「手のひらに太陽を」裸足になって uzさんの映画レビュー(感想・評価)
手のひらに太陽を
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前半ウトウトしたのでそのせいかもしれないが、情報や過程が省かれすぎに思えた。
例えば、主人公のケガの度合いやバレエへの影響に対する言及がない。
その為、日常生活どころかダンスも出来るのに再びバレエをする意思さえ見せないことに違和感があった。
また、聾者たち各々が抱えるものも描かれず、フーリアが手話を憶えたり親交を深める過程もない。
序盤のカメラワークにもかなり不親切さを感じた。
口元が映らない状態での会話が多く、誰が誰に喋っているのかが非情に分かりづらいのだ。
声どころか、まだ顔も名前も憶えていないのに。
人物の区別がつきづらかったり、アルジェリアの内情に疎いのはこちらの問題。
しかし、上記のような設計によりかなり没入しづらかった。
中盤以降は、主人公が言葉を失うこともあり台詞に頼らない画面づくりの力は感じる。
2回ほどあったMVのようなシーンも雰囲気はいいが、それよりもっと描いてほしいことがあるのよ…
バレエへの喪失の深さは冒頭の練習風景から感じたが、フーリアに執着はあまり見えず。
逆に、ソニアの死に対しては自分側の感傷が薄かった。
良き友だったのだろうが、仕事もせず自分の話ばかりするソニアを好きになれなかったせいかな。
最初は何かと闘うように踊っていた主人公が、最後は何かを訴えるように踊っていた。
このコントラストだけでも見事だとは思う。
その分、間に挟まるものが整理さてれいたら、と思わずにいられない。
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