「モロッコの片隅で」青いカフタンの仕立て屋 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
モロッコの片隅で
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代々受け継がれてきた職人による手縫いのカフタンは効率化により機械縫いに置き換わりつつあります。ミナがお客に「主人は機械じゃない、職人よ」と言っていましたが、ミナのこのセリフは職人だけに限らず、働く全ての者達の気持ちを代弁しているようでした。
作品は、職人の伝統には誇りを持っているものの、イスラムの戒律には懐疑的に表されていました。それは、ミナの言動、ラストのハリムの行動から分かると思います。イスラム社会での女性の生きづらさがリアルに感じられたのも、女性監督というのが大きいですね。ハリムの同性愛よりも私はミナという女性に興味がいきました。カメラが美しくて、初期ルコント作品を思い出してしまいました。
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