「夫婦愛の結晶」青いカフタンの仕立て屋 ku-pa-さんの映画レビュー(感想・評価)
夫婦愛の結晶
モロッコの民族衣装カフタンの仕立職人ハリムとその妻ミナの夫婦愛を描くドラマ。
ハリムは実はゲイなのだがイスラム社会のモロッコではそれを大っぴらにすることができず、ずっと胸に秘めてきた。そんな2人の店に若い職人のユーセフが現れ、2人の関係が揺れ動くが……
ミナは重い病を患っているが、高額な治療費を嫌い、何もせずこれも神の御心と粛々と受け入れている。
夫はそんな妻を女性として傷つけてしまってきたことを悔やみつつも、献身的に看護し続ける。そんな静かな夫婦の形がじんわりと胸を打つ。
ミナはカフタン職人としての夫を尊敬していて、夫の仕事を安く買い叩こうとする客には毅然とした態度で追い返すことも。
そんな夫が心血を注いだ見事な青いカフタンの行方が、この作品のクライマックスでもある。見事な夫婦愛の結晶として結実する様は感無量。
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