愛にイナズマのレビュー・感想・評価
全224件中、181~200件目を表示
モヤモヤが残る
世の中のあらゆる理不尽を詰め込んだような作品でイヤな気分になった。
後半でそれを覆すほどの爆発力はなかったかな。
主人公の家族と彼氏(でいいのかな?)と彼らに近しい人たち以外はほぼみんなと言っていいほどあからさまにイヤなやつだった。
私の中で一番印象に残ったイヤなやつは三浦貴大さん演じた助監督。最高にムカついた。
役者の皆さんの演技力はさすが。素晴らしかった。
皆さんのレビュー読んでこんなに好き嫌いが別れる作品なのかと実感。
でも家族でも話さないと伝わらないし話せばちゃんと心通うんだよねと少し救われた。
リアリティーラインがどうなの?
いくら何でもあんな理不尽な事は考えずらいしステレオタイプなキャラの描き方もどうかと思いました。
あのレベルでのWikiというのもあってもしょぼいと思います。
家賃も払えないマスクも節約してる経済状態の人がそれなりのバーとか行きますか?
いきなり2人の距離が縮まるのも??が浮かびます。
土砂降りの中に大切なあれを無防備に持って行きますか?
通帳だけもらっても降ろせないです。
そこは警察を呼ぶべきだし、そもそもかなりやばい話をあれだけの大声では話さないのでは?
他にも🫣事が多すぎでした。普通なら2.0なんですが役者の演技は良かったので3.0にしておきます
50才以上の人向けかなぁ
子供が巣立った、兄弟の多い50才以上の人向けかなと思う。そういう環境の私には、じわじわとくるものがあり面白かった。泣き/笑いと言うのは少し違うかな・・・。
松岡茉優と窪田正孝がメインであるが、他の俳優さんの配役・演技も良い。
特に佐藤浩市の配役が絶秒にハマっており快演も光る。佐藤浩市が主役と言っても良いぐらいだろうか。
画の切り取り方や、展開の仕方など、大林宣彦の映画を見ているような感じでした。
悪い意味ではなく、日本的というか古典的というか文学的というか、ノスタルジックな構成で見せてきます。この辺は少し好みが分かれるところかも知れませんが、私はまぁまぁ好きかな。とはいえ、もう少し新しさというか、変化はあっても良かったと思う。
また、英題は「Masked Hearts(マスクで覆われた心)」とのことだが、邦題もこちらのほうが良かったかな。
さて、普通に面白かったが、評価としては少し厳しく3.5です。
これだけの役者を揃えながら、私的には大林宣彦の世界観を超えていないことと、何か映画全体としての力強さが足りないなと感じたからです。
何これ?最高じゃん‼︎
ド退屈で趣味悪い脚本に辟易し何度となく途中退席しようとしていた1時間強。
舞台を千葉に移した瞬間からガラリと大傑作に。 こんな作り方あるんだねー 驚いたなぁ。
客席全体が腹底から笑い一緒にもがき全力で応援してしまう。 結果 腰抜かすほど面白い。
大傑作だ。
赤が欲しい
松岡茉優ちゃん
窪田正孝さん
演じるお二人の恋愛からの
疎遠になっている家族の物語
池松壮亮さん、若葉竜也さん
この二人の役者が松岡茉優ちゃんの兄貴役!
めっちゃ観たいと思いワクワクしながら鑑賞🎬✨
花子が映画作りに奮闘するなか、経験豊富の年上助監督に、いびられ、なめられ、あわよくば身体まで支配下におかれそうになり、みていて辛い。
メグミ演じるプロデューサーも味方なようで味方ではない。
この二人に腹が立ちつつ。
変わった青年、マサオと出会い。意気投合して、良い感じになる。マスターの前で❤️
度々色んなところで、マサオが花子に好きです。っていうのが好きだ。
後半待ちに待った家族シーン。あの喧嘩シーンとか、乗り込むシーンとか、5.6回繰り返しみたいくらい大好きだ!笑
演技達者が集まると凄いですね。
カメラ慣れしている役者が、カメラ慣れしてない演技も笑える。
折原家が赤が好きなのは、母親を求めているサインだったのかなぁと思った。
そしてマサオは天使みたいな人だと感じてた。
仲野太賀君と中野英雄さんの親子
携帯ショップの趣里さん
ホテル社長役の高良健吾君
様々豪華✨
みんなでハグしたい
佐藤浩一演じる父も酷い父ではなく良い父だった。
マスクに隠された本音を引き出す傑作
石井裕也監督、現時点での最高傑作でしょう。超意欲作「月」が公開されたばかりなのに続けての登板。「月」では石井カラーとはガラリと異なる世界で、混迷が垣間見えました。本作はズバリ自家薬籠中、それも捻りにひねった挙句の笑いと涙で圧巻の面白さ。オリジナル脚本からして彼自身、加えて芸達者な俊英揃いのキャスティングで、セリフが生き生きとスクリーンに泳ぎ出す爽快感。
松岡茉優扮する1500万円の予算で映画監督デビューを控えた折村花子が主人公。夢叶った花子に立ちふさがるのが、制作主体からあてがわれた助監督役の三浦貴大とプロデューサー役のMEGUMI。この2人の業界あるある全開ぶりの厭らしさが絶品描写で、花子を追い詰める出だしが絶好調。自らの母親失踪を題材にした「消えた女」は、しかし常識に凝り固まったプロデューサーの策略により監督デビューを追放されてしまう。この虐められつつも自らの信念を貫く花子の造形が、希代の名女優となるであろう松岡茉優の立て板に水のセリフ廻しが見所でしょう。
失意の花子が金もないのに入るような場所じゃない"バー"の設定が理解出来ないですが、兎に角ここで運命の窪田正孝扮する正夫と出会う。よりによって「消えた女」のオーディションに落された仲野太賀扮する落合のルームメイトが正夫で、詰んでしまった悲劇が2人を結び付ける。映画製作を諦めきれない花子は自主製作のドキュメンタリーに方向転換、あり得ない現実のその先を掴み取ろうともがく。
行きつく先がまるで疎遠だった佐藤浩市扮する父親の住む実家、失踪の核心に迫るべく集められたのが兄二人、長男が池松壮亮で次男が若葉竜也。花子監督と正夫キャメラマンでドキュメンタリー映画の突撃撮影が始まる。母親は何処にのミステリーをベクトルに、個性たっぷりな役者による一発触発のスリリングすらも作劇に織り込み、本作の核心たる奇想天外なシチュエーション・コメディが展開される。すったもんだの挙句のキーワードが"ハグ"なんですから、突然泣かされます。家族の物語に収斂し、笑って泣いてなんて書くと松竹人情喜劇のように思われるかも知れませんが、まるで乾いているのが新しい。
彼等を取り囲むのが、杓子定規な携帯ショップの女に趣里やら、恩義を感ずる料理屋の益岡徹、大物スター役の中野英雄が親子共演(一緒のシーンはなし)を果たし、父親の会の社長に石井監督作常連の北村有起哉、長男のチャラい会社社長に高良健吾と極めて贅沢な役者さんの釣瓶打ちと、石井ワールドの集大成の趣。しかし最も難役は相手役たる舘正夫役の窪田正孝でしょう、例のアベノマスクを100枚所有するピュアな役が窪田の透明感に溶け込む見事さです。
次男の言う「神がいなけりゃ、愛もない」その愛に、やたら雨のシーンが多い本作に被さる雷の稲妻が刺されば、完璧にキューピットでしょ。イナズマのシーン毎に画面に化学反応が起こり芝居が昇華する不思議な作品に惚れ込んでしまいました。しかしカメラの不具合等で結局ドキュメンタリーは成し得なかったけれど、無事完成し望外のヒットに恵まれ冒頭の2人を見返して欲しかったとも思うけれど。
愛のイナズマでも、愛がイナズマでもない、"愛に"の意図が次第に解き明かされる傑作です。
ゆるりとした良作です。
久々に監督キャスト登壇の舞台挨拶付き上映に行きました。
松岡茉優さん、窪田正孝さんはじめ出演者がとても豪華な映画でした。
石井監督は内に秘めた想いを吐き出すみたいに、時々こういう作品を撮りますが…
私は結構ハマります。
長男池松さん、次男若葉さん、末娘松岡さん。
この三兄妹のパワフルな個性が小気味良かったし、その父親が佐藤浩一さんというところもステキ。
その家族のバランスをとっているかのように、ゆるふわな窪田さんがいい味を出してます。
映画業界あるある、10年ぶりの家族、コロナ禍の世相、個性を発揮できない息苦しさ、、、
ゆるりとした作品ながらも細かい棘みたいにチクチクと心に刺さって忘れられず。
見終わった後、不思議と元気が出る映画でした。
ゴージャス家族
業界の常識は少し減らしても良かったのでは?その分ゴージャス家族のシーンを増やしてくれたほうが満足度が上がりそう。
窪田正孝さんが、普段は情けなさそうに見えるのに、カメラを通すとすごく素敵に見えるのが未来を感じさせて良い。
誰もが人生を演じてます。
松岡茉優演じる花子は映画監督。でもプロデューサーや助監督とドタバタ対立して、残念な事に。その間に窪田正孝演じる正夫と出会い、初対面でチュー。おや、もしかしてラブコメ?って思ってたら、佐藤浩市演じる花子の父親、治や兄弟の池松壮亮演じる誠一、若葉竜也演じる竜也と2人が絡み始める。え?家族のやり取りを撮影して映画化。しかもカメラマンは素人の正夫だと!それ、無理じゃね。そもそも花子はこの若さで映画監督になれるくらい凄い奴。自分を信じるとんでもないプラス思考のセリフに笑わされた。家族皆んなが個性的で、感情をぶつけ合う所に大共感。でも本心かどうかは分からない。そこがリアル家族って感じで楽しかった。結構笑えるシーンが多いんだけど、ジュリアにハート傷心のシーンは何だっんだろう?笑えたけど。ずっと楽しかったけど、ラストに治が〜!そっか嘘じゃなかったんだな。ウルウルウル。笑って泣けてとっても楽しかったです。
誇りに思い合う家族は強いぞ
バラバラだった家族が10年ぶりに揃い、知らなかった事を知り、互いに理解し合い、家族を誇りに思うようになるって素敵ですね。松岡茉優さん、吹っ切れたような演技とても良かったです。お父さんの佐藤浩市さんさすがです。お兄ちゃんの池松壮亮さんかっこ良かったです。窪田正孝さんのキャラとてもはまってました。その他豪華なキャストで笑わされ、ほろっとさせられ面白かったです。
詐欺グループへ乗り込むシーンもうちょっと見たかったかな。
予定調和じゃなかった
アフターコロナエンタメということで、最初はコロナの頃の息苦しさを思い出した。マスクして自粛していたねー💦 正義の少年は気を付けないと殴られますよ。アベノマスクも重要なアイテムでした笑
バーでのやりとりから救われ始めたけど、荒川監督がムカついたわー、あの俳優がああいう役をするのもめずらしく感じるけど、いちいち理由を求めてウザい。(あ、俳優自体は好きです。いろいろなドラマや映画でいろいろな役を演じていらっしゃいます😊) 理不尽てあるんだろうなー、でも共感してムカついた💦
前半と後半と全く内容が違う。
後半はぎこちない家族の話。池松くんと若葉くんがお兄さんなんて最高だねー👍 なんか古い実家に家族が集まるから、台風家族を思い出したわ。あの映画にもMEGUMIと若葉くんが出ていたわ。ちなみに若葉くん、俳優として好きなんだー❤️
私にとって予定調和じゃないことがおきるから、え?とかマジ?とか言っちゃったり、吹き出したりしちゃったわ。キスシーンを監視カメラで振り返るなんてー🤣
俳優陣の力を感じました。松岡茉優も佐藤浩市も良かったし、仲野親子の共演もあったり、ワンシーンですごい俳優が出演するのも魅力でした。
観終わった後、舞台挨拶があって良かったわー
これは観る前より、後の方がいいねー♪
役者の演技を楽しむ映画
正直、話自体は特に面白い訳ではなかった。
ただ役者の演技が素晴らしいので、最後まで見ていられたかな、という感じ。
特に、窪田正孝氏は素晴らしい。
他の役者さん達も素晴らしいんだけど、過去に見たことのある演技だなぁという中、窪田正孝氏だけは初めて見る感じだった。
こんな演技もできるんだというか、まさにカメレオン俳優ですね。
なんか、役者の底力を見せられた感じでした。
昭和のお父さんは、ハグが憧れ
これだけ演技派がそろうと、全シーン目が離せない。
まずは、MEGUMIと三浦貴大の嫌な業界人コンビに嫌悪感がモリモリ湧いてくる。この2人にとって嘘や追い落としなんて息を吸うのと同じ感覚。コイツらもひどいけど、自分の脚本を上手く説明できない花子も監督としては未熟。
松岡茉優、池松壮亮、若葉竜也の兄弟が揃ってからが、やたらと面白い。父親が佐藤浩一に加えて、窪田正孝までがいる。アドリブもけっこうあったんじゃない?
前髪をおろしている時の若葉竜也は、全力でクソ真面目な演技。そのフリに池松壮亮の絶妙なツッコミのセリフが入るから、思わず笑ってしまう。
花子が撮ろうとしていた作品と物語が徐々にシンクロしていって、バラバラだった家族は、なんだか奇妙なまとまりを見せる。
感動というか、心がホッとするようなラストでございます。
変えたタイトル。
自身の幼少の頃、家族の事を題材にした映画を撮りたい新人監督折村花子の話。
プロデューサーや助監督がつくも息が合わず上手くいかない…色々模索しながも自分のやり方、捉え方で作品製作しようとする花子のストーリー。
作品に観慣れる15~20分くどいセリフと助監督荒川のねっちこい感じが何か観てて鬱陶しいなんて思ってたんだけど、窪田正孝演じる館の登場、青年2人と学生の喧嘩の仲裁に入って小言で「やめて下さい!」館の声ちっちゃ!(笑)
仲裁に入ってるにもかかわらず青年からも学生からも馬鹿にされちゃう館のキャラとその描写辺りから楽しめた!
ストーリーが進むにつれ消えた母の事実を知り過去に荒れてた父の理由を知ったことで花子の製作作品タイトルも変わり、最初は喧嘩多めな家族だったけど家族の絆みたいなもの取り戻したラストは暖かかった。
仲野親子の絡みちょっと観たかった!
本作楽しめました~
この程度のイナズマでは1985年に帰れません‼️
主人公の花子は映画監督志望の女性‼️ところが卑劣なプロデューサーに騙され、自分の家族の物語であったにもかかわらず、企画を横取りされてしまう‼️運命的に出会った男性・正夫とともに疎遠だった父、二人の兄と連絡を取り、反撃を開始する・・・。プロデューサー役のMEGUMIさんと助監督の三浦貴大さんがホント嫌な奴で、最初は正夫の力を借りてこの二人にリベンジして、コテンパンにやっつける話かなと思ったらそうでもなく‼️空気を読めない正夫とのラブストーリーかなと思ったらそうでもなく‼️20年前に姿を消した母の謎、10年間音信不通だった父や兄達とのビミョーな家族再生物語‼️父や母との関係は花子の映画製作へのモチベーションになっているのですけど、兄二人との関係性が説明不足ですね。しかも映画中盤ごろにいきなり出てくるので、キャラ的にも掘り下げ不足の感‼️終盤までには母の謎も解けて、家族の絆も取り戻してハッピーエンド⁉️けど花子の映画監督としての未来は❓正夫との関係は❓長男はクビでしょ、間違いなく‼️なんか全てが中途半端に感じました‼️やはりもう少しカタルシスが欲しかったなぁ。でも松岡茉優さんはハマり役で魅力的なので⭐️一つおまけ‼️
肯定とか
松岡茉優を始め、出て来る主要キャラクター全員社会不適合なの。
まあそこまでダメ人間には描かれ無いんだけど、世渡りが出来ないと言うか学校や職場なら1日でダメ認定されるタイプ、その辺にいっぱい居そう。
でね。
例えばだけど彼らが撮った絵が残ってて、映画消えた女もしくは消えない男が上映されてたら皆んな見に行ってた?
勿論松岡茉優とか佐藤浩市のネームバリュー無しで、入場料金いつもので。
ここで見に行か無い、を選択した人は普通に社会適合者であの映画プロデューサーくらい普通に常識人ですよ。
ってくらいダメ肯定的に思えたよありがとう。
うん、映画はこういうのが有って良いから好きだよありがとう。
うまく言えないけど、心にイナヅマが刺さってきます
それほどマイナーではないけれど、〝うっかり八兵衛〟してると見逃してしまいそうな映画。
それを見逃すことなく、今週末に見る映画のトップバッターに選んだ自分を褒めてあげたい。
最初から最後まで松岡茉優さんの顔演技に引き込まれ続けます。
◦いわゆる〝日本語の通じない相手〟との無限ループの会話での苛立ち
◦怒りを爆発させたいのに、立場が弱いため無理に作る笑顔
◦バーでの窪田正孝さんとの絶妙な演技の掛け合いと顔アップでの感情表現
相手役の窪田正孝さん演じる〝空気の読めない男〟もまた素晴らしい。
◦アベノマスクをメガネのように顔と一体化させることについては、おそらく日本一‼️というかひとりしかいない。
◦一見しただけでは、何を考えているのか分からないけど、大事な人や大事なことを守り抜こうとする真っ直ぐな強さが、いつの間にか周りの人を勇気づける。
他にも、なんて贅沢‼️という使われ方の名優がたくさん出てくるけど、みんな、ちゃんと演じてくれる。
しかも、心から楽しみながら。
脚本◦演出とも「俺が❗️」という主張を抑えて、役者力を信じ切ってる感じがして、とても受け入れやすい。
あー、いい映画に出会えて良かった🤗
でも、ウチの家族は、急にハグなんて言ったら、ドン引きするだろうな。
もしかして、中野さんは親子共演?
ポスターに騙されるな!家族の愛にイナズマ が走る
恋愛映画のようなタイトルにも感じられるが、家族愛の話だ。
作中に、邦画が韓流を越えられないと語られるが、確かにコミック原作、小説原作の邦画が多すぎて、原作の素晴らしさ頼りの邦画だらけの現状。
でも、この作品に関してはオリジナル脚本にして、韓流を超えたのではないだろうか。
序盤はリアリティとは何かで噛み合わない監督と助監督に観ている方もイライラが募るし、コロナ禍の重苦しさ、仲野太賀演ずる若手俳優の自死、監督の交代劇のやるせなさ、辛い現実がこれでもかと描かれる。
これらが、後々バネになって、逆境に絶対負けない強い意志を見せる松岡茉優の素晴らしい表情に繋がってゆく。
劇中で撮影される映画は、母親が消えた真相を題材に撮影していたはずなのだが、だんだんと映画とリアルの境界線が曖昧になっていくところが魅力だ。
ウォン・カーワイ製作、エリック・コット監督作品の「初恋」で金城武が父親をハンディカムで撮影していた姿を思い出す。
この二作品にに共通するのは、家族を撮影することで、家族の思い出が決して消えないものとして形作られてゆくところだ。
だんだんと父親の過去も明るみになってきて家族の形が見えてきた時には自然と涙が溢れていた。
海鮮屋の主が佐藤浩市演ずる父親の真実を語り出した辺りからは涙が止まらなかった。
三兄弟は男男女の構成で、性別は違うものの、カラマーゾフの兄弟のオマージュにも思える。
池松壮亮の長男はかなりミーチャっぽいし、若葉竜也の次男はカトリックの牧師で、カラマーゾフの三男のアリョーシャと同じ聖職者だ。
となると、妹の松岡茉優がイヴァンか。うん、そうだそうだ、曖昧なものは信じない、真実を撮影しようとする一番のリアリストだもの。
妹のことを貶されてWikipediaを見ろと怒るシーンでも、携帯ショップのがんじがらめの規則で、消えた母のスマホの解約ができないシーンでも、海鮮屋で見るに見かねた詐欺集団を殴りに行くシーンでも、長男が男気を見せる。そして、どんどん家族の絆は強くなっていく。
今から一緒にこれから一緒に殴りに行こうか的な絆だ。
松岡茉優が持っていた方のカメラは度々故障して、結局、家族の映像は残らなかった。
だからこそ、もう一度負けずに撮影するのだ!
そして、窪田正孝が撮っていたスマホに残る映像は、奇しくも家族のハグする姿を捉えており、観ている者はイナズマが走ったかのような衝撃を覚えるのだ。
だから、ポスターに騙されるな!
この出会い、1億ボルトなんてコピーと2人が見つめ合う写真だと窪田正孝と松岡茉優の恋愛物語だと思ってしまうではないか。
実は家族の愛にイナズマが走る物語だと気づく頃にはすっかり感動してエレファントカシマシの「ココロのままに」に酔いしてるんだけどね。
全224件中、181~200件目を表示