助けない人が観て変わっていけばシシィも報われると思いました。(そこを描いて欲しかったです。
好き勝手やったわがままプリンセスみたいな内容の薄い映画に驚きました。
まあ、ゾフィーが登場したらシシィの美しい話から、どろどろのいじめ劇になるでしょうし
フランツはただのモラハラマザコン夫で綺麗な映画にはなれない。
そこはシシィが好きな故描きたくなかったのかな。
ルートヴィヒ2世とはいとこで親友でもあり、ルートヴィヒの唯一愛している女性でした。
彼はシシィに近づくために妹と婚約しますが、シシィ以外と性行したくない事を理由に破棄します。
シシィを求め続けますが、自分の立場を弁えていたシシィは親友でいることを守り続けます。
ルートヴィヒに何かあったら嫌だったのもあると思われますし、彼が亡くなった時に暗殺だと主張しています。
映画のように彼を誘う事はなかったでしょうし、あったとしたら逆だったかと。
シシィには妹の婚約を破棄し一回絶縁されています。
必死に戻した縁。次怒らせたら終わり。
そんな状況だったから彼も親友でいる事を頑張ったのではないでしょうか。
それほどにシシィを愛していました。
2人が結ばれたら幸せだっただろうな。
御世話係の女性の結婚を反対しますが退職を希望されて後々許します。
更に旦那さんも城に雇ってあげます。
そこも描かれず事実とは違う内容でした。
なんでもシシィを自分勝手な頭の悪い遊び人風に描いてあることが不思議でした。
歴史をあまり調べずに映画にしたのか?
と思うシーンが多々あり。
シシィが美に取り憑かれたキッカケは
姑ゾフィーに見た目を批判されたことで醜形恐怖症になったからです。
とまあこんな感じの実話とは、かけ離れた内容の映画でした。