劇場公開日 2023年8月25日

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「宮廷パンク / 美尻トレーニング大事ですね」エリザベート 1878 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0宮廷パンク / 美尻トレーニング大事ですね

2023年9月1日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

ヨーロッパの王室のことは複雑で全然覚えられないシャルルⅢ世です。あはは。
でも、面白かったです。
音楽もシャレていたし。
エリーザベト・フォン・エスターライヒ(1837 - 1898)は、オーストリア=ハンガリー帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世(ハプスブルク家)の皇后。愛称はシシィ。1878年の40歳時の彼女のエピソードを扱った作品。背が高い痩身の美女で、体形維持に並々ならぬ努力をなさったらしい。原題はCorsageでコルセットのこと。キュツキュツと絞りあげたウエストの細いこと。馬術やフェンシング、吊り輪(トレーニング機具)で鍛えあげた痩身ヒップラインに魅せられました。案外ぽっちゃり童顔の人は老けないもんですが、このての美人さんはそりゃ老けますよ。タバコも吸うしね。紙巻タバコでした。葉巻じゃなくて。あの紙巻タバコは日本でいえば菊の御紋に賜の字が入ったハイライトみたいなもの。傷痍兵のベットに添い寝しながらタバコ吸うシーンはなかなかパンキーでした。時代考証にこだわっている映画ではありません。どう見ても現代風のトラクターをドーンと出しちゃうんだから、そっちは気にするな!エリザベート自身(ビッキー・クリープス)を楽しんでくれというメッセージと受け取りました。
なかなか、自由でパンクな映画。流れとしてはダイアナ妃のスペンサー ダイアナの決意(クリステン・スチュワート)とかヘイリー・ベネットの Swallow/スワロウに近い感じ。
とても高貴な方には見えないビッキー・クリープス。容姿の衰えを悲観するような柄じゃない。むしろ、熟女の武器を駆使して好き放題です。
なかなか変わったお妃で、7歳年上の旦那(映画では一回り以上に見える)も手を焼いていたご様子。惚れた弱みですかね。フランツ・ヨーゼフ1世は公務で多忙でお疲れ気味。背も彼女より低くて可哀そうに見えました。
フランツ・ジョセフ1世は実質的なオーストリア最後の皇帝で在位も長くて人気があるのも、発展家の悪妻に耐えてよく頑張ったよな~的な同情票が多いためらしいです。
当時40歳と47歳ですね。
だめですよ。自分の旦那と比べちゃ。
この時代、女性の平均寿命は40歳というセリフが挟まれます。40歳を過ぎて顔のシワが急に目立ってきたのを気にして、ほぼ顔全体を覆うような黒いベールを着けていました。妹を影武者にしたりして、ずいぶん迷惑かけますが、辛抱強くシシィを支えてくれます。ダメな旦那を置いて、好きな時に夜逃げ同然にすきなところにいって、素敵な男子と○○してみたいわと、ついつい妄想は膨らんじゃいますな。ちょっと気弱な息子は心配しつつも優しくしてくれるし、かわいい娘も慕ってくれる。お手伝いさん(女官)は使い放題。
モルヒネ?ヘロイン?なんかも打っちゃう。
何が不満なんだ!って怒りたくなりますが、それを言っちゃおしまいよ的な映画でした。

監督のマリー・クロイツァーさんはどのくらい満足したのでしょうか?とりあえず、カンヌ国際映画祭でビッキー・クリープスが主演女優賞貰えたのでおめでとうと言いたいですね。
私のすぐ後ろの60過ぎのとても品のあるおば様二人組(姉妹?)は終わったあと、あれはどーなのかしら、こーなのかしらと、ずいぶん首をかしげていらっしゃいました。きっとエリザベートの映画や演劇をたくさんご覧になっていらっしゃるからこそなんでしょうね。

カールⅢ世
満塁本塁打さんのコメント
2023年9月1日

私は、歴史の流れよくわからないで、堪能しました。でもトラクター気づかず。身長差は思い切り感じ入りました。上品な年輪を重ねた御婦人にはとても鑑賞眼は敵いません。熟女の魅力溢れてましたが、タバコの🚬シーンは確かに良い意味でイカれてました。イイねありがとうございました😊

満塁本塁打