インスペクション ここで生きるのレビュー・感想・評価
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海兵隊はOorah!
ゲイであることで16歳の時に母親から見限られ25歳まで一人で生きて来た青年が、自分の居場所を求めて海兵隊に入隊して巻き起こる話。
ゲイであることは隠して入隊したもののシャワー中にモンモン妄想しちゃってバレてしまい、他の新兵や教官から厳しい仕打ちを受けることになっていくストーリー。
壮絶といえばそうだけれど、他にも厳しい扱いを受ける人物やフラットにみてくれる教官もいて、何だかその程度?という感覚も。
主人公の人間性のお陰で何とか訓練期間も終盤を迎えて、ラスト20分というところで、は!?バカなの???まあ、上手くまとめてはいたけれど。
結局のところ母親は終始クソ過ぎるし、何でそれでも母親にこだわるのかは良く解らないし、そこに感動はできなかったけれど、テンポが良いし展開が上手く流れていてなかなか面白かった。
観たい度◎鑑賞後の満足度◎ LGBTQ+版『愛と青春の旅立ち』かと思ったら違った。「LGBTQ +映画」とすら言えないと思う。普通の若者を殺人マシンに鍛え上げる人々の方が偏見がないという皮肉。
①この映画が、息子がゲイであることを一生受け入れられなかった母親に捧げられていることでもわかる。LGBTQ +(そろそろ止めません?このカテゴライズ。同じ人間なんだから。)の人、それを偏見なく受け入れる人、がいるのを認めるのであれば、それをどうしても受け入れられない(偏見からではなく生理的にとか宗教上の信義からとかで)受け入れられない人がいる、ということも認めなければ本当の意味で平等の意味がないのではないか、とも思わせてくれた(私、何か理解不能なこと言ってます?)。
②教官達が海兵隊志願者を罵詈雑言で迎えるシーン、何かというと腕立て伏せをやらせる訓練シーン、修了式シーンは『愛と青春の旅立ち』をまんま思い出させる(あちらは士官学校だったのでもっと華があったが)。
40年経ってもやってることはあまり変わらないな(当たり前か)と思ったが、教官の罵詈雑言の中に流石に差別的スラングは減っているようだ。
ただ、ここ40年でUSAの軍隊が抱える問題が更に複雑怪奇になっているのは確か。
③自分の半生を描く映画で長編デビューしたという監督の演出はなかなか達者。
それぞれ個性的な訓練生たちを上手く描き分けている。
出演者で印象的なのは主役のジェレミー・ポープは勿論母親役のガブリエル・ユニオン、そして鬼教官役のボキーム・ウッドバイが映画を締めている。
④正確に言うと、教官達はLGBTQ +(自分でまだ使っていますが)含めマイノリティーへの偏見・差別云々よりも国防の為にマンパワーとして必要なのが実情。
USAの保守層はそれが分かっていないのかね。
他国に加え国民の安全保障意識が格段に低い日本ではどうかというと、自衛隊員希望者や警官希望者が不足している。
日本の経済が後退・停滞しているのはマンパワー不足が大きな要因の一つ。
移民の受入れに対して非常に消極的なのにマンパワー不足が更に進む日本。
LGBTQ +の人達は一定数いるのは最早明白な事実なのだから、人権問題としては勿論マンパワー不足の対策としてそういう人達が肩身の狭い思いをせずに自分の能力をフルに発揮できる社会を目指すべきなのに「生産性がない」だの「そういう人たちなどいない」
だの言う政治家等がまだいる日本という国は情けない。
映画の内容とは直接関係ないけれども、こういうことを考えさせる本作ではあった。
ストレートでもゲイでも、ブラックでもホワイトでも一生懸命やることだな
A24って真面目な作品も作るんだなぁと思ったのが観終えたときの感想でした。
詳しくは知らないけどUSマリーンって最強部隊なんでしょうね。理不尽と思える教官のしごきですが、死に直面する戦線へ送り出すことを考えればそぐわない者をふるい落としにかかるのはやむを得ない。
そんな中、フレンチは差別、いじめ、母の無理解など諸々の困難な局面にぶち当たりながらも歯を食いしばり頑張り、無事卒業の時を迎えることができた。
最後には母親も顔を出し、互いにわかり合えることができたかと思わされたが、それは叶わず、だけど頑張りを認めてくれた仲間たちとの絆は固く結ばれた。
認め合うことって素敵だな、手を抜かずに頑張ることは大事なことだなと思わせてくれる作品でした。
それにしても母親へ捧げるとエンドクレジットに出てはいたけれど、家の中はゴミだらけ、タバコの灰は落とし放題、車の中もグチャグチャで、描き出される母親像からは結構闇を抱えた関係性だったのかなと悲しみも残りました。
救いのなさと、リアルさ。
愛していると言われるが
けして受け入れられない、親との関係性。
自らのセクシャリティ。
マイノリティであることの生きづらさ。
それを受け入れて、自ら生きていく場所を探し出し
自分の力で生きていくという覚悟。
過剰すぎることなく描かれて
個人的には、リアルな感じがした。
こういう世界もあると知ることができる作品。
考えるきっかけになれば良い。
マイノリティ
1992年に「DADT」が規定され、撤廃と設定が繰り返し行われてきたアメリカ。
現実的には軍隊に入隊する若者が集められたし、昔から在籍したのだろう。
入隊志願者が少なく足りない。
約30年前からアメリカでは性的マイノリティが
対処されてきたんだ。日本はここ最近。
発言がしやすくなったからだろう。
主人公フレンチは同性愛者。母親は保守的な
クリスチャンで刑務官。
息子の事で葛藤し苦しんでいた。
フレンチ自身も苦しんでおり、16歳で家を出て
シェルター暮らし。家が無い。
自分の存在意義を確かめる為に海兵隊へ。
過酷な訓練にあい、早い段階でゲイである事が
周囲に知れ渡り差別を受ける。
これが観ていてしんどい、心も折れそう。
また特殊な環境の場所だし。
孤立する中、暴力と憎悪に立ち向かっていく
フレンチはどう思っていたんだろう……
卒業する時母親が来てくれたのは嬉しかった
だろう。だが彼女は彼がストレートになった
のではと発言。悲しいね。
自分がインスペクションされる場所で生きていく
のを決めた。自分の存在を、私はここにいると
叫んでるんだね、フレンチ。
それで、終わり?
目も当てられないくらいの悲惨な状況で、想像を絶するような過酷な試練があって、見ているこちらの神経がヒリヒリするような内容かと思っていたら、予想していたよりかなり薄口な内容で肩透かしを食らったような感じ。
なんか物足りないというか、この程度で映画化しちゃうんだ、と思ってしまった自分は、性根が腐ってるのだろうか?
挫けないことの対岸
本作のPR記事ではエリスが性的マイノリティであることが強調されているが、ひとたび海兵隊の訓練施設の中に入った訓練生達は皆、成績や素行はもちろん各自のマイノリティ要素や弱点を日々あら捜しされ、攻撃される。訓練所の慣習を「誰もが味わい得る苦難」として描くことで、本作がエリスだけの物語に留まることなく普遍性のあるドラマになっている点に魅力を感じた。
エリスが自分を認めて欲しいと母に度々縋る姿は、一途で純粋なものだった。子供が親に向ける自然な欲求でもあり、かけがえのない人にこそ自分のありのままを受け入れて欲しいという願いでもあるのだろう。
ただ、母がエリスを認めないのは信仰ゆえで、キリスト教徒としてのルールに従っていることを踏まえると、エリスの要求は彼女の秩序や道徳を破壊することに等しいのではないかと思えた。彼女もまた楽ではない人生を歩んで来たことが窺える人物で、彼女の人生を支えてきた価値観は彼女にとっての尊厳でもあるのではなかろうか。
認めるか認めないかの二択に徹し、互いの主張の背景を理解しようとすることや落としどころを見つける作業が欠けたエリスと母の平行線のやりとりは、痛々しくもあった。
10年間のホームレス生活、訓練施設での生活、海兵隊での任期…と、決して易しくない道を歩んだエリスの「挫けない」タフさを描いた作品ではあるが、その頑なさが少し恐ろしくも感じた。
秀逸な光の使い方。ある種、異常な光景を観ているのに、神々しく美しく...
秀逸な光の使い方。ある種、異常な光景を観ているのに、神々しく美しく感じてしまう。この世界の厳しさと優しさ、そして怖さを内包した作品。
最後まで自分でいることを諦めない姿勢が眩しい
序盤から、フルメタル・ジャケットさながらの訓練シーン。「同性愛者版の微笑みデブか?」なんて思ったりもしたけどそんなことはなかった。笑
同性愛者であることがバレてから、風当たりはさらに強くなり、スクリーンを直視するのが怖くなるくらいの緊張感のあるシーンの数々。
そんななかでも、自分自身や仲間と向き合い、ひたむきに努力をして前を向き続きた主人公の姿が眩しい。ときに涙しながら、くじけながら進んでいく主人公の姿に思いっきり感情移入した。少しずつ、その姿勢が報われていく展開に心が救われた。
最後、母との会話シーンで仲間たちが「俺たちは仲間だ」と言うところ、「諦めずに向き合い続ければ認められる」ということの証明だったと思う。
やり遂げられたからこそ、主人公は母親に対しても「母さんとの関係を諦めない」とブレずに言えたのだと思う。どこまでも、諦めない姿勢、とてもカッコよかった。
母さんとの関係は、私が最初に思い描いていたよりも難しく、複雑な問題だった。
母の、「あなたを愛している。いつまでも愛し続ける。でも、受け入れることはできない。」というセリフ…。
宗教や信条が関わっているので、私にはその心情があまり理解できなかった…。1番の理解者であってほしい親に、そんなふうに勘当されてしまったら、私なら絶対立ち直れない…。
主人公も仲間たちも士官も、訓練所という場所柄言葉は少なくいつでも厳しいけど、そのぶんトイレのシーンやあの優しい士官の廊下でのシーンなどプライベートになったときの人間らしさが際立っていた。
同性愛者の主人公が訓練所で直面する、シャワーやトイレや夜の見回りでのあれそれ…監督の実体験が、リアルに再現されているのだろうなと思って、感慨深かった。
あと、2005年ってつい最近のはずなのに、同性愛者に対する風当たりってここまでのものだったのかと驚き。
1番印象に残ったのは、なぜ海兵隊になりたいのか問われたときの、
「このまま死ねばただの宿無しのゲイだが、制服で死ねば英雄になれる」というセリフ。
苦難の多い環境下においても、誇り高く生きたいという、もがきがひしひしと伝わったシーンだった。
シゴキ、シバキあいの日々。
ゲイであることから母に捨てられた息子の話。
海兵隊へ入隊し、あるシャワー時の事、同期仲間のバディを見た事でムスコが反応してしまいゲイとバレる....上官とのシゴキあい、同期とのシバキあいの日々を送る事になってしまったフレンチのストーリー。(監督自身の半生)
現代では同性愛って認められがちだけど、2005年頃ってこんな感じだったんですかね!?
根本的に私の性格は人は人、自分は自分って考えだし可愛い女子は別として他人に興味もないし干渉もしない私なんですが...。
ただシンプルに思ったのは母親に対してなんだけどゲイの息子でも息子は息子、ちゃんと受け入れてあげてよ!と思った。
海兵隊の修了式に母親が見に来てくれたのは良かったけど、ゲイの話になったとたん母親の顔色が変わり帰ってしまったのはどうかな?と思った。
周りの同期達はゲイのフレンチの事を認めてた雰囲気は良かったけど。
観る順番を間違えた様でトランスフォーマー先に観たもんだから☆3評価になちゃったのかな?(笑)
痛々しいけれど小さな希望がともったように美しい
愛されたくて、認めてもらえなくて、何かをなしたくて成せなくて自信を無くし、それでも愛する人がいて生きようと苦悩する。隠していれば親子関係は修復できたけれど、自分であることを認めてほしくて、結果的に厳しい選択をする。
南部はこんなにも保守的で狭窄的なのかと、この時代こんなにも軍は非人道的で厳しかったのかとぞっとする。少数派が自己を主張することも許されず、見なかったことにして抹消する世界。
痛々しくてつらい場面が多かったけれど、ほんの小さな良心に励まされて支えられてがんばろうと奮起する主人公がいとおしい。不器用で狭窄的で愚直。歪んだ世界で蔑まれても優しさを忘れず、それでも苦難をともにしたことで一応の居場所と尊厳を手にする。限られた世界で得た尊厳だけれど国民としての誇りと自信を回復して前を見つめる姿は痛々しいけれどすがすがしくて小さな希望がともったように美しい。体力と精神力がいるが素晴らしい作品に出会えました。
母から疎まれ 16歳でホームレス このままだと死ぬか犯罪者になって...
母から疎まれ
16歳でホームレス
このままだと死ぬか犯罪者になってしまうからと
26歳で海兵隊を志願した青年。
軍での過酷な訓練
閉鎖的で差別、偏見や憎悪の中
"生きるため"
"居場所"を見つけるために
自らを奮い立たせ立ち向かっていく。
2005年のアメリカが舞台
監督自身の実体験を克明に描いた作品
息子がゲイである事を受け入れられない母
(宗教的なことか、時代背景なのか)
(私には理解ができなかった)
そんな母に対して諦めず向き合おうとする姿
2人の関係に胸が痛む
クィア
2023年7月13日
映画 #インスペクション #ここで生きる (2022年)鑑賞
海兵隊の新兵へのしごきとその中で生き抜くゲイの青年のお話なんですけど、LGBTQの問題だけでなく、宗教的な背景が大きく影響しているのが興味深いです
なかなか、奥深い映画でした
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
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