「価値観 vs 価値観」四月になれば彼女は さわいもさんの映画レビュー(感想・評価)
価値観 vs 価値観
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愛とは何かを3つの視点を中心に考えさせられる。
主人公は精神病の医者でありながら、結婚生活に関して欠けている部分があり、嫁に対しての感情は希薄になりつつある。ただ、登場人物の中では最も共感できる人物だった。
嫁は一度結婚から逃げ出した過去を持ち、現在の結婚生活に関して若干の不満を持つ女性のように感じた。
元カノは、感情豊かで、かつての思い出を追随するように主人公へ文通をしている。
ただし、嫁と元カノに確執もなければ仲間意識もなく、深い関係ではないので、女性同士のどろどろしたような展開ではない。ある意味特殊な恋愛映画のように感じた。
一方で、私自身結婚について深く考える経験がなく、共感できなかった部分がある。マリッジブルーや、過去の恋愛の清算、結婚後の生活を経験していない為、特に主人公の嫁の行動に対して理解ができなかった。
また、伏線(嫁の妹へのメールの返信、嫁の行動理由、元カノ父の現在等)の回収を期待してしまい、頭がそっちに持ってかれてしまった。
所々登場人物の行動理由について余地が残されており、ある意味小説のプロデュースになっている。後ほど自分も確認したい。(特に嫁の妹!)
映画を通して、俳優や女優の演技を始め、音楽や撮影場所などの演出にこだわりがあり、パーっと見る分には綺麗な映画だった。ただし、演出のみが点数の大半である。私個人としては、”カメラをきっかけとして男女が繋がる”、”恋人が亡くなる”、といった大衆に理解される大筋のみを重視し、感情が動く理由の説明に不足を感じた。映画化に伴う物語の抽出や改変が難しいのは理解しなければならないが、物足りなさを感じてしまう。
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