「笑っていいのかなんなのか」ボーはおそれている nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
笑っていいのかなんなのか
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恐れていたことから予想外過ぎることまで、次から次へと災難に見舞われる主人公、最後までなんともシュールでカオスでした。
悲劇的な状況も構図やタイミングなどでコミカルに見せる演出で、笑っていいのかなんなのか。
何でそうなる?、やっぱりか!、そっちかよ!、と笑ってしまう場面もありますが、常に不穏感がありホラー成分が強かったと思います。
やはり、ボー役のホアキン・フェニックスの演技が素晴らしく、シュールな滑稽な状況でも、切実に不安や困惑が伝わるまなざしで、リアルな恐怖と笑いの表裏一体感があります。
ボーの真面目で丁寧な物腰も好感が持てますし、ボーの目線で話が進みこちらも困惑させられます。
なんとかハッピーエンドにならないかと願いましたが…
ストーリーでは色々と分からない部分もありました。
外科医の娘が言っていたテストとは?
外科医の写真が母親のポスターの中にあったようで、外科医は母親の部下でまわし者?、テストは母親の葬儀に何を置いても駆け付けるかどうかのテストという意味なのか?、と一応は解釈しましたが…
他にも理屈では分からない部分があり、序盤からもうボーの妄想、悪夢なのか?という気もします。
が、ラスト、冒頭にループするような終わり方で、全てが生まれる前の胎児の夢、むしろ母親の不安が投影された母親の悪夢(経済的には裕福になれる夢)なのか、というようにも感じました。
胎児の夢と言うと、勝手に「ドグラマグラ」を思い出してしまいましたが。
生まれる前から絶望的な夢か…と思うと辛いですが、あくまで夢なので、現実に生まれ出たら希望もあるかも…と考えたいです。
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