キリエのうたのレビュー・感想・評価
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悲しい事があっても歌がある
アイナ・ジ・エンドさんの歌声が心に染み渡ります。素晴らしかった。キリエとルカ、イッコとマオリ。この二人の友情が何とも美しく心地よく感じます。松村北斗さん演じた夏彦がキリエ(ルカ)に見せる後悔の涙も感動的でした。まだ幼いルカを気にかけ手助けしようとする先生役の黒木華さんも印象的でした。辛く悲しい出来事があっても歌がある。きっとこれから良い事たくさんある。そう思わせてくれました。3時間は確かに長いけどそれを感じさせない時間でした。良い映画を見ました。
歌の価値
例えば映画が面白い面白く無いだけで評価されがちみたいに、歌の評価も上手い下手の基準だけだと思われがちですよね。
アイナジエンドの歌も確かに上手いんだけど、上手い歌。それが彼女の歌の価値なんでしょうか?
ほら、今作ラスト近くのライブシーン、権力との対峙構図になって、ロックライブのように描かれるじゃないですか。
でも彼女の意思にはそんな物も無くただ歌いたいから歌う。
思い返せばファーストシーンの路上から彼女は歌しか歌えないから歌っているんです、特にシンガーを夢見てる訳でも無く、怒りをぶつけてる訳でも無い。
ても描かれた彼女の人生を思えば怒りや悲しみを歌に表現しても不思議じゃ無いのに。
彼女は歌う事しか出来ない、言葉の代わりに歌う。
たぶんラストシーンライブの彼女は自覚の無い怒りや悲しみを歌に乗せているんだろうな。
そしてこの映画の登場人物って全員いい奴なんだけど、全員少しづつズルいんだよね、なんか俺らに似てるんだわ、ちょっとズルい所が。
そんな俺らが彼女の歌にちょっと救われ、彼女をちょっと助けたくなる。
歌の価値ってそれなんだと思う、別に俺たちは世界一上手い歌を聴きたくてそれを探してるんじゃ無いからさ。
映像も美しく物語もいい劇伴も心地よい。 そして、アイナ・ジ・エンド...
映像も美しく物語もいい劇伴も心地よい。
そして、アイナ・ジ・エンドの歌、声。
いい映画でした。
が、とあるワンシーンのキャスティングだけが??
モブのがいいのになぁ…
いいシーンなのにもったいない
アイナ・ジ・エンドという生き物
一概に音楽映画だと片付けられない。
人生は音楽のようなもの。キリエ、そしてアイナ・ジ・エンドという生き物の全てが詰まっている。歌しか歌えない。歌"でしか"歌えない。彼女の壮絶な人生は、言葉を羅列して語れるものではない。音楽こそ、彼女にとっての居場所であり、人生そのものだ。
洗練された178分。
決してあっという間ではない。キリエの想像を絶する人生を目の当たりにしたため、そう思うのも必然だろう。だが、無駄も一切ない。むしろ、よくこの短い時間でまとめたなと。ドラマだったら3~4話分になるわけだから、そう考えると見事だなと思う。単に時系列をバラバラにさせるのではなく、映像の透明度で過去と現在を表現するという綺麗な演出を取り入れており、流石、岩井俊二といったところ。おかげで、全くもって退屈する場面がなく、行間ですら愛おしい映画だった。
本作はなんと言っても、アイナ・ジ・エンドだ。
演技初挑戦でありながら、作中に登場する曲の作詞・作曲も手掛け、果てしなく響き、尋常じゃなく胸に刺さる歌声を披露。こんな偉業、彼女にしか成し得ない。とんでもなく繊細で、上品な演技。そして色気も半端じゃない。本作の主人公・キリエと共通する部分が多いのも、彼女の魅力が存分に発揮された理由だと思う。キリエとルカが、姉妹でありながら全く違う人物に映るのもすごい。監督の見せ方あってのことだろうけど、アイナ・ジ・エンドの"声"を使った表現がとんでもなく美しいから、ここまでハッキリと違いを感じられる。後半なんて、彼女を見ているだけで泣きそうになる。
キリエの歌う曲は哀愁漂う、寂しい曲調だが、歌詞はとても前向きで、後ろを振り返らない強い人物像が表れている。過去の苦しみから逃れたい、ものすごく心の弱い人物とも考えられるが、彼女は違う。後悔以上に、感謝で溢れ、姉のことをずっと心に刻んでいる人生だと思うから。この映画に登場する人物全て、結局どんな人間なのか全然分からない。だが、そこには何らかの愛があり、音楽という名の人生があり、キリエという人間が心に残っている。その前、その後、どんな人生を送ったのかさっぱりだが、誰しもキリエに愛がある。背中を押すわけでも、寄り添ってくれる曲でもない。たまたま隣に居て、自分の気持ちを代弁し、手を振ってそっと消えるような、儚い存在。だから、イッコは彼女が遠くに行きそうで怖かったはず。もう、自分のことを過去の人物にされそうで。
鑑賞から2日が経過した。
未だにレビューが書けていない。それも、暇さえあればひたすらスマホとにらめっこしているというのに、この映画を表す言葉が思い浮かばない。でも、キリエのうたを聴いていると、自然と心が救われ、涙が込み上げてくる。そう。この映画を見る前は、数多くある音楽のひとつだと思っていた彼女のうたが、鑑賞後には歌詞と音の1つ1つにドラマがあるんだと気付かされる。音楽を通して人生が見えてくる。そういうことだ。なにも、この曲に限ったことじゃない。全ての曲に、歌う人、作った人のこれまでがある。冒頭に音楽映画と片付けていいのかと書いたが、本作は音楽がもつ力と輝きを知れる、究極の音楽映画だと思った。
まだまだ書きたいことが沢山あるが、とにかく見に行って欲しい。かなり長い尺だし、東日本大震災の描写もしっかりある。受け入れられない人だっていると思う。だが、これまでの当たり前がこの映画で変わるはず。岩井俊二最新作「キリエのうた」。監督の集大成で、人間ドラマのゴールと言える作品。歌を聴く時、歌う時。泣きたい時や苦しい時だって、自分はこの映画を思い出すだろう。
ある意味集大成。だけど君たちどう〜に近いか
岩井俊二にとって震災に分断された青春はどうしてもやっておきたかったのだろう。まったくそういう題材だとは知らなかったのだけど描かれる時代と石巻などのワードでああ。それか、と。
ひとりのアイコンをもとに様々な人を配置して時代を描くのは岩井俊二のパターンといえばパターン、音楽満載で尺も長そうなのでこれが期待していた岩井俊二ではあるのだけど、これは今の若い人たちはどう見るのだろう。バブル期の日本で撮られた「スワロウテイル」とその崩壊後と震災後を繋いだ岩井俊二のクロニクル手法によるクロニクルな感じもする。
そして今度はアイナジエンドと広瀬すずにそれらのバトンが渡されたのだけど、ほとほと岩井俊二がロマンチストなのだというのがよくわかる。それは物語の終わらせ方に。
テーマは女の子同志の友情なのだけど、その同志を成り立たせる松村北斗がかなり複雑で文学的な十字架を背負っているが、これは元ネタでもあったのだろうか。そんなに好きではなかったちょっとヤバい女子高生キリエとその生き写しのような妹ルカと仲良しの親友の年代記。偶然繋がれた三角関係ではるが、時代の並べ替えと一人二役が、ストレートに切なさを感じられないようにつくられている。本来ふたりを強く結びつけるルカの原始の歌声は劇中でなく、冒頭と締めにイメージで出てくる。また、松村はルカの踊りを目にするが、歌声を知る印象的なシーンがあるわけでもない。それらがあればもっとドラマとして効きそうだど、あくまでイメージで終わり、広瀬すずも結婚詐欺で稼ぐ生き様のドラマは回避され、ファッションとして描かれる。なんだか初期の王家衛っぽくて面白くもあるのだけど。
なのでラストシーンの感慨が長尺を費やした割には心に響くわけではない。かなり複雑な仕掛けが多かったかな。
岩井俊二って何故だか分かる作品…。
最初,何も思わずで…。
あの主役のこの歌は上手いんだか,下手くそなんだか音程もアバウトだが、何気無いオフコースの“さよなら“とか…
久保田早紀の“異邦人“とか…あの感じでやるとヤケにイカす!
ココは私の勝手な戯言(タワゴト)である事を断っておきます。
過去に漠然とTSUTAYAとかで借りて,イカれた?曲を演っていた変わった名前でも覚えていた七尾旅人が、格好えぇ感じに街中の何気無いストリートミュージシャン扮する役として出ていたし…。
そう言えば米米クラブって最近聞かないなぁ〜(状況を知らないので,ファンの人には御免なさい🙏)おぉっとカールスモーキー石井事石井竜也も、何気無くカラオケで歌っちゃっているし…。
普段は,お姉ちゃんより人気出ちゃっている広瀬すずは、遊び捲(マク)ってるアバズレ風な役って云(イ)うのも良いんでないか?
※後から後から全体を振り返ると、細かい所に私には壺に嵌(ハマ)る箇所をわりと見受けた‼︎なんて処。
音楽と映像と俳優の魅力にどっぷり浸ることができる。至福の三時間。
久しぶりに1日に3本はしごして観た。
まさか3本目が3時間の大作とは思っていなかった。
(予告は何度も観ていたが、お洒落なガールズムービーくらいに思っていた)
3時間どころか、広瀬すずなら10時間だって観ていられる、と思ってたら途中でいなくなった。
それでも、音楽と映像の美しさ、俳優さんたちの好演に魅せられて、終わるまで全く飽きることなく、スクリーンに没頭できた。
あの歌、どうして途中で中断したんだろう。
バックに歌声が流れていた方が劇的だったんじゃないかな?(逸子さんの最後のシーンです)
観ている間は、ルカの物語にどっぷり浸っていた。
見終わった後、何が伝えたかったんだろう、なんて考えたらダメなんだな。
岩井俊二監督作品は女優さんが実に美しく魅力的。
至福の三時間でした。
粗品さんの演技プラン=(R-指定)+(DJ松永)÷2
正直、歌映画って卑怯だと思うんですよね。歌=エモ、感動 の安直なパターンで、ボクシング映画を見るときくらい身構えるしハードルが上がる。
そういう態度で臨んだ今回の映画はどうだったか。とにかくアイナ・ジ・エンドの佇まいと表現力と歌唱力が牽引し、見事にアイドルムービーとして仕上がったという印象。ここまで「リリイ・シュシュのすべて」のような激しいシーンや、下着のシーンが必要だったのかという疑問は残るけど、とにかくアイナ・ジ・エンドを尊く撮りたいというスタッフ陣の気概は伝わってきた。恐らくシャワー上がりのシーンは、とある描写を強く表現するためには水というか風呂場が効果的だと判断したのだろう。それらのシーンだけカット割りが急激に増えて揺らして撮るところで、3時間という長丁場の作品に緩急を与える効果があった。
日本に産まれて良かったことの1つが広瀬すずの最新作を世界最速で見届けられること。今回も素晴らしかったです。ウィッグの似合わなさもどういう人なのか分かると効果が伝わってくる。JKもまだまだ行けるよ!
自由と制約の中で生きづらさを感じる人には特に刺さると思った。とはいえ、ストーリーの流れは諸手を挙げて全肯定というわけにはいかない。最後のフェスシーン、許可を取ってたかのくだりいるかな…広瀬すずを警察に近づけるための機能もアイナ・ジ・エンドが自由から羽ばたけそうで羽ばたけないことを示す機能としても弱いと思う。そしてそのシーンに松村北斗がなぜいないのか…彼は何か救われたのだろうか(救われないから凡作と言ってるわけではなく)。彼の物語があまりにも弱すぎる。
黒木華の役も、なぜそこまで教師の正義感だけでここまでできるのかが描写不足。何よりアイナ・ジ・エンド演じるキリエが、なぜ歌を歌い続けないといけないのか、その動機付けが残念だったかな。
時系列の操作は本作に関しては有効だったと思う。
広瀬すずの役は魅力的だった。女を使った仕事はしたくないと大学進学を決意するも、結局そこからは逃げられない。
とはいえ、ちゃんと演奏シーンは演奏してるし、何よりアイナ・ジ・エンドの歌がカバー曲も含めて素晴らしくて、「すずめの戸締まり」より誠実に取り扱ったと思うとある事象では別れを想起させて涙が止まらなかった。鑑賞後感もよく、周りの人は終演後も泣いていた(僕は終演前のシーンが興ざめで涙は引いていた)
最後に、唐突に出てくる粗品さんの役作りが「R-指定とDJ松永」を足して2で割った感じなのが笑えた。
おっ!いいじゃないか!って思いました!
もう一度観たい!!
撮影も大変だっただろうなと思うし編集も大変だっただろうと思います。
長編映画ですがあまり気にならなかったです。
星4つでも良いかと思いますがあえて3.5にしました。
観た人はそれがわかってもらえるかなと思います。
とにかく観てください!!
アイナさんは素晴らしい!
アイナ・ジ・エンドさん、映画初出演&主演なのに一人二役を、それも難しい姉と妹役、と作詞・作曲など大変な努力と素晴らしい才能に圧倒されました。アイナさんの歌を聴くだけで価値のある作品です。
子役の矢山花さんも最高に素晴らしいです。歌もアイナさんに負けじと良かったです。潮見夏彦役の松村北斗も繊細で良いお芝居でしたし、イッコを演じた広瀬すずさんは、こんな広瀬すずが見れて良かったです。
終盤に突然、粗品さんが売れてるミュージシャン役で出て、それなりに自然なお芝居をしているのですが、やはり違和感が強い。本職の良い俳優さんが星の数ほどいるのに何で芸人さんとかキャスティングするんでしょうね(特に大手映画会社が多い気がする)ミュージシャンの人が映画に出ても違和感ない場合が多いのはバラエティイメージがないからでしょうか。
歌がよいね
アイナジエンドの声は魅力的ですなー素敵すぎる。
映画は長い、割には濃くはない、というか、どんな人なのかの描き方が甘い感じはする。女を売るのが嫌な広瀬すずが結婚詐欺?ピンとこない。いまだに高校生でもかわいい広瀬すずはさすが。でもまぁなんか惜しい感じの映画。
再び岩井俊二の女の子達が息衝き動き始める
個人評価:4.7
まるで主役の子に当て書きしたかの様な物語。震災への鎮魂歌を下地に、少女の成長と復活を岩井俊二らしい演出で切り取っている。
この年頃でしか出せない儚い美しさ。その一瞬の宝石の様な瞬間を切り取った岩井俊二は流石だと思ったが、主役の子が28歳だとわかり、このアイナ・ジ・エンドという存在を、若く美しいまま映画の中に閉じ込めた事の意義に感嘆する。
路上ライブの音響が凄まじく、まるで目の前で歌ってる様な臨場感がある。おそらく特別な録音をしたのだろう。
鑑賞後に現実世界のアイナ・ジ・エンドのLive映像を見ると、まるで音楽で成功したその後のキリエの姿に見え、映画の物語の世界線が今も続いている錯覚を覚える。それも監督の狙いだろうか。
前作ラストレターで岩井俊二に囚われていた、私の30年の岩井狂を卒業させてくれたと思ったが、あのラストの雪の中の2人の少女の演出。まだまだあの胸の奥をツンと突き上げる甘酸っぱいこの想い。これからも引きずる事になりそうです。
ありがとう。
天下一品(アイナジエンド)こってりスープ3時間注がれっぱなし
大前提として岩井監督の映画のファンです。
本を読んでから鑑賞しました。
逸子さんのエピソードはほぼごっそりカットで映画しか見てない人は彼女のバックグラウンドをどこまで理解したのかな。
アイナジエンドさんのファンムービーって感じでした。
岩井監督どうしちゃったの?
アイナジエンドさんのカラーが強すぎて3時間それを見てるストーリーよりもアイナジエンドさんが強くでてて、もういいよ。って感じになってしまいました。
映画というよりはLIVE見に行ってると思った方がいい。
歌は良かったけど、映画館でそれを見たかった訳じゃないので星2にしてます。
徐々に明かされるストーリーが絶妙
歌うことでしか声を出せない路上ミュージシャン「キリエ」の13年間に渡る出逢いと別れを描いた物語。ストーリーが進むにつれて徐々に明らかになっていく4人の関係性。現在から過去に遡って少しずつ紐解いていくストーリーが絶妙で素晴らしい。
キャスト陣は目移りするような実力派が揃っていますが、その中でも主演アイナ・ジ・エンドは映画初主演とは思えない堂々たる演技で彼女の魅力に引き込まれました。広瀬すずもさすがの存在感で2人の相性も抜群に良かった。
点と点が線になる瞬間、キリエの圧巻の歌声が心に響いて胸が熱くなりました。178分の長尺ですが時間の長さを感じさせない魅力的な作品です。
2023-160
いまいち入り込めず
確かに歌は上手でした。
懐かしい歌も上手でしたが、
ストーリーと歌との関連が
よく分からず。
子役は可愛いかった。
夏ちゃん(松村北斗)には
感情移入した。
追記:2023.10.20
この映画を観た人に、
これは救いの映画だと言われ、
そう思うと、ポイント+0.5
一点突破
長いし、ストーリー的にも疑問点は多い。きっと賛否両論出てくるだろう。
特に、『アレ』がきっかけになった路花/キリエの数奇な運命については、良いのかな、っていうか許されるのかな…?と思いながら観てた。かなり複雑で無理のある流転劇。
広瀬すずも松村北斗もそしてもちろん黒木華も好演しているが、それでも路花/キリエの運命を盛り上げるためだけに創造されたようにも思えるキャラクターたち…
そんなちょっと岩井俊二らしいとも、らしくないともいえるこの映画を、真に生きたものにしているのは、アイナ・ジ・エンドのうたの力だった…
うたの力による一点突破。それだけの力があった。それを観るためだけにでも、劇場に行く価値がある。
tcxは避けた方が。
toho日本橋のtcxは画面が暗く、映像美を生かしきれてなかった…
もし他でもそうでしたら教えてください。
また左右に大きい空白があります。
内容は3時間のアコースティックミュージックビデオのような感じで、
自分は良かったけど、他人におすすめはできないかな。
移しきれなかった内容が気になり、小説の方が良いのではと思ってしまう。
もしくは4時間のバージョンがあると聞いたのでそっちの方が良いかもしれない。
追記
彼女の音楽は響くものがあり、良いです。OSTおすすめします。
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