劇場公開日 2024年2月23日

「試合のクライマックスの描き方!」ネクスト・ゴール・ウィンズ kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0試合のクライマックスの描き方!

2024年2月27日
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鑑賞方法:映画館

弱小チームが有能なコーチのもとで強くなっていく物語は面白い。いろんなスポーツでバリエーションも豊富に存在する。そして名作も多い。
本作の題材はオーストラリア相手に0対31というスコアを叩き出したことのある世界最弱のサッカー代表チーム。ものすごく低いレベルからある程度まで上げていくのは難しくない。基本を押さえるだけでいいから。問題はメンタリティだ。日本サッカーを見てても思うのだが、メンタリティは国民性にも大きな影響を受ける。だからアメリカ領サモアのあの牧歌的な国民性はスポーツに向いていないと言えるのかも。でもアメフト選手を輸出してるってくらいだから身体能力は高いし、闘争心もあるはず。やれば伸びるに違いない。
プロサッカーチームの監督をやっていた人間がこんなところに行ったら苦労するに決まってる。くさるのも理解できる。私が想像していたよりももっと大変そうだったし。トランスジェンダーのサッカー選手が出てくるとは思わなかった。でも、彼が周りを受け入れ、自分のことを見つめ直すところから変わっていく。なんて王道の展開。でもこれこそ期待していたものでもある。
サッカーのシーンは若干リアリティに欠けているが、やはり面白い。異なるものを受け入れるって大事だよな。監督のバックグラウンドで少し泣いてしまった。ただ、スポーツものとしての感動はそれほどではない。試合のクライマックスをあんな形で語らせるんだもの。なかなか斬新な手法だったけど。タイカ・ワイティティはやはりこれからも追っていきたい監督だ。

kenshuchu