「日本の接客が素晴らしい理由、詰まってます」北極百貨店のコンシェルジュさん エイプさんの映画レビュー(感想・評価)
日本の接客が素晴らしい理由、詰まってます
周回遅れで鑑賞おじさんです。
今日は友達と。
同い年で、価値観が似てるのでやはりお互いに刺さってました。
ストーリーは王道。
設定の説明の取捨選択、フォーカスする部分にはちゃんと目を向けた上で、ただ捨て去るのではなくサラッと説明して、設定の理由付けみたいな仕掛けを用意しているところ、構成が見事の一言です。別に本筋の伝えたいことからブレるなら、この程度で十分だし、説明するだけで始まりから物語の奥行きが出て、見ているドラマがいかに尊いかを、描いています。
キャストの演技、よーくよーーーーく聞いてやってください。本当に覚悟決めてやってます。凄すぎます。ほとんどシチュエーションというより演技で感動しました。もちろんストーリーありきですけど。
映像、さすがはプロダクションIGです。演出は派手にやってくれてます。背景全てを動かすような実験映画チックな狂気的アニメ表現はありませんが、ちゃんとクオリティを確保してくれてます。
本題、この映画の本質は、接客において、日本の文化の象徴であり、難点であり、過剰であり、美徳です。
素晴らしいものであると同時に、見た人なら突き刺さったであろうあの動物の横暴を逃げずに描いているので、綺麗だけじゃないことを表現してます。
個人的には大絶賛ですが、評価を0.5下げてる理由は、正に日本の美徳とされるこの映画接客の有様を好意的に受け取れない人間が一定数いることと、映画体験としては凡庸であること(この映画がテレビのスペシャルとかで流れても相応に感じてしまうこと)が少しだけ評価を落とす要因です。
有り体に言えば、捻りがない。原作もそうなんでしょうか。展開の予想から超えてこないことです。
でもそれでいいんです。だって百貨店のコンシェルジュのお話ですから。
推しキャラはマンモスです。重厚感のあるキャラクターの中から揺れる感情が、いかに繊細であるかがわかると、とても素敵ですね。