「事実は小説よりも奇なり」グランツーリスモ META坊さんの映画レビュー(感想・評価)
事実は小説よりも奇なり
最高だった。
期待値を遥かに超えた激熱な作品だ。
その昔、寝る間も惜しんでやり込んだゲームが、まさか映画になるなんて、しかもこれが実話だったとは驚きだ。
まさに事実は小説より奇なり。
レーシングゲームが上手いからって、本物のレーサーになれるなんて誰が思いますか。それを現実のものにしようとした奇想天外なプロジェクト。
当然と言えば当然だが、レースシーンは迫力満点で、気がつくとついつい肩に力が入っていてるくらいだ。カメラワークの素晴らしさ、臨場感とリアリティは圧巻の一言だ。
また、新しい映像表現も素晴らしい。しかし、素晴らしいのは映像だけではない。
とても良く出来たヒューマンドラマで、特に親子関係が良かった。
子を持つ親として、父親の心情はよく理解できる。ちょいちょい出てくる父親とのシーンがいちいち沁みた。
ひとつ残念なのが、ジャックと共に訪れた事故現場のシーン。
花を手向けるわけでも、祈りを捧げるわけでもない。亡くなっ方への悼む心が見えないのはなんだかなぁ。
あと、GTアカデミー最後のレースの朝、昇り始めた朝日と5台のGT-R、ここであの『Moon Over The Castle』が静かに流れてきたら、もうそれだけで往年のファンは、涙を流して狂喜乱舞したことだろうけど、残念ながらそれがなかった点。
ゲームをやらない人、車好きでない人でも、きっと楽しめる作品だと思う。
GT-Rは買えないけど、PS5なら買おうと思えば買えないこともない。
いやいや、余計な事は考えまい。
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