「不可視となったゴダールへの架橋」ジャン=リュック・ゴダール 反逆の映画作家(シネアスト) 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0不可視となったゴダールへの架橋

2023年9月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2022年。シリル・ルティ監督。昨年なくなったゴダールの半生について、出演者やかかわりのあった同業者などのインタビューを交え、デビュー作「勝手にしやがれ」からの作品の変遷をまとめたドキュメンタリー。作品のわかりにくさ、ゴダールの扱いにくさを、解説する人々の存在によって(媒介)、わかりやすい物語に仕立て上げている。作品自体・ゴダール自身が意識的にわかりやすさに抵抗するものだったとはいえ、ある種の物語にしなければ人々の目に留まることさえない。だからゴダールは難しく、面白い。
人びとが証言するゴダール像が矛盾し合ったり衝突し合ったりしたらもっとおもしろかっただろうな、とふと思った。

文字読み