星くずの片隅でのレビュー・感想・評価
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香港の夜景はいつどこで見ても目に沁みる
新鋭ラム・サムが単独でメガホンをとり、コロナ禍の香港の片隅で生きる人々の孤独な心を、やさしい眼差しと美しい映像で紡ぎ出したヒューマンドラマです。カンフーの達人や凄腕の刑事、マフィアのボスや殺し屋たち、そして滑稽な小市民や幽霊も出てきません。本作の主人公は、不器用でやさしい中年男と、ずる賢くも憎めない若いシングルマザーなのです。
誰にも気づかれずに街の片隅で生きていた中年男が誰かのヒーローとなり、幼い娘のためにも生き直そうとする若い母がヒロインとなる。こんな時代だからこそ、一歩近づいてお互いを見つめ、助け合う姿が、小さな希望を与えてくれます。中年男を演じたルイス・チョン、若いシングルマザーを演じたアンジェラ・ユンが素晴らしい。
あることがきっかけで窮地に追いやられてしまうふたりが眺める香港の夜景は、「男たちの挽歌」(1986)でチョウ・ユンファ演じるマークが「いつどこで見ても目に沁みる」と呟いたように、コロナ禍であっても、やっぱり美しい。
コロナ禍のドラマ
ドキュメンタリーみたいな映画だった。
健気に生きるシングルマザーと娘。清掃業の社長はかなり良い人だ。ついでにキムタクと憲武を足して2で割ったような顔だった。
最後の抱き合うシーンは泣けました。当たり前なんだけど万引きしなかったことは成長しました。
貧乏でも小さな幸せな家族になるといいな。
お金は大事に!改めて痛感しました。
【”俺たちは塵より小さい。けれど、不幸は永遠には続かない。”貧富の差が顕著になったコロナ禍の香港で支え合い生きる善良なる心を持つ清掃員の男とシングルマザーの関係性の変遷を優しき視点で描いた作品。】
■2020年、コロナ禍で静まり返った香港。
清掃会社”ピーターパンクリーニング”を営むザク(ルイス・チョン)は消毒作業に追われる日々を送っていた。
ある日、若いシングルマザーのキャンディ(アンジェラ・ユン)が職を求めてやって来る。
幼き娘ジューのために慣れない仕事を始めるキャンディだったが、富裕層の客の家でマスクを盗んでしまい、一度は馘首されるが、貧しさ故にまともに暮らせないキャンディを見るに見かねてもう一度チャンスを与える。
キャンディも心を入れ替え真面目に仕事に打ち込むが、ジューが溢してしまった洗剤を補填するため、ザクに内緒で洗剤を薄めて使ってしまう。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・今作では、”ピーターパンクリーニング”に清掃を頼む富裕層は一切出て来ないが、ザクとキャンディが清掃する部屋を見れば、富裕層の家だと直ぐに分かる。
そして、頻繁に出て来る”欧米への移住”と言う言葉も、香港の貧富の差を示している。
・ザクは、老いた母の面倒を見ながら忙しくも真面目に清掃業務をする日々を送っている。そんな彼が、幼き娘ジューを育てるキャンディを見る眼が変わるシーン。
”何で、シングルマザーになったんだ?妊娠したら彼が逃げちゃって。家にもいられなくって。けれど、ジューを産んで良かったと思ってる。”
ー この辺りから、ザクは心根の優しいキャンディを気遣うようになるのである。-
・特殊清掃のシーンも印象的である。
ー キャンディが呟く”何で、生きて居るんだろう・・。”と言う言葉。孤独死は世界共通なのかな。切ない。だが、そんなキャンディをザクは焼き鳥屋に誘って元気づけるのである。
だが、ザクの母親も部屋で事切れている・・。-
・けれども、キャンディがザクに内緒で洗剤を薄めて使ってしまった事から、ザクは起訴され、会社は倒産。
ザクは経理作業をしていたキャンディを”友達だ。”と小さな会社の部屋から追い出し、一人で罪を被るのである。
ー そして、ザクはバンを売りディーゼル車廃棄補助金と併せ、罰金を払う。彼はキャンディの働くアダルトビデオ屋に行き、そこにジューが居る事に気付き、キャンディを”何で、こんなところに連れて来るんだ!”と一喝し、誕生日だというジューに御馳走をしてあげるのである。
そして、ジューに”お母さんと一緒に開けるんだよ。”と言いながら渡した茶封筒。
そんな、ザクにジューは抱き付くのである。
このシーンを見ると、ザクは実はキャンディとジューを支えつつ、彼も二人の存在に支えられている事が分かるのである。-
■茶封筒の中には、おそらく罰金を払ったあとのザクのほぼ全財産と思われる大金と、”これが精一杯だ。ジューをキチンとした学校に入れてくれ。”と言うメモが入っている。
その後、ザクとキャンディは出会い、キャンディはザクに抱き付くのである。
<今作は、フライヤーによると、ラム・サム監督の単独デビュー作だそうである。人間の善性をベースにしたストーリーテリングの上手さが際立つ作品である。
そして、孤独な心を抱えつつ、支え合う若き男女の姿を優しき視点で描いたヒューマンドラマの逸品でもある。>
誠実さは誰のために
孫を持つ身として、予告編でのヒロインの娘(ジュー)が口紅を塗るシーンの愛らしさに惹かれて鑑賞。そのような、微笑ましいシーンやコミカルなシーンも交えながら、コロナ禍の香港の複雑な状況を、複雑なまま鑑賞者の心に届かせた力量が見事。民主化デモがコロナと共に鎮圧されるような状況になる中で、金持ちは海外に移住し、香港に残る人々は中国との微妙な距離感を抱えつつ、苦しくてもしたたかに生きようとしている様子が、過不足なく描かれている。シングルマザーのヒロイン(キャンディ)と娘(ジュー)も、ちょっぴりズルをしながら、経済的には厳しくても、明るさを失わない。「経済的に苦しい設定なのにヒロインがオシャレすぎ」という意見もあるかもしれないが、私は、どんなに苦しい生活でも、自分の「好き」を諦めないポジティブさに好感を持った。(そもそも、できる範囲の中で、したいオシャレをするのは基本的人権だと思う)
ただ、この映画の芯は、主人公ザクの誠実さだ。タトゥーがバリバリ入った腕を見て、瞬間的に、勝手にザクをヤンキー判定してしまった自分の偏見を反省した。
マスクの窃盗や、洗剤の件でも、決してそれをうやむやにはせず、キャンディには真実を求めるものの、立ち入り調査員からは「友人」と言って逃し、顧客に対しては言い訳せずに経営者としての責任を負う。コメントしている人がいるように、あるいは、キャンディに対しての下心もゼロではないかもしれない。しかし、映像を通して伝わって来るのは、ラストシーンで、誰が見ていなくとも、汚れを放って置けずに黙って清掃する、彼自身のプライドの輝きだ。
ザクの誠実さは、ズルさを生きる術にしてきたキャンディにも伝染する。ボールプールで見つけた時計を返したのは、娘からの催促がきっかけだったが、その娘が、ラスト近くのシーンでは、ドラッグストアで歯ブラシを万引きしようとする。それを目の当たりにして、自らそれを止めたキャンディの胸の中には、目の前の損得ではない、人としての尊厳への気づきがあったと感じる。
これからもそれぞれの生活は楽にはならないかも知れない。3人は親子としては生活をしないかも知れない。けれど、お互いを大切に思いながら、これまでよりも清々しい毎日を送れるのだろうと思いながら映画館を後にした。
みんなそれぞれあるよね
みなさんのレビューを読んでいると、その時の精神状態で感じ方は変わってくるように思いました。疲れていたのか私の率直な感想は
「ふーん、そうだよね、生きてるとそういう事あるよね…」
ザクの温かい人柄、キャンディの危なっかしいけど憎めない感じ、ジューは境遇がそうさせるのか時折鋭い言葉を発する。
広い世界の中“塵よりも小さい”とある3人のドラマでした。
しかしキャンディは経済的に困窮しているはずなのに毎日違うカワイイ服を着て
おしゃれしすぎじゃない、、、??
コロナ禍の香港の街を見るだけでも
今となっては、香港の街並み、看板や歩く人の様子をみるだけでもなんだか大切な作品と期待感高まる。ましてや、少年たちの、、の監督さんの作品なのか、と鑑賞後に知って、キャンディの演出表情など、納得!と思った。
ザクは母親と二人暮らし、母親は年老いてリウマチの病があり、競馬や宝くじを楽しみにしてる。ザクは清掃会社を営むが、それも母親にお金を借りて始めたビジネスだと母の死後キャンディにいう。ザクの母親もシングルマザーだったのかな、新婚旅行に行った話は出てきたから夫は先に亡くなっただけかもだが、ザクにお金を貸すくらいにはおそらく頑張って働いてきた人。ザクは亡くなった母親に旅行も何の贅沢もさせられずと悔しくて悲しい。一生懸命働いて子ども育ててそれだけの人生だったと。母親のことがあるからその日暮らしの危なっかしいキャンディ親子に情が移っていったのかな。キャンディに対しての恋愛感情とかではなく、貧しく出口のない庶民同士の連帯、この世にいるものとして子どもを見守り育てて行かないとというかつては普通にあっだ感情が、心優しいというより真面目なザックには、コロナ禍で自分も苦しいがみんなも苦しい助け合いでやって行こうという、これ、まさに、香港の民主化闘争、少年たちの、、、と通じる香港庶民気質ではないかな。移民して香港を離れる人のことが会話の中にしばしば登場するのも。
これも、それとはわからないようにそっと香港の街中、キラキラする夜景に包んだ香港人の、助け合い自由と尊厳を守る闘いの静かな共感の映画ではないか。
俳優さんたち皆よかった。原題英語タイトルnarrow road 小さき狭き道を香港という今や鳥籠のようでさえある都市で生きていく。
監督はすでに独自のスタイル独特の質感と呼吸をお持ちで、今の香港を繊細に切り取る。次作も期待する。
コロナ禍が収束した2023年の夏に、あの頃とこの先を見せてくれた
2020年コロナ禍の香港が舞台のヒューマンドラマ。個人の清掃会社を経営する中年男性ザクとシングルマザーのキャンディとの関わり合いを描いた作品。
10年以上前に旅した香港で見た、雑多で活気のある街並みやギラギラとした夜景。私の記憶の中と香港とは異なる、切なくも美しい景色がスクリーンに映し出されていた。それはコロナ禍の新宿や身近な街で見た景色に似ていた。自粛で多くの店が閉まり、マスクや消毒が手に入りにくく、不安や悲しみや憤りが渦巻いていたあの頃を否が応でも思い出す映像だった。だからこそ、登場人物に共感したりできなかったり、やっぱり幸せになって欲しいと願ったりした。
所謂エッセンシャルワーカーであるザクとシングルペアレントのキャンディは、自らを「神様にも気づかれないような塵のような存在」と台詞にあったように、誰もが大変だったコロナ禍で、より厳しい状況にあっただろう人達だ。ただでさえ楽じゃない生活にコロナ禍が襲いかかり、懸命に生活を続けるも、家族の死・廃業・夜逃げなど、追い込まれていく様子はいたたまれなかった。二人が清掃に行く富裕層のマンションとの対比、更には彼等よりもっと貧しい人が孤独死した部屋の清掃シーンなど、厳しい格差も見せつけられ、ずしりとくる。これはありふれたお涙頂戴ものではない。
そんな中でもザクと母親、キャンディーと娘のジュ―、ちっぽけな家族それぞれの日常のやりとりは心温まるシーンのひとつであり、特にキャンディとジュ―が暮らす小さなアパートの部屋はポップで明るく、彼等だけの小さな宇宙が広がっていて、自分たちなりの幸せを見つけて何とか生きていこうとする姿には、強張っていた頬が緩む場面だった。
自分を更に不幸にした張本人でもあるキャンディの不器用さや正しくなさを受け止め、彼女を許し信じるザクの行き過ぎた優しさに、少々驚き呆れながらも、こうしたザクの行動が、彼やキャンディや彼等が生きる世界を最終的には良い方向に導いてくれるのかもしれない。そう信じたいと思わせてくれた。
主演のルイス・チョンがトータルテンボスの大村に似ている事が若干のノイズではあったが(笑)彼を含め、ザクの母親役やキャンディの娘役など俳優陣の演技が素晴らしかった。キャンディ役のアンジェラ・ユンはトップモデルと俳優を兼業しているだけあって、そのスタイルの美しさに目を奪われた。VaundyのMVにも出演しているらしく、今後の出演作や活動にも注目したい。時々話す日本語もキュートだった。
観たい度○鑑賞後の満足度◎ 中国返還後のコロナ禍の香港で地にへばりつく様に生きる独身男とシングルマザーとその娘との触れ合い。厳しい現実世界の片隅でどっこい生きている三人にささやかな希望の光が射す。
①主人公のザクが人が良すぎる。そんなんでは人生損し続けるぞ(実際損します)、と思うが変わらない。商売を畳まざるを得なくなった時やその後は流石に訳を言わないキャンディを責めるが、娘を庇っていた真相がわかると“悪かった。苦しかったろう”と謝る始末。でも、こういう人、世知辛い世の中で一人くらいいてもいいよな、と思わせる。
何故にこんなに評価が…
コロナの香港で始まる、子供付きシングルマザーと年老いた母をもつ独身男性が繰り広げる日常
子供が洗剤をこぼしたことがきっかけで、独身男性の会社は倒産 裁判にもなり罰金刑 それでも男性はシングルマザー達を助けていく 下心もあったろうに、男性の取った対応は真似できないけど…
でもだから…
応援しながら観ました
貧困母娘の家や服装がキラキラしすぎて可愛いけど、非現実がないです。(万引きで色々得ている様ですが…)
ストーリーは辛いこと続きなのに清掃屋経営の中年男性が正直者で前向きで、子供も純粋で可愛くて、『もう余計なことしなくていいから早く幸せになってー(泣)』って思いながら観てました(笑)
心温まる映画。ガチで。
ほんとに文字通りの、心が温まる映画です。
何がいいって、もう登場人物が良すぎて。
何も考えずにしばらく見てると、普通に好きになってしまうような人たちの話です。
こういうもんですよね。
愛すべき人たちの物語だから、見てると自然と心が温まる。
心温まるストーリーになるのが、必然のように思えるのです。
そんなキャラクターを生み出せる才能を持った作り手が作った映画だと思います。
そういうものの大切さを知りながら、自分にも、周囲にもそれを見い出せずに、苦しく日々を送っている人、映画館に行ってこの映画見てください。
涙出ますよ。
そういう気持ちを信じていいんだと思えて、少し楽になると思います。
とにかくかわいい
キャンディの顔も服もアクセサリーも可愛かった。
キャンディの未熟さが服装に示されてるみたいだった。
保護者的存在のザクに出会い、キャンディが成熟していく様が見ていて面白かった。
コロナ禍の街の風景
個人的に(台湾を含む)中華圏の映画は比較的観られていない私。日本から距離は遠くないのに、政治的イデオロギーの違う中国に対して「遠い国」という印象をもっていることは否めないものの、中国映画にみる市井の人々に感じる印象から、それが単なる思い込みだったと気づかされることが多くあります。
この映画の舞台は香港ですが、序盤のやり取りの中で「やつは今中国に行っている」という字幕に、香港人からしたら未だに「中国は中国、香港は香港」なのかもしれないと思ったり(まぁ、字幕をそのまま信じればですが)、或いは、この物語は2020年のコロナ禍なのですが「葬式が多すぎて」と、やはりコロナでの死者が少なくなかったのかと臭わせるようなセリフに、当局の検閲もあるだろうにと心配になったり、冒頭からなかなかの味わい深さを感じさせてくれます。
思い起こせば、日本でも21年頃の作品の多くに「コロナ禍」の閑散とした街の風景を観せるものを多く見かけましたが、今、あの頃の街の風景を観ると、最近の東京と比べ(御幣がある言い方になりますが)少し懐かしさを感じます。何なら、この物語の主人公であるザク、キャンディのように「その日暮らしすらままならない状況」で暮らしていた人にとっては、あの風景が「恐怖や不安」を掻き立てるPTSDの心配すら考えるほど、今やコロナ禍の象徴とも言える「近過去に世界中の皆が観た風景」になりつつあります。
当然、そんな雰囲気で語られる物語ですから、思い通りにいかない悪循環な展開に、観ていて辛いものがあります。にも拘わらず、当人であるザクとキャンディ、そしてジューやザクの母親の「それでも生きていく」様子、また辛さの中でも冗談を言ったり、励まし合って生きている彼らに心を動かされるのです。
公開週のサービスデイ19時10分の回、シャンテの客入りは芳しくない感じでした。確かに「映画館でなければ」という作品性ではありませんが、こういう映画を観終わって一人歩く帰り道は悪いものじゃないなんて思ったりもする(勿論、二人でも)、しみじみと染み入る良作だと思います。興味を持ったあなた、騙されたと思って如何ですか?
ザクがいい人すぎ 少なくとも私が香港にいた頃は、 ここまでの人は周...
ザクがいい人すぎ
少なくとも私が香港にいた頃は、
ここまでの人は周りにいなかった
どうしてもキャンディが許せない
子供守ったからって、美談にはできないし
あの人は、何回反省しても一生繰り返す気がする
映画として悪いわけじゃないけど、点数に影響する
映画「星くずの片隅で」を観た。 清掃業者とアルバイト女性を通して、...
映画「星くずの片隅で」を観た。
清掃業者とアルバイト女性を通して、コロナ禍の様々な問題とその少し前に起こっていた中国政府による民主化運動の弾圧、香港の姿を描きたかったのだろう。
監督は、将来を悲観して海外に移住する人達が後を絶たないが「残った人たちが困難をどう乗り越えていくのかも表現したかった」と言う。
真面目な清掃作業を行うザクは言論の自由を制限し、民主派を取り締まる現状に対して耐え忍ぶ正義を、アルバイトのキャンディは大規模デモから始まった混乱に翻弄される市民を表しているのかも知れない。
だがザクと知り合いキャンディ親子も徐々に変わっていく。
ザクは言う「世の中はひどい。それに同化するな」と。
自由がない場所に健全な市場経済は育たない。
香港の神様が「東洋の真珠」と言われた自由都市に、いつかは福を呼び込み希望の輝きを取り戻してくれるのを祈る。
狭い道だが皆で頑張ろうと前を向く、地味ではあるがとても優しさに溢れた素敵な映画。
信じてくれる人
香港で清掃会社を1人で営む男と、バイトの求人をみてやってきた若いシングルマザーの話。
コロナ禍で特殊な洗剤は品薄だし高値だし、車は不調で不安ばかり。
しかしながら仕事は何とか順調という状況下、シングルマザーを雇ったけれど…。
あらすじ紹介をしっかり見ていなかったし、話しの流れから自分も最初は妹かと思ってましたが、とりあえずキャンディちゃんが可愛いので☆+0.5?w
母親と2人で暮らし真面目に仕事に励むザクと、軽〜い気持ちで人のものに手を出したりしちゃうキャンディ。
いくらかわいくてもそれはあかん!
心を入れ替えマジメに仕事に励む2人の機微をこのままひたすらみせていくだけのはずはなく………って良く判らんレベルでザクが良い人過ぎるんですが。
しかも悪人は誰も出てこないし。
ある意味何だか中途半端な面もあったけれど、とりあえず塵なりにコツコツ生きていきましょうという決意は伝わったかな。
真っ正直に生きているからって報われるとは限らない。それでもそんな人生を選びたい、そう思わさせてくれた
清掃業を営む主人公ザク、暮らし向きは厳しいけれど真摯にそして正直に日々を生きている。そんなところにシングルマザーのキャンディが職を求めてやってくるが、彼女は今まで生きるために人を騙したり、盗みを働いたりして来ていた。
ザクの壊れかけた車のエンジンがキャンディの訪れと共に蘇ったときには彼女は福音なのかと想起させられるのだが・・・
ザクの母親の死が契機となって事態は思わぬ方向に暗転していく(それもキャンディの機転が災いしたのだが)けれど、ザクは現実を受け入れ、その後も正直に生きて行く。
最後の最後までザクに良きことが訪れますようにと願いながらスクリーンを見つめ続けるけれど、何も起こりはしない。
それでもザクの表情は嘘をつかない自分であることの誇らしさからか、ちっとも暗いものではないところに救いを与えられた。
我々なんて塵のような存在で神様からは見えやしない、けれどいつか福はやってくる。
ジンとくる言葉が連なります。
そしてキャンディの娘ジューの子供そのものの純真さ(だからこそ良いことも悪いこともしてしまう)も心に響きます。
何も起こらないのになんだかとても心が洗われました。自分が自分に誇れる生き方がダア維持なんだなぁ。
コロナを題材にした作品は多いと思いますが、本作はとても素敵な物語だと思います。
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