「こんなふうに生きていけたなら」PERFECT DAYS 23さんの映画レビュー(感想・評価)
こんなふうに生きていけたなら
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東京の公衆トイレ清掃員として生活するヒラサワの日常を描く。
全体の構成はアダムドライバーのパターソンを彷彿とさせる展開だが最終的な着地点は大きく異なる。
前半では日々の中でささやかな楽しみや小さな変化を謳歌する人生賛美のような描写が続くが、終盤に近づくにつれて少しずつヒラサワの変化への願望が見えてくる。
子供に手を振ってもらったり、顔も知らぬ人と丸罰ゲームをしたり、同僚の思わぬ良い面を見たり、スナックでちょっとした優遇を受けたり、日々の刹那的な喜びは確かにある。
一方でお金がなければ恋愛も難しく、熟年で家庭が離散したり、突然自身の命が長くないことをしったり、普遍的な苦しみが共存する。
刹那の喜びが続き、普遍の苦しみから解放されることをどこかで望む中で、「今は今、今度は今度」の台詞がずっしりと心に響く。
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