「タイトルなし(ネタバレ)」PERFECT DAYS ushyさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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この映画は自分には少し早かったかもしれない。でも確実に5年前の自分であったら感じる事の出来なかったであろう感情の機微を感じた様に思う。
大きく感情が揺れ動く事はないが、じっくりと、ゆっくりと身体に染みていく感覚。おそらく数年後にまた自然と観てしまう気がする。
主人公はどういう人生を歩んできたんだろうか。若かりし頃からあの様な優しい表情を見せていたんだろうか。昔から無口な人間だったのだろうか。もしそうでないとするなら、何が彼をそうさせたのだろう。都会の喧騒に嫌気が差したのか、豊かさの価値観が変化していったのか。妄想は尽きない。
だがしかし、現在の彼は何気ない日常の一瞬にささやかな幸せを噛み締めていた事は確かだ。道中で職場の仲間が仕事を飛んでその皺寄せが回ってきたり、行きつけの酒場で自分の定位置が埋まっていたり、想いを寄せてる人物の見たくない場面を見てしまったり、些細ではあるが誰しもが経験し得る日常の障害をどこか諦めも感じる表情を浮かべながらただ幸せそうな顔をしながら淡々と対処していた。
生きるとはそういう事なのかもしれない。と最近思う。自分にとっての豊かさを見つけなくてはならない。
自分も主人公と似た境遇にあるのかもしれない。あの姿は将来の自分かもしれない。裕福な家庭で育ち、そこで得た価値観の下、幸せの形を形成してきたが、そこに迷いが生じ、今は八方塞がりだ。自分の下した決断は正しかったのか、他に道はなかったのか。迷いながら生を感じている。
もしかしたら主人公も似た様な経験をしたのかもしれない。もし自分の人生の行き着く先がこの映画なのなら僕はそのまま進んでもいいのかな。とちょっと思えた。でもちょっとだけ。どれだけ後ろ指刺されようが自分はこれで良いんだと思える様になりたい。
主人公にはその強さが自分よりかはある。でも彼も迷っている様に思えた。人は悩む。今の段階で正解を導き出そうとしているのが間違いか。
ラストシーンの笑っているとも泣いているとも取れるあの表情は繰り返し見てしまった。自然と引き込まれた。あの時はまたいつも通りの1日を、されどnew day、new life が始まろうとする中で彼は何を思い、泣き笑ったのだろう。
But He knows how He feels, He’s feeling so good.
メモ
-あの空き地には何があったのか。あのシーンの真意とは。
-缶コーヒーを2本買ったのは何故か。
-柄本の彼女金髪の女性が泣いた理由
-柄本と幼馴染(自閉症?)は実際どういう関係?
-妹とは過去に何があったのか。あのハグの真意。(父親との遺恨?)涙のわけ。妹は大変裕福そうであった。役所も裕福な暮らしを過去にしていた?
