「全編が悪夢のブラック映画」ボーはおそれている ヤマッチさんの映画レビュー(感想・評価)
全編が悪夢のブラック映画
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ボーは心理カウンセラーで治療を受けています。明日父親の命日で母親に会いに行くことになっています。不安定な心理状態ということで薬処方され部屋をでました。ここまでは普通でした。しかしここからは異様な光景となります。暴力に満ち溢れた野蛮な人達にあふれています。その一角に住んでいるボー。部屋にたどり着き眠りにつくも部屋の外では騒ぎが続いています。翌朝母の元へ出発しますが、ちょっと目を放したことにより鍵と鞄を盗まれてしまいます。そしてカードは利用不可となります。母に行けなくなったことを伝えると母は激怒します。改めて電話をすると母親は死亡したと告げられ直ぐに母の元へいかなければならなくなります。混乱するボー。そこから始まる様々なトラブルと奇妙な人物達が登場します。ボーは翻弄されながらもなんとか母の家にたどり着きます。そこで待ち受けていた衝撃の真実となります。概略を記述すれば異色ロードムービーと思われますがそんな気の利いたものではありません。異様で異常な狂気の展開です。テーマは母性、母親の特性となっています。息子を心から愛して人生の教訓を教える立派な母親と思いきや自分の愛情不足と誤解して過剰となりボーに数々のトラウマを植え付け精神的に苦しめていく母親が描かれています。題名である「ボーはおそれいる」それは狂気に満ちた社会でもそこを取り巻く人々でもなくおそれいるのは母であったというのを鑑賞後に思います。この作品をブラックコメディとなっていますが、そうは思えません。2度3度鑑賞すればそのシュールな笑いが理解できるかもしれませんが、リピートしたいとは思いませんでした。
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