北極百貨店のコンシェルジュさんのレビュー・感想・評価
全111件中、21~40件目を表示
ツマラヌ理由。
笑顔の北極百貨店
とある百貨店。
たくさんのお客様がお越しになり、楽しいショッピングのひと時をお過ごしになりますが、ただ一つ違っていたのは…
お客様は皆、動物たち。“北極百貨店”だったのです。
従業員は人間、お客様は動物。
ふしぎなふしぎな百貨店。
一体全体どういう設定…? どういう世界…?
…なんてひねくれ意見が野暮に思うくらい、自然とこの百貨店にいらっしゃいませ~。
ファンタスティックな世界観だけど、メインの話は新人コンシェルジュの奮闘記。
念願の北極百貨店でのコンシェルジュ見習いとなった秋乃。
一生懸命が空回りして失敗や粗相ばかり。“ペンギン”のお客様を踏んづけてしまったり、お客様の子供を“お荷物”と勘違いしてしまったり…。
神出鬼没のフロアマネージャー・東堂の厳しい指導、先輩コンシェルジュや給仕研修での給仕長や料理人たちのアドバイスや協力。
お客様の目線に立ち、奔走。
ついつい引き受けてしまった事やトラブル事が、結果的にお客様の心を開き、各々の悩みの解決に。
ありがとう、コンシェルジュさん。
お客様から何より嬉しい言葉。
でも、嬉しい事ばかりじゃない。リストラ執行人には“向いていない”と目を付けられ、クレーマーには土下座を強要され…。
私はコンシェルジュに向いてるの…? 私にとって北極百貨店って…?
悩みながら悩みながら。失敗しながら失敗しながら。
いつでもいつでも一生懸命一生懸命。
常にお客様の為に百貨店内を走り回り、表情くるくる、リアクションいっぱい。
適応し、成長していく。そんな秋乃を自然と見守り、応援したくなる。
秋乃に二度も踏みつけられてしまう“ペンギン”のお客様。いつも秋乃にお尻を押してと頼んでフロアを飛ぶように滑っていく。実は創業者の孫で、三代目。オオウミガラスのエルル。ちょいとキザっぽいが、人を見る目は確か。秋乃を評価している。
買い物に悩むワライフクロウの老夫婦。
それぞれにプレゼントを探しているウミベミンクの父娘。
プロポーズに勇気が出ないニホンオオカミ。
生産中止の香水を探しているバーバリライオン。
入院中の子供へのプレゼントを探すゴクラクインコ。
百貨店で展示会を開く彫刻家のケナガマンモス。
動物に詳しい人ならピンと来るかも。百貨店に訪れるお客様の中でも特別とされる“VIA”。絶滅種の動物たち。
人間に絶やされた絶滅動物たちを、人間の作法でもてなす為に創られた北極百貨店。絶滅動物たちの受難の物語を後世に残す為に。せめてもの罪滅ぼし。
シビアなテーマも挿入しつつ、VIAお客様たちと従業員たちが織り成す人間味と人間臭さたっぷりの交流に心暖まる。
今も絶滅危惧の動物たちは多い。もう二度と私たち人間の手でこの世界から尊い存在を無くしてはならない…そんな思いも込めて。
終始百貨店内が舞台だが、飾り付けなどで季節の移り変わりを感じさせる。
絵本のようなほのぼのタッチ。
軽やかな音楽や百貨店ソングが耳に残る。
♪︎何でもそろう北極百貨店~ ほしいものなら北極百貨店~
訪れた皆が、働く皆が、笑顔になれる。
それが北極百貨店。
70分の尺でも満足度は充実。
秋乃は何故この百貨店のコンシェルジュを目指す…?
幼少時会った“コンシェルジュさん”に憧れて。
この開幕と終幕もファンタスティックで素敵。
また北極百貨店にお出かけしたい。
(つまり、続編希望!)
ふつうの小売店と百貨店との違い
両者の違いは、日常の生活に必要にして、かつ十分な品質の品を売るか(ふつうの小売店)、それを超えて人の欲望を満たす品質の品を売るか(百貨店)という違いのようです。
あまり百貨店(デパート)で買い物をする習慣のない評論子にしてみれば、初めて聞いた両者の棲み分けですけれど「なるほど」と改めて納得した次第。
言ってみれば、評論子らが住まう、この資本主義社会という世の中は人間の「際限のない欲」が原動力となっている社会。
人々は、その「欲」を原動力としてより良い生活、より豊かな生活をこれまで際限なく求めて、今の社会の経済水準を築いてきたことに、おそらく異論はないことと思います。
言葉は悪いのですけれども。日常に必要な以上の品質を商う百貨店は、まさに資本主義社会の「際限のない欲望」を象徴する業態で、それ故に本作の題名になっているということでしょう。
さて、その北極百貨店では、人間が自分たちの「欲」を満足させるために、もっぱら資源としてだけ利用して、利用し尽くした(絶滅させた)動物たちが顧客で、もっぱら彼・彼女らを消費してきた人間が、今度はスタッフ(コンシェルジュ)として、彼・彼女らに奉仕する立場なのだとか。
そういう設定が、なんとも胸に痛い一本でした。評論子には。
画面の色彩も華やかなかで美しく、キャラクターのデザインも親しみやすい作品なので、一見すると気軽に観られるアニメーション作品とも受け取れるのですけれども。
しかし、「必要以上の消費の悪」を静かに訴えかけるという点では、優秀作との評価にも値する一本だったと思います。
生涯ベストに並ぶ作品に出会ったのかも知れないとも思います。
評論子的には。
(追記1)
絶滅種の動物が数多く登場する本作。
実写では無理でしょう。やっぱり。
アニメーションならではの表現力をフルに活かした一本とも言えると思います。
こういう作品が数多く世に発表されて、表現が多様・多彩になると、楽しい映画鑑賞が、もっともっと楽しくなりそうです。
(追記2)
本作のアニメーションは、ジブリのようなリアルなものではなく(昔ながらの?)平面的なものでしたけれども。
それでも違和感なくストーリーを追うことができました。
こういうアニメーションも、それはそれで良いものかも知れません。
(追記3)
地球ができて、46億年くらい経つそうですけれども。
その46億年を1日に例えると、地球上に人類が登場したのは、一日の終わりの、ほんの数分前になるそうです。
しかし、人間は、その数分間で地球の環境を劇的に変えてしまった。
それゆえ、来るべき「明日」は、必然的に、その環境の修復を始める一日でなければならないことは自明です。
いかにそれが原動力となっている資本主義社会とはいえ、「行き過ぎた欲」は、諫(いさ)められなければならないのかとも思います。評論子は。
(追記4)
「吾唯足知」(われ、ただ足るを知る)というのは、禅の方面の箴言とかだそうで、京都・龍安寺の蹲踞(つくばい)に彫られた言葉と承知していますけれども。
まもなく年金生活に突入し、おのずと収入も限られてくる評論子は、なお(貪欲に映画を観る以外は?)足るを知る生活をしなければならないと思う今日この頃でした。(涙)
どうもてなすか、思い色々
前情報あまり入れずで面白かった。登場人物の表情がクレヨンしんちゃんに似たところがある印象、ペンギン?なエルルさんが登場する度に笑ってしまうのは自分だけでしょうか。
幾つものバタバタな出来事の中に気付きのある接客対応あるあるや、グッと泣きが入るシーンありと短い時間ながらも彩り充実なアニメ作品。
劇中、音楽がさりげなく入るのが心地良いです。
お客さまが動物ばかり、絶滅種 VIA (Very Importan...
★まとまりの良い作品★
面白かったです
ペンギン?の人を踏んづけるちゃったり、お尻を押したら滑っていったり、神出鬼没の東堂さんとか、登場人物がコミカルで面白かったです。
よく、原作のある作品の映画化では映画の限られた上映時間に収めるために内容を削ったりして、やけにあっさりして感じることがあるものです。
僕は原作を見ていないけれど、「きっと、香水を探す場面なんか、実際はもうちょっと奮闘している描写があったんじゃないかなぁ」とか想像しています。
でも、絵本のようなかわいらしい作画で、子供でも楽しめそうな仕上がりを見ていると、そのあっさりしたところが分かりやすくて良いと感じたりもします。
百貨店の成り立ちのようなものを話している場面では少し暗い事情もありそうだったけれど、明るく楽しくお買い物を楽しめる百貨店のために、新人コンシェルジュが奮闘するお話は、面白かったです。
涙の背景
忙しそうな店員さんが懐かしく感じる。いまは昔の古き良きデパート。
現在のデパートはガラガラで、店員さんがポツンポツンと立っているんですが、昔は店員さんが積極的に話しかけて、売り込みをしていたような気がします。
ストーリーはわかりやすく、表現も魅力的だったんですが、主人公が何故コンシェルジュに憧れたのかという動機の説明が弱かったので、感情移入できなかった。
人間達によって絶滅させられた動物たちへの「罪滅ぼし」としてデパートが運営されている。
ということは、そこで働くコンシェルジュは、見方を変えれば奴隷のようなものなのだろうか。
最初の場面で、子供時代の主人公がデパートで迷子になって、声をかけてくれたコンシェルジュのお姉さん。その姿が、顔が隠れている上に影がかかっていたのがすごく気になった。
コンシェルジュがキラキラとした憧れの対象として現れる場面で、何故あんなに暗いのか。
伏線を回収しないまま、頑張る主人公とキラキラした百貨店の姿で、あっけなく終わってしまったのでモヤモヤ感が残りました。
視覚、聴覚面は大満足!ただどうしても…
まずは好きだったところから。
絵の落とし込み方、アニメのつけ方、SEの心地よさまで最高でした…!
こんなに“アニメーション”を楽しめたのは久々だったような気がします。
場面も多く、コロコロと展開していくので、子供が観ても飽きずに楽しめそうな作品でした。
細かいことを気にしたい大人には少し向かない面もあるかもしれません。。
私自身が百貨店という概念に対して強めのこだわりをもっているせいか、
「いくら新人でもこんなドタバタしたコンシェルジュいたらシンプルに落ち着かないし嫌なんだけど…」という感情が最後までどうしても拭えなくて困りました。
最初にもっと“主人公がどんな思いで頑張ろうとしているのか?”をもう少しでもいいのでこちらへ明確に見せてもらえていたらここまでモヤモヤはしなかったかも…と思ってしまいました…
“頑張る主人公”は当然応援したいんだけど、応援しようと思える“キャラクターの核”を見せてもらえないまま雰囲気でゴリ押しされたというか…
主人公が憧れたのは「淑やかでスマートに助けの手を差し伸べてくれるすてきなコンシェルジュさん」だったはずなわけで…
その姿を目指している人間の頑張り方、気の配り方をしているようには全く見えずでした。
このあたりの心地悪さが尾を引いて、どうしても邪魔をされてしまいましたね。
ラストのウーリーさんの泣けるセリフとか全体通して色々な長所があったのに、どうも惜しい感想になってしまった印象でした。
まぁでも、アニメーションとしての面白さはほんとうに十分に感じられたので
また観返したい日も来るだろうなぁと思います。
今の時代にこの映画、というのが面白い。
50代の私は、日曜日に家族や親族とデパートで1日過ごす体験をした最後の世代かもしれません。
誕生日やクリスマスにはプレゼントを、行事やイベントの時にはよそいきの洋服を、買ってもらっていました。
屋上の遊び場やお子様ランチもすごくいい思い出です。
アニメは、パステルカラーでかわいくて、眺めているだけでほのぼの。
ストーリーも、山場はないけど、温かい気持ちになります。
ただ、実際にここまでの接客をされたら、私はしんどいですが(^-^;
主人公の、お客様を笑顔にしたいという気持ちは、まっすぐ刺さりました。
周りの人を笑顔にしたいという気持ちを持つ人が増えたらいいなと思いました。
まずは、自分からですね。
帰り道、阪急百貨店本店に立ち寄り、クリスマスのウィンドウディスプレイをしばらく眺めました。
冬間近、幸せな気分の帰り道でした。
日本の接客が素晴らしい理由、詰まってます
周回遅れで鑑賞おじさんです。
今日は友達と。
同い年で、価値観が似てるのでやはりお互いに刺さってました。
ストーリーは王道。
設定の説明の取捨選択、フォーカスする部分にはちゃんと目を向けた上で、ただ捨て去るのではなくサラッと説明して、設定の理由付けみたいな仕掛けを用意しているところ、構成が見事の一言です。別に本筋の伝えたいことからブレるなら、この程度で十分だし、説明するだけで始まりから物語の奥行きが出て、見ているドラマがいかに尊いかを、描いています。
キャストの演技、よーくよーーーーく聞いてやってください。本当に覚悟決めてやってます。凄すぎます。ほとんどシチュエーションというより演技で感動しました。もちろんストーリーありきですけど。
映像、さすがはプロダクションIGです。演出は派手にやってくれてます。背景全てを動かすような実験映画チックな狂気的アニメ表現はありませんが、ちゃんとクオリティを確保してくれてます。
本題、この映画の本質は、接客において、日本の文化の象徴であり、難点であり、過剰であり、美徳です。
素晴らしいものであると同時に、見た人なら突き刺さったであろうあの動物の横暴を逃げずに描いているので、綺麗だけじゃないことを表現してます。
個人的には大絶賛ですが、評価を0.5下げてる理由は、正に日本の美徳とされるこの映画接客の有様を好意的に受け取れない人間が一定数いることと、映画体験としては凡庸であること(この映画がテレビのスペシャルとかで流れても相応に感じてしまうこと)が少しだけ評価を落とす要因です。
有り体に言えば、捻りがない。原作もそうなんでしょうか。展開の予想から超えてこないことです。
でもそれでいいんです。だって百貨店のコンシェルジュのお話ですから。
推しキャラはマンモスです。重厚感のあるキャラクターの中から揺れる感情が、いかに繊細であるかがわかると、とても素敵ですね。
1話完結の漫画をそのままアニメ化した感じ
作画のかわいさやテンポの良さで映画全体が見やすくはなっている。
ただ、ストーリーの中身のなさがどうしても拭えない。グランドホテル形式にしたいのだろうが、一つ一つの問題が小さすぎて映画になっていない。正直、他のドラマや映画で飽きるほどみた展開(レストランでのプロポーズや病気の子供へのプレゼントなど)で意外性がない。登場人物を動物にするのなら、動物特有の問題点を深ぼってほしかった。
あと、あの変な世界観はなんなのか。百貨店の外側は最後までほとんど映されないし、従業員に人間しかいないのわけわからんし。絶滅危惧種のために作ったテーマパークってなに?こわ
全111件中、21~40件目を表示













