「親子のお話」ボーはおそれている カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
親子のお話
アリアスターの過去作と比べ抜きん出てわかりづらく、その上長尺なので神経を使いすぎて疲れてしまった。
確信が持てないのであくまでも想像でしかないが、一言で言えば「母親のお仕置き」というところか。
ボーは父親の命日のために実家へ帰省しようとするが、多くのトラブルに遭い予定通りの行動ができなくなってしまう。
が、それは全て母親が仕掛けたある意味テスト?であったということかと思う。
母親は常時ボーを監視ししており、自分を最優先に思い帰省してくれるかを試したのではないだろうか。
自宅のアパートから実家までの道程で起こったトラブルは全て母親が仕組んだ障害であり、出逢った人達も全て会社関係者が演じ(会社の年表にそれぞれの写真があったような)、さながら「トゥルーマン・ショー」のようにそれを大勢の観客が観ており、最後に母親への愛情が疑われ公開裁判で断罪される。
ボーが過度の不安症で定期的にカウンセリングを受けているが、そこで自分の過干渉に対しあまり良い感情を持っていないことを知った母親自身も元々ボーへ不満を持っており(いつまでも自発的に行動できなかったり、子供の頃自分が怪我をしたにも関わらず迷子からわざと出てこなかったりなどで)、なんとなく親子で憎しみあっているような構図が伺える。
ビジネスマンとしては相当有能な母親のようだが、その支配下にいなかった人物として監視されている事を耳打ちしたグレースと、数週間前に母親の会社を辞めたためこの計画を知らずにボーと性交渉を持ってしまったエレインの2人がいるが、エレインに限って言えば家系的に性交渉でオーガズムに達すると死んでしまうという嘘がバレてしまう最悪の計画外を起こし、結果重い罰を与えられてしまう。
名前や地名、またトラブルに関して要所要所で「水」が関係しており最後も水に落ちて死んでしまうが、あれはやはり母親の胎内に戻るというメタファーという事になるのだろうか。
森の中の芝居や童貞なのに3人の男の子がいたり説明できないシーンも山ほどあり結局よくわからず、と言うかわかってもらおうとしてつくってない映画なので、全く分からなくても良い映画だと開き直ってます。
※パンフレット買えばよかったかな。