「主人公のような人間にはなれそうもない絶望」PERFECT DAYS ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)
主人公のような人間にはなれそうもない絶望
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平凡で同じ事の繰り返し。ただ、同じ事を繰り返す中でも、ちょっとした出来事、小さな事件はある、
みたいなストーリーなのは良かったし面白かった。
でも、そこに幸福感や満足感、あるいは、
ささやかな楽しみを見出だせる主人公平山は、
大した人物だなとは思うけれど、
そうあるべきだとは思えなかったし、
自分は平山みたいに大した人物には、
どうやら、なれそうもない事に改めて気づいてしまった。
なーんだ、やっぱり説教映画じゃねえか。
あと、平山は運がいい。同じ趣味嗜好な女から突然キスされるし、「いい子」な姪が平山を頼りに家出してくる。
そんな女も姪も、自分にはどこにもいねえじゃねえか。
結局平山の日頃の行いが良いから、役所広司がいい役者だから、主人公にも「良いこと」が起こるだけなんだ。
なーんだ、やっぱり説教映画じゃねえか。
10ある中で8嫌なことがあっても、残りの2から幸福を掴める人は、この映画は刺さるかもしれない。
自分のような、10ある中で8嫌なことがあったら、8が16になっちゃうような人には、残りの2の幸福は、あっても気づかないまま。
捻くれ者にはちょっと辛い映画かもしれない。
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