「ドラマファンならずっと観ていられる!」ゆとりですがなにか インターナショナル おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ドラマファンならずっと観ていられる!

2023年10月15日
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鑑賞方法:映画館

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テレビドラマ「ゆとりですがなにか」の劇場版。放送は2016年ですから、あれから7年も経って、まさか今ごろになって映画化されるとは驚きです。果たしてどんな物語が展開されるのかと、興味をもって鑑賞してきました。

ストーリーは、「ゆとり世代」と揶揄されてきた、酒蔵営業担当の坂間、小学校教師の山路、フリーターのまりぶの3人が、令和の時代の波の中で、仕事やプライベートの悩みを抱えながら、それでも新たな方法を模索して必死に生きる姿を描くというもの。

久しぶりなのに相変わらずの3人の姿が、なんだかとても懐かしく、再会を嬉しく感じます。あれから世間はすっかり様変わりし、それぞれに時代に対応するためのアップデートを求められ、四苦八苦する姿が、なんとも切なくもおもしろいです。

話は、坂間酒造の存続、まりぶの動画配信、山路のクラスのLGBT問題、坂間の不倫疑惑や夫婦問題、企業のパワハラ・セクハラ問題、服部の女将さんへの恋、ゆとり世代vsZ世代、リモートワークや働き方改革、グローバル化、コロナに翻弄される姿などなど、四方八方に広がりながら、それなりの収まりをつけているのもおもしろいです。中でも、あのゆとりモンスター・山岸がパワハラで訴えられたり、世渡り上手なまりぶが流暢な中国語で動画を配信したりと、時代の変化への順応ぶりの差を描いていたのはおもしろかったです。ちなみに、エンドロール中に流れた、仏壇からの隠し撮りもなかなか笑えました。

とはいえ、やはり詰め込みすぎで、投げっぱなしのものがあったのは否めません。脇に置くものとは別に、何か芯となるテーマを絞って描いた方がよかったかもしれません。また、ドラマを踏まえての延長戦で展開される物語なので、ドラマファンには懐かしくおもしろい場面のてんこ盛りなのですが、初見ではよくわからないシーンも多かったのではないかと思います。今からドラマ全話視聴は難しいと思うので、本作鑑賞後に改めてドラマを観てもいいかもしれません。

キャストは、岡田将生くん、松坂桃李くん、柳楽優弥くんの3人に加え、安藤サクラさん、仲野太賀くん、木南晴夏さん、吉岡里帆さん、吉田鋼太郎さんらが脇を固めます。主役を張れる役者さんばかりがずらりと並んでいるので、演技が一流なのは言うまでもないのですが、キャラへのハマり具合も絶妙すぎて、どのシーンを切り取っても本当にすばらしいです。

おじゃる
おじゃるさんのコメント
2023年10月21日

サバダオさん、コメントありがとうございます。
レビューを上げておられないようなので、こちらに返信いたします。
こちらこそ拙いレビューにお褒めの言葉をいただき恐縮です。

おじゃる
サバダオさんのコメント
2023年10月20日

素晴らしき投稿に感謝

サバダオ
premacy2010さんのコメント
2023年10月15日

共感ありがとうございます。
ネタバレせず、長文を記載出来るなんて、素晴らしいです。

premacy2010