「アイナ・ジ・エンドの歌をずっと聴いていたくなる」キリエのうた りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
アイナ・ジ・エンドの歌をずっと聴いていたくなる
歌うことは出来ても話せない路上ミュージシャン・キリエ、キリエのマネージャーになった職業不詳の女性・イッコ、3.11で婚約者が行方不明になった青年・夏彦、どこから来たのかわからない喋らない謎の少女・イワン、子供に寄り添う小学校教師のフミ。みんな何らかの悩みや苦しみを抱えていて、彼らがどう絡んでいたのかが徐々にわかってくるという、2010年頃から2023年までの13年間を描いた話。
北海道の帯広、宮城県の石巻、大阪、東京など場面が切り替わり、2023年から突然過去にシーンが切り替わるなど、わかりにくいが、少女イワンとキリエが同一人物なんだろう、というのは序盤から想像出来るので、その過程を謎解きのように追うストーリーは面白かった。
東日本大震災で母と姉を失い、声も失ってしまった少女・イワン役の子役・矢山花が目力のある演技で素晴らしかった。
BiSHのアイナ・ジ・エンドはハスキーでブサカワだが、キリエ役にピッタリ。彼女の歌に引き込まれた。彼女の歌をずっと聴いていたくなった。バックのギタリスト役・村上虹郎もよかった。
黒木華のほんわかした優しさに癒され、松村北斗はカッコよかった。
広瀬すずがカラーウィッグをどんどん変え、何を仕事にしてるのかなかなかわからなかったが、結婚詐欺師とは驚き。彼女が悪女を演じても悪い女に見えないのは美人だから?最後は死んだのかなぁ?彼女は、助かって、罪を償い、更生して欲しい。
最初、キリエとルカをアイナ・ジ・エンドが一人二役で演じる必要性を感じなかったが、これは夏彦が成長したルカを観てキリエを思い出すためなのかもしれない、とその意味を考えさせられた。
いずれにせよ、アイナ・ジ・エンドの歌やダンスを含め、彼女の魅力を堪能した。
3時間と長いが、長さを感じさせない魅力があり、良かった。