劇場公開日 2023年12月22日

「平山さんに会えて良かった」PERFECT DAYS リー・ジー・チャンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0平山さんに会えて良かった

2024年1月1日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

大晦日の最終上映『PERFECT DAYS』をぶらりと観に行きました。この日のこの時間にベストチョイスな映画。しかも2023年のベストワン。

お客さんは10名に満たず。20代から70代まで。20代の若者に上映後にトイレで目が合うと何だか不思議な感じ。

『パリ・テキサス』のハリー・ディーン・スタントンや『ベルリン・天使の詩』のブルーノ・ガンツの影が被さり、ヴェンダース監督の優しさが染みました。どうやら光も影も重なると濃くなるようです。

連想ゲームが止まらず、小津映画の平山氏やジム・ジャームッシュのパターソン氏、アキ・カウリスマキの映画、そしてモネの絵などが思い浮かび夢に出てきそう。

音楽の使い方がまた最高。登場人物、それぞれの来し方を連想させる。

平凡で同じように見え、一瞬で移ろう光と影を切り取ること、それは映画のことでもありますね。そして、映画を愛することは、一人ひとりのかけがえの無い人生を愛することに通ずるかも知れませんね、平山さん。

会えて良かった。

リー・ジー・チャン
リー・ジー・チャンさんのコメント
2024年1月2日

三輪さんありがとうございました。

水上勉さんの若狭一滴文庫でお話を伺ったことがあります。氏の『越前竹人形』にまつわるお話の中で「本当の僧侶は市井にいる」と語られました。自分に降りかかる危険を恐れず、不遇な女性を何も言わずに逃す船頭さんに本物の僧侶の像を託されたようでした。

平山さんも同じような存在のように感じました。ひとつの幸せな心性を映画で象にしていただいて感謝です。これからも繰り返し観たい映画です。
こころを象にした

リー・ジー・チャン
三輪たかしさんのコメント
2024年1月2日

本当に会え良かったです。淡々と生きる幸せに感謝します。

三輪たかし