劇場公開日 2023年12月22日

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「好きだし嫌いな映画」PERFECT DAYS ロンゲストさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5好きだし嫌いな映画

2024年2月6日
Androidアプリから投稿

ショーペンハウアーの「幸福について」を体現するような生活。生き様。

アパートの鍵をしめないのは、物に固執していないから。

他人とかかわらなくても、自分を楽しむことができる。写真などの創作活動もして人生の軌跡も残す。快楽もないが苦痛もない。

故に、自分は幸せである。
でも、何もわからずに多分このまま終わってゆく(死んでゆく)。

それでいいんだろうな、いいと思うことにしよう。そんな日々。

ラストシーン。平山は自分のことをきっとこう思っている。

私は優しい、思慮深く、幸せもので、どちらかというとモテて、繊細で、器用で、孤独を愛し、感性も豊かな人間だ。

と同時に、稚拙で、臆病で、短気で、インポで、短小で、甲斐性がなく、不器用で、寂しがりやな人間だ。

幸せだ、いや情けない人生だ。いや他人より幸せだ、優越感、いや劣等感か。。。

自己嫌悪=自己陶酔。全部まとめて自分。矛盾だらけが普通の人間。幸せだから笑うのではない、笑うから幸せなんだ。

鑑賞後のいま、本作は素晴らしく美しい映画だなという思いと、平山はあまり好きではないなという、混沌におります。

ロンゲスト