「555ファンとして」仮面ライダー555(ファイズ) 20th パラダイス・リゲインド かじさんの映画レビュー(感想・評価)
555ファンとして
前提として、555は私が初めて見た仮面ライダーである。当時は4歳であったが、その後成長してもずっと仮面ライダーを見続けて来た。その大きな要因が「555がかっこよかったから、555が大好きだったから」である。そういう人間のレビューとして見ていただきたい。
私は、555ファンとして、少なくとも見た直後の時点でこの作品を高評価する事は出来ない。ディケイド以来となるウルフェノクの出演や、デルタ変身者が序盤で灰化するショッキングなストーリーなど、私の求めている555はあったのだが、それ以上に認められないものの方が多かった。
まず一に、キャラ付けの節々に「やりすぎ感」が感じられた。海堂はコメディに寄せすぎだし、草加もネットで擦られる部分を拡大しているように思えた。(そうでないシーンがあった事も理解はしている)
そして、これは製作者演者共々賛否両論になる事は理解していただろうが、やはり「真理のオルフェノク化」に、555ファンとしてはNOと言わざるを得ない。そうじゃない。人間とオルフェノクの共存・恋愛の1つの結論として真理と巧という形にしたのであれば、それを根底から覆すのはダメだろうと。それに付随するベッドシーンも、やるならやるで人間態で描くべきだろうとしか思えなかった。百歩譲ってウルフェノク戦闘シーンを先に見せてからやってくれ。ウルフェノク登場を心待ちにしていた筆者にとって、戦闘シーンより先にベッドの上のウルフェノクを見ることになるとは思わなかったし、あそこで明確に萎えてしまった。
後旧555の造形も恐らくスーツを新調したのだと思うがフォトンブラッドの発色がやたら明るく、旧555への変身やそのタイミングはベストだったのだが、そういう点で萎えてしまった。カイザとかデルタは違和感がなかったのになぜ555だけあんな風に…? どうせ発色を良くするなら光らせて欲しかったとも思う。
加えて、言い過ぎなように思った。時間の都合もあるのかと思うが演者に心情を喋らせすぎ。最後の旧555変身シーンもたっくんはウキウキでやっぱこれだわ!みたいに言ってたけど、個人的にはもっと噛み締めるようなシーンにして欲しかった(これは私の好みも大いにある)
総合して、555を「巧と真理の物語」として捉え、そこに解答を求めていた者には、ある程度クオリティの高い映画に思えたのだろうと思う。しかし、私はそのように捉えておらず、むしろオルフェノクとしての巧に決着をつけて欲しかったと考えていた為、低評価になったのだろうと思う。またディスク化されなりVODで出たら何度も見る。何度も見れば、もしかしたら高評価出来る未来が来るかもしれない。しかし、現状では555ファンとしてこの作品を好きにはなれなかった。