「癖強系狂気映画」ボーはおそれている ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)
癖強系狂気映画
何かとんでもない物を見てしまった!
軽い気持ちでブラックコメディ見るつもりが、蓋を開けてみたら変質者の頭の中を見させられてしまった。
そんな感覚。
アリ・アスター作品初めて見たけど、本気でイカれてるなこの人。凄い。
今の時点で言えることは、
とんでもなく刺激的な作品だという事。
ストーリーが全く読めないという事。
ホアキン・フェニックスのダメダメ演技が最高だっていう事。
って位かな。
ネタバレ喰らう前に見てほしいので、少しでも情報入れたくない人はここから先は読まずに劇場に行ってください。
神経症気味の主人公の主観視点で見せる作品なので、彼がいだく不安や妄想が自分ごとのように思えて没入感は中々なものでした。
とはいえ序盤の不謹慎すぎるギャグは声出して笑いましたけどねw
でもそんなこんなやってく間に全く別の作風になってズブズブとぬかるみにハマっていって、気がついた時にはもう後戻りできなくなっています。
何が現実で何が妄想かもあやふやになるサイコスリラーコメディ。
既存の映画で例えるの難しいけども、「時計じかけのオレンジ」や「未来世紀ブラジル」を見た後のような雰囲気もあるのかな。
特にビジュアル面ではキューブリック感のある構図も多用されていました。
独特のアニメーション表現もこだわっていて見応えあります。
ユダヤ人が常に抱いている潜在的恐怖を追体験できる映画としても価値ある作品かと思います。その恐怖の裏返しが今のガザ地区ですからね。
ユーモアとバイオレンス、セックス、ホラーにスピリチュアル。
あらゆる要素の詰まった狂気の3時間をぜひスクリーンでお楽しみください。
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