「様々な社会問題を提起した奥が深く、かなり見応えのある作品」湖の女たち ゆきとうさんの映画レビュー(感想・評価)
様々な社会問題を提起した奥が深く、かなり見応えのある作品
原作未読。謎は多いけど、時間を忘れてしまうほど見応えのある作品と感じました。
この映画は「楽園」と同じように事件を解決していく物語ではなく、事件を捜査していく上で浮かび上がる社会問題を提起することを根本に置いているのだと思います。
個人的な感想なので、正確ではないかもしれませんが、具体的に感じた社会問題を列挙します。
①警察による自白強要・SM支配
②薬害問題の隠ぺい
③障害者の生産性のなさの指摘
④高齢労働者の重大な過失の発生
①と②は映画を観れば分かると思います。
③は劇中の週刊誌の中で指摘されますが、障害者だけではなく、高齢者も生産性がなくなりますので、今回の老人死亡と絡めているのだと思います。
この映画の事件で、2人目の死亡した女性被害者はなぜか誰なのか明らかにされません。
ここがポイントなのでしょう。つまり、薬害問題は死亡事件に関係ないのだと思いました。
おそらく、女性記者が怪しいと感じた女子中学生の孫と一緒に住んでいる高齢の女性介護士が犯人の可能性が高いです。この介護士は孫と電話でやりとりしている時に、孫から日にちを間違えてぼけているのではと話します。
このことから、女性介護士の重大な過失による医療ミス(故意に人工呼吸器を外したのではない)と感じました。それで2人目の被害者の氏名が明らかにされないのであれば、整合性がつきます。これが④に該当します。
正確な感想ではないかもしれませんが、「楽園」と同じように事件解決ではなく、社会問題の提起を主眼としている映画と考えれば、多角的な考察ができ、面白い映画だと思います。
今日、本が届いたので、終わりのところを読んでいます。
ラストを書いても良いですか?
服部の孫の三葉たちが湖のバンガローに寝泊まりしていて、
それを池田と濱中が張り込みしています。
中学生たちは介護施設へ向かい、池田と濱中は追って行く・・・
そこで終わっていました。
勝手に頼まれもしないのにラストを書いてすみません。
迷惑だったら、許してください。